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末期癌の母の付き添いが辛いです。

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私は母の死を乗り越えられるのでしょうか?
辛くて逃げ出したいです。

昨年の2月に母の末期癌が分かり、ずっと母の介護をしてきました。
先月、緩和ケアに入院し、今日、先生からは余命は週単位だと言われました。

癌が分かってから、私は仕事を辞めて、心身共に母を中心に生活してきました。
今も、週に何度かは病室に泊まり、ほぼ一日中、病室で過ごしています。
それだけに、母が逝ってしまった後の喪失感を考えると、怖くて怖くて仕方ありません。
周りの人からは、「ずっと付き添っていられるのは幸せなことよ。お母さんとの時間を大切にしてね」と言われますが、どんどん弱っていく母の側にいるだけで、私の心が潰れてしまいそうになって、これでは、母との大切な時間を無駄にしてしまいそうです。

母の側にいるのが辛い理由として、残された時間が少ないことを母本人に隠しているということもあるのです。
なので、母は「頑張って食べないと元気になれないもんね」など、元気になると信じて頑張ろうとしているのです。
その一方で、どんどん弱っていく身体に、何となく気が付いている感じで、たまに悲しそうな目をします。
そんな姿を見るのが辛く、できることなら逃げ出して、知らない間に逝ってくれないかなぁと思ったりしてしまいます。

母にとっては、どうしてあげることが良いのでしょうか?
私は、どうしたら乗り越えられるのでしょうか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

悲しみと共に歩む

亀山純史と申します。
私には、「こうしたらお母様の死を乗り越えられる。」といった奇策はありません。もし仮に、こうしたら乗り越えられる、といった道があったら、どう思いますか。寂しくはないでしょうか。人は人の死を悲しむことで、この世の無常を体感するのです。悲しみがなければ、この世の無常さは、単なる観念的な理でしかありません。だから、悲しみの中にいていいのです。悲しみを乗り越えるのではなく、悲しみと共に歩むことです。共に歩むとは、その悲しみに振り回されない、ということであり、無常を体感することなのです。
そして今のあなたに出来ることは、お母様の名前を呼んで、話しかけてあげることです。あなたが呼ぶお母様の名には、あなたのお母様への計り知れない思いが詰まっているのです。そして、お母様の名を呼ぶところに、お母様は、いつも来てくださっているのです。
以上が私からの回答です。お母様をご縁として、仏様の教えに触れていただければと思っています。

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告知をしない理由は?

 こんにちは。20年前ならいざ知らず、近年では告知をすることがかなり増えてきたと聞いています。また、それによる経験も蓄積されているので、告知をした場合にどんな事が起きうるのか、そのためにどんな活動や準備があるのか、恐らく病院に相談すると教えてくれるのではないでしょうか。
 あなたの苦しみは、「お母様を失う悲しみ」もそうですが、「真実を告げずにいることで母が気丈に振る舞う姿を見るのが辛い」ということですね。お母さんとしては、子ども達に心配かけまいとして振る舞っているのでしょう。その気持ちも、あなたには分かる。
 ですから、告知をすることについてストップになっている所はどこなのでしょうか?あなたが今、お母様の一番近くにいるのならば、お母さんとあなたの気持ちを一番に優先してよいと思います。実際を知ると、人間案外開き直ることもできますよ。

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