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お坊様は過去の後悔は昇華できていますか?

回答数回答 1
有り難し有り難し 11

言葉選びが下手で、うまく伝えられず、失礼があったら申し訳ありません。
わたしは一年近く前、自分のせいで愛犬を苦しめ、死なせてしまいました。
私が直接殺したようなものです。
決して殺意や困らせようとしたわけではないのですが、ただただ私の無知、怠慢、愚かさによるものです。
愛犬は数週間苦痛な思いをし、結果亡くなってしまいました。
何故最期に穏やかに逝かせてあげなかったのか、
毎日自分を責め、精神科の薬とお酒を乱用してしまう日々です。
こんな取り返しのつかない罪を犯した私が普通に生きているなんて許されないし、わずかでも愛犬のためになにかできないかと、ハスノハにたどり着きました。
たくさんの質問に真摯に答えてくれるお坊様方の回答、毎日熟読しております。
様々な意見を拝見していると、お坊様方も過去の後悔や抱えているものがあると仰られている方もいます。
仏教の道で修行することで、乗り越えられる、昇華できるのでしょうか?
修行をすれば愛犬に償えるのでしょうか?
お坊様や、仏教の道を軽視しているわけでは決してありません。
ただただ、日々苦しく(本当に苦しかったのは私が殺めてしまったあの仔ですが)救いを求めてしまいます。
あの仔のためにできることを知りたいです。
どうかよろしくお願いいたします。

2022年12月24日 20:23

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

愛犬の命のことは、仏様にお任せするしかありません…

 お悲しみ…お察し致します。せめてもの思いから当方でもお念仏申させて頂きました。
 今回のご相談についてですが、あなたは既に御自身で答えを見つけていらっしゃいますね。
『仏教の道で修行することで、乗り越えられる、昇華できるのでしょうか?』
…『お坊様方も過去の後悔や抱えているものがあると仰られている方もいます』
 僧侶もいろいろあって、その通りなんですよ。
 ただ、仏教が大切にするのは「今・私」ですので、今更変えることの出来ない過去に重きをおかず、今の私に何が出来るか、どうすべきかを仏様に伺って生きていくことを大切にしています。
 『自分のせいで愛犬を苦しめ、死なせてしまいました…決して殺意や困らせようとしたわけではないのですが、ただただ私の無知、怠慢、愚かさによるものです』と、おっしゃっています。
 ならば、あなたの為すべきことは「今回のことから大切な学びを得て、今後そのような過ちを犯さない」ことに尽きるのではないでしょうか。
 命終えた愛犬にあなたが今出来ることはありません。だから愛犬に償うことは出来ません。
 あなたにはそれが出来ないから、それが出来る「仏様にお任せする」のです。
 仏様はあなたの大切な愛犬の命を空しく終わらせることはありません。
 ワンちゃんが死後仏に成るのかどうかははっきりとは申せませんが、それでも私には何も出来ないから、「悪いようにはしないから、私に任せておきなさい」の仏様に委ねていくのです。
 それしかあなたに出来ることは無く、そこにこそ愛犬、並びにあなたのすくいがあります。
 可愛いから買ってきたけれど、「要らなくなったから、世話するのが面倒だから、歳取った病気になったから…」と捨ててしまう飼い主(とは呼べませんが)もたくさんいらっしゃるなか、あなたのお気持ちは温かく深く優しいものです。
 それが故に悲しみを深め続けていらっしゃる…。
 だからこそあなたを又あなたの愛犬を案じて、仏様は「大丈夫。私に任せておきなさい」と優しく、力強くおっしゃっています。
 どうかそのような仏様のおはたらきを素直にそのまま頂いて下さい。
 愛犬はきっと「どうしたんだろう」と、あなたの苦悩を悲しんでいることでしょう。そして今まで可愛がってくれたあなたに感謝していると思いますよ…。

2022年12月25日 10:10
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有り難し
おきもち

質問者からのお礼

小林住職様
年の瀬のお忙しい時期に丁寧に答えてくださりありがとうございます。
何度も何度も読み返しております。涙が止まりません。

やはり僧侶様方もいろいろご苦悩があられるのですね。「仏教が大切にするのは今、私」「今更変えることの出来ない過去に重きをおかず…」
とても考えさせられました。
小林住職様の仰る通り
「今回のことから大切な学びを得て、今後そのような過ちを犯さない」を胸に深く刻みます。

愛犬のために私ができることは何もないのですね。悲しいようですが、仏様が預かってくださるなら安心です。
せめて私は毎日お線香を焚き、手を合わせるだけでもさせていただきます。

「あなたのお気持ちは温かく深く優しいものです。それが…」
優しいお言葉ありがとうございます。罪を犯した私が救われてはいけないのでしょうが、それでも救われる思いです。
急性の病気になり、毎日病院へ通いました。助かってほしかった。だから毎日痛い注射もさせました。
しかし獣医さんにこれはダメだからこうしなさいと言われていたことを、私はできていると思い込んでいました。
そして真逆のことをしてしまっていました。
愚かな無能な自分のせいであの仔は病気も悪化し、さらにずっと苦痛な思いまでして…
仏様、どうかあの仔をすくってください。あの仔はなにも悪くなく、バカすぎる私のせいで苦しんだのです。
愛犬が私の苦悩を悲しんでいるとしたら更に苦しめてしまいますね。
小林住職様の仰るように、仏様にすべてお願いさせていただきます。
本当に本当にありがとうございました。

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