亡くなった母に謝罪と感謝を伝えたい
先月末、母が亡くなりました。
母は実家にひとりで暮らしておりました。
まだ66歳、祖母(父の母)の介護を終え、これから好きなこと、やりたいことをやってもらえると思っていた矢先の突然の別れでした。
いつでも明るく、元気で、人のために頑張っているような人でした。
私はその母を孤独死させてしまいました。
その事自体もとても辛いのですが、今まで私は、自分の生活のことにばかり気をとられ、母にあまり連絡もせず、寂しいまま死なせてしまった。そのことをとても悔やんでおります。
遠方に住み、コロナ禍もあり3年間会えずにおりました。
それは仕方ないとしても、メールや電話などの連絡はいつでもできたのに。
私は『また次でいいか』と思ってしまい、滅多に連絡せずにいたのです。
母も私を気遣い、時々メールや電話をしてくれましたが、もっと私や孫たちと話したかったのではないか、会いたかったのではないかと申し訳ない気持ちでいっぱいです。
いつも私たち二人の子どもや孫たちのことを気にかけてくれていました。
優しく働き者の母でした。
もっと喜ばせてあげたかった。親孝行したかった。
一緒に旅行したり、美味しいものもたくさん食べさせてあげたかった…
ありがとう、ごめんなさいと伝えたいです。
会いたい、声が聞きたいです。
どうしたらこの気持ちを母に伝えることができますか?
母は悲しんでいないでしょうか。
母が心安らかでいられるために、私は何ができるでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
お母様のいのちがあなたの中で生きています
ご相談いただきありがとうございます。
突然の事で驚き、悲しみ、辛さ、寂しさがある事と存じます。心からお悔やみ申し上げます。
仏教では、大切な方と別れ、離れなければならない苦しみを「愛別離苦」と言います。浄土真宗(本願寺)の第三代宗主の覚如上人は、愛別離苦とは数ある苦しみの中で、最も苦しいものだと仰いました。お母様の死が深い悲しみになるという事は、それだけお母様からしていただいたこと、贈られた物が多かったという事です。悲しみの深さは、贈られた物の深さ、大きさです。それは娘様である小粒様が1番わかっているはずです。様々な思いがあると思います。お母様から何をしていただいたのか、何を教えていただいたのか、それを考え受け止める事が遺された者の大きな役割です。その中でお母様から影響受けた事を自然と小粒様のご主人、息子様、娘様にも与えていると思います。それが最初にも述べた「お母様のいのちがあなたの中で生きている」という事です。
昔から日本では、手を合わせることを通して、「大切な方との別れを受け止める」、「大切な方とまた会う」、「思いに触れ直す」という味わいをしてきました。お母様からの思いは変わることはありません。変わっていくのは生きている私達です。だからこそお母様からの変わらない思いを感じていただきたいと思います。手を合わせながら、お母様の思いに触れ、その手の中、胸の中がお母様の思いで満たされることもあるでしょう。思いをかけられているときは実感しづらく、誰かに思いをかけているとき、かけられた思いを実感することがあります。時間はかかるかもしれませんが、お母様とまた会っている、一緒にいると実感できる日がくるはずです。ですから、手を合わせることを大切にしていただきたいと思います。お母様は心安らかにあなたの事を見守っていますよ。
信じて願って祈ること
小粒 様
お母様のこと、お悔やみ申し上げますとともにご冥福をお祈り申し上げます。合掌礼拝。
そして、あなたの悲しい気持ち、出来なかったことの後悔は、お母様が必ず仏様の所へ行き、そしてやがて仏様になること、ご先祖としてあなた方家族を見守ること。さらに笑顔で安心していつもいらっしゃる。と信じて願って祈ることに尽きると思います。
ひたすら信じて祈ることです。それが通じますし、近くに感じることもあるでしょう。遺影に語り掛けても構いません。
あなたの信仰が何か知りませんが、あなたなりのひたすらな思い、信じる思いが通じると思います。
今は悲しみの中、気持ちの混乱や受け入れられない辛さ、後悔が先に立つ自分への怒り、嫌悪。さらに会えない寂しさからの落ち込みなど、気持ちが揺れると思いますが、そのようなあなたの気持ちも信じることで救われていくと思います。
また、この世でご縁のあった家族は仏様の所でも近くに居られることもいわれていますので、お母様が安していらることを願い信じて、やがての再会も信じてみましょう。
どうか、心が安らかで落ち着いていられますように、私もご祈念させていただきます。再拝
追伸:お礼メッセージありがとうございました。悲しみの中、心が揺れるでしょう。それが当たり前、それでいいと自分を許し認めていきましょう。
グリーフケアも致しますので、またどうぞお気持ちをお話しください。ご縁に感謝申し上げます。再礼
質問者からのお礼
釋 孝修 様
お忙しい中にも関わらず、早速のご返信ありがとうございます。
信じて祈ること。承知いたしました。
毎日、母の安寧といつか来る再会を信じて、ひたすら祈りたいと思います。
遺影の中の母にお茶をお供えしながら、ふと思い立ち自分も母と一緒にお茶を飲み、心の中で語りかけてみました。
元気だった頃の母の姿が思い出され、寂しいけれど少し幸せな気持ちにもなれました。
これからはいつでも母と共にいることを心の中に感じ、祈ることを忘れず生きていこうと思います。
ありがとうございました。
釋透顕 様
お忙しい中ご返信くださいましてありがとうございます。
悲しみの深さは、贈られたものの深さ、大きさ…
本当にそのとおりですね。
こんなにも悲しく寂しいのは、母から沢山の愛情をかけてもらっていたからなのですね。
そのことに感謝して、与えてもらったもの、教えてもらったことを私もまた、自分の家族に贈っていきたいと思いました。
母がいつでも自分の中にいて、一緒に生きていることを感じながら、日々自分にできる精一杯のことをしていきたい。
それが母へのいちばんの恩返しなのかなと思いました。
毎日母の遺影に手を合わせ祈りながら、少しずつ前を向いて歩んでいきたいと思います。
ありがとうございました。