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母が老衰で死ぬのが怖い

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母は現在88歳で、十数年前にアルツハイマー型認知症と診断されました。
それからと言うもの、色々と紆余曲折があり、現在では要介護5で、全介助が必要で、何とか食べているだけの様な状態です。
現在、小規模型介護施設を利用しており、週に2回私の休みの前日に夕方帰宅し、翌日朝迎えに来てもらっている状況です。(家には寝に帰るだけです)私は3人兄弟の長男で、妹と弟がいますが、二人とも同地区内に世帯を持ち生活していますが、私は生涯独身で、妻も子もいません。
弟は私とそりが悪く、家に寄り付かず、母の顔を見にも来ず、親孝行のかけらもしたことがありません。
妹は金銭面の協力や病院への付添や毎週土曜日、母が帰ってくる日に約15分程顔を見に来てくれます。
父は13年前に他界しました。私には母が命と言えるような大きな存在で、今までからアルツハイマーの勉強をして、母に苦労をかけてきたお詫びと感謝の意味で少しでも長生きをしてもらうため、嚥下訓練や口腔ケアやマッサージなど家に帰ってきた時に帰宅当日は約30分、翌日行く前には一時間強と一生懸命頑張ってきました。
しかし、病気には勝てないのか今では言葉も言えず、目もたまにしか開かず、こちらかの声かけにもたまに頷く程度しか出来ない状態まで来ました。
施設でも頑張って食事をさせてくれていますが、口をあまり開かず、何とか入れて、スプーンで抑えると飲みこむ様な状態らしいです。
一昨年の暮れから昨年の6月にかけて3回誤嚥性肺炎で入院し、総合病院の先生も暮れまで持つかどうか分からないと言っていましたが、何とか乗り越え、ここまで来ました。
妹は長く家を離れているせいか母に対するおも入れが薄いせいか、「歳やから仕方ないやんか」と言うだけです。
私はここ何年も母が家に帰ってくるたびに元気やろうか?、ご飯食べたやろうか?と心配ばかりで、仕事に行っている時も片時も母の事を考えない時はありません。
母が家で寝ている時も夜中に何回も寝返りもして上げています。
もうどうも私の努力もここまでの様です。人間は誰でもいつかは必ず死ぬと頭の中では分かっていても、心がついていけません。母が死ぬのが本当に怖いです。今まで母の死を考えないようにしていたのかも分かりません。
私はこれからどの様に生きて行けばいいでしょうか?
少しで心が軽くなるお言葉を頂ければ、有難いです。急ぎでご回答をお待ちします

2023年6月26日 16:00

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

残され生きていかねばならない苦しみのそばに仏様がいてくださる

歳やから〜と、妹さんはどこかで受け入れておられような感じですね。弟さんも。冷たいわけでなくとも、親から離れた環境に身を置きますと、親のことだけに かかりきりになれないのだろうと思います。

親への思い入れや親密さが深いほど、親の状態を肌で感じ、一緒に感情が揺れていきますので、しんどさや苦しさも受けやすく、見ていて辛い時もありますよね。

お母さまとの意思疎通が難しくなってきても、お母さまには安心の環境を あなたはずっと整えてこられた。あなたがそばにいてくださり、これほどの心強さはないだろうと思います。あなたが私の子どもで良かったと、お思いだと思います。

お母さまにとって、あなたが生きる支えであるように、あなたにとっても お母さまの存在はとても大きく、今を生きる支えになっておられるのですよね。だからこそ、いずれくるであろう別れを受け入れ難く、今が悲しくて怖くて仕方がない。

私も怖いです。大切な人との別れが。どう生きていったらいいのかって。
それほどに、私がどれだけ支えられてきたのかを実感しています。
だからこそ、今この瞬間を大切に。どんなことをしても悔いは残るかもしれないけれど、出来る精一杯で目の前の人を想いたい。想っていく。

たとえ別れがあろうとも、一緒に過ごした思い出も、重ねてきた時間も、紡いできた言葉も、全てがあなたの中にしっかり残っていき、これからもあなたを支え続けるでしょう。

仏教では、死は命の終わりではありません。仏様のお救いは、この世を超えて 後生まで生き続けるのです。だから、また必ず遇える。ずっと繋がりつづける いのちを生きています。
親子に変わりはありません。お母さまは、これからもあなたを導き、支え、見守り、待っていてくださるお方です。

仏法の教えがなければ、泣いているだけの私だったでしょう。仏様がいてくださり、大切な人を、そしてこの私も、また遇える世界に生まれさせてくださることに、感謝の手を合わせずにはおられません。

あなたの今を大切に。そして、どんな気持ちも、ハスノハで一緒に話していきましょう。お母さまのことも、聞かせてほしいわ。どれほどのお方なのかを。

残されて生きていかなければならない苦しみのそばに、仏様がちゃんといてくださいます。
あなたの大切なお母さまを、私も想っていますよ。どうか、あなたのお身体も大切に。

2023年6月27日 12:23
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有り難し
おきもち

はじめまして(*^^*) 中田みえです。 教善寺 住職として、母親として...
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質問者からのお礼

この度は、本当に私の今の気持ちを見透かしたようなご回答を賜りまして、本当に有難うございました。拝読させて頂きながら、涙が止まりませんでした。何時も帰ってきた時には、母を抱きしめ、手を握り、耳元で「わしが守るから」、「ご飯を出されただけ食べるんやで」、「まだまだ長生きしてや」、「いくら長生きしてもわしは構わんのやで」等々話しています。母は気は結構きつかったけど、人の悪口は絶対言わない人でした。そして、私のぐちをまたかと言いながらでも何時も聞いてくれました。
母とは一年間に何度も旅行をしてきましたし、その点については、心残りはないのですが、認知症になってから進むたびに病気が憎くて、つい母に当たってしまった事も有り、だからこそ、その少しでものお詫びと今までの感謝を込めて、親孝行と思って一生懸命頑張って来ました。
母が、あの世に行っても、又、会うことが出来るとのお言葉、本当に心にしみました。私も本当に母の子で良かったと思います。残された日にちがどれ位か分かりませんが、一日一日を大切に今まで以上に親孝行をして行きたいと思います。本当に有難うございました。

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