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無常というものにひどく虚しさを感じます

回答数回答 3
有り難し有り難し 9

大学受験間近の受験生です。
文には至らない点があるかもしれませんが、ご了承ください。

私の受験が近づいていくにつれて、親も私も不機嫌になったり口論することが増えていきました。その度に毎度「昔(幼少期)に戻りたい。」「祖父母がまだ元気で、仲の良かった親戚たちと定期的に集まっていたあの頃に戻りたい。」など過ぎた温かい記憶に縋ってしまいます。悲しくなって、ふと目に入った私が幼少期の時に母がせっせと作っていたアルバムを見て、大好きな母からの愛を改めて実感しました。しかし、今目の前にいる母親は、私が絡めば絡むほどやっぱり不機嫌になって向こうを向いてしまいます。それがとても悲しいです。私に勉強してほしいのは十分わかっていますし、母も仕事で疲れているのもわかっています。自分の合格が一番の親孝行というのも分かっています。

だらだらと前置き失礼しました。私の最も不安なことは、上手く言えないのですが、時間が自分の周りの環境をゆっくり壊しているような気がする事です。
今までの家族の幸せだった思い出と全く同じ体験はできず、また、これからの人生体験する楽しいことが全て「楽しかった過去」に変わっていくことにひどく虚しさを感じます。
まだ子供のくせにと思われるかもしれませんが、無常というこの世であたりまえであるものが受け入れきれません。

私はやはり考えすぎなのでしょうか?
時間が経つということが怖くて虚しいものだとマイナスな考え方をしてしまいます。
無常観についてどう考えるべきなのでしょうか?

2023年9月23日 2:20

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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

移り変わるものですが大切なご縁は変わりません

拝読させて頂きました。
あなたが幸せだった過去を思い返して今の状況の中でとても辛い思いをなさっているのですね。詳細な過去や今の状況はわからないですけれどもあなたのその辛いお気持ちはわかる様に感じます。あなたのお気持ち心よりお察しします。
受験を控えてあなたもお母様もとても不安な思いを抱えておられるせいで余計に精神的にも疲れてしまったりつい感情的になって言ってしまうこともあるのではないでしょうか。どうしても行き場のない気持ちをつい吐き出してしまってお互いに嫌な思いをしてしまうのではないかと想像します。きっとあなたもお母様も今精一杯なのかもしれません。
できればあなたもお母様も一息ついてみて少しでもゆっくりと心を休めて頂くように心がけて下さい。先ずはあなたやお母様も心身を少しでもいやして精神的にも余裕を持って下さい。そうしていけば自ずと心の豊かになりあなたが幸せを感じることのできると思います。
人間は弱いものですから些細なことでも気持ちは変化していくものです。そしていつも心の在り様は移り変わっていくのです。ただお互いに大切な存在であることは変わりはないでしょうからね。
今の状況はまた時間が経っていく中で変わっていくでしょう。ですからあまりネガティブに考えずに少しでも気持ちをおおらかに穏やかになさって接していきましょう。
あなたもお母様もこれからもお互いを思いやりながらこれからの毎日を穏やかに生きていかれます様に、あなたが無事に受験を済ませて健やかにご成長なさっていかれます様に、皆さんと一緒に幸せに生き抜いていかれます様に切に祈っております。そしてあなたを心より応援しています。

2023年9月23日 10:04
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おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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今受け入れることができなくとも、大丈夫

拝読させて頂きました。

仏教では「諸行は無常」という教えがあります。すべての形あるもの、命あるものは時間が経てば、失ってしまうということです。

道元(どうげん)さまという高尚な和尚さまがおりましたが、その方は母親の死をきっかけにこの世界は「無常」であるということを感じたと言います。

それからの道元さまは、仏門の道に入られました。後に、仏の教えを多くの一般の方々に優しく広く、伝えられた方です。

確かに「無常」という価値観は、怖くて虚しいもの、マイナスなイメージしか捉えられることしかできないかもしれません。しかし、だからこそ、限りある時間をどう使うか。

そのようなことを、教えられているのだと思います。時間は二十四時間誰しも平等に与えれていますが、どう使うか自分次第です。自分が決めるしかありません。

こむぎさまだけではありません。私も他も皆さんも、与えられている時間は平等なのです。

「光陰虚しく渡ること勿れ」という言葉があります。この言葉には、時間を無駄にせず、精進しなさいという意味が込めれています。

良いご縁に結ばれ、幸せな日々を送ることができますようにお祈りします。合掌

2023年9月23日 21:06
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有り難し
おきもち

はじめまして。 岩手県一関市常堅寺副住職のこうだいと申します。 ◆...
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瞬間ごとに新しい自分

無常と聞くと、変わっていく、壊れていくというイメージが強いですよね。
でも、それだけではありません。
瞬間瞬間ごとに浮かんでは消えており、瞬間ごとに新しい自分、新しい心だという意味があります。
過去は過ぎ去りもう無い。
未来はいまだ来たらずまだ無い。
今の瞬間だけがあなたの現実であり、過去は1秒前の別人のあなたから受け継いだ記憶データにすぎないのです。
だから恐がる必要はありません。
未来のあなたは、今のあなたとは別人です。
ただ、今のあなたの記憶データを受け継いだキャラが未来にも瞬間ごとに浮かんで消えていくだけ。

2023年9月24日 7:56
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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

お忙しい中、お答えいただき誠にありがとうございます。おっしゃるとおり、お互いは大切な存在ということを日頃忘れがちだったのかもしれません。できる限り余裕をもって、変わっていく日々を受け入れていけるよう心がけていきたいと思います。
ありがとうございました。

こうだい さま、お忙しい中お答え頂き誠にありがとうございます。完全に受け入れるのではなく、受け入れられないなりに今を大切に過ごしていきたいと思いました。「光陰虚しく渡ること勿れ」というお言葉、これから留意いたします。
ありがとうございました。

願誉浄史 さま、お忙しい中お答え頂き誠にありがとうございます。過去の自分がなくなると同時に新しい自分ができていく、失うものばかりではないのだなと感じました。また、うまく言えないのですが、過去の自分でもなく、未来の自分でもない今この瞬間の自分が本当の自分のような気がしました。
ありがとうございます。

「諸行無常」問答一覧

生家がなくなる

お忙しいところ恐れ入ります。 生家がなくなる寂しさについて、乗り越え方や考え方のヒントを頂戴したくご相談させてください。 この度両親が定年退職し、まったく縁のない地方に移住することになりました。 新居も購入済みで、本人たちは第二の人生ということでワクワクしているようです。 当然ながら実家はそのうち売りに出され、私には帰る実家や地元に帰る意味がなくなってしまいます。 地元が大好きで心の拠り所としていた私にとって、生家がなくなることは思っていた以上に辛く、なんだか宙ぶらりんになるような心地で辛いです。 (今は結婚して居場所もあり幸せではありますが、自分のルーツが無くなる感覚がとてつもなく寂しいです) 親本人たちが幸せなことが一番ではありますが、毒親で振り回されていたこともあり、「また振り回されるのか…」と思ってしまう面もあります。 いずれ年老いて親は先立ち、みんな遅かれ早かれ実家はなくなるものだと思いますが、まだアラサーです。 周りは慣れ親しんだ実家に帰って安心することができるのに、私はできない。 帰る場所が物理的に消える。 大事な柱を一本失ったようで、どうにも寂しく、内心受け入れられません。 実家や地元に対する執着だと思いますが、仏教ではどのように考えて気持ちを手放すのでしょうか。 ヒントをいただけますと幸いです。

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諸行無常、生きている人の心のあり方

亡き母は、ある事業を運営していましたが、まだこれからという時にがんがわかり、あっという間に亡くなりました。 子供の頃から情熱的に活動していた姿を見てきたので、どんなにか残念で、悔しかったことと思います。 私はすでに他の仕事をしていたこと、また、子供個人の幸せを願ってくれましたので、事業は継がず無くなりましたが、母の情熱、精神は忘れることはできません。 それから数年経ち、その経験は、自分の新しい仕事に活かしています。 いましんどく感じているのは、その業界でいわばライバル的存在だった事業が活動をしていることです。 その関係者とは、もと協力関係にありましたが、トラブルがあり、仲違いしました。気に入らない利用者は満足に面倒をみない等、自分勝手な事が多々ありました。 不誠実さを糾弾すれば、足並みを揃えないほうが悪いと。貸したものも返してもらえないままでした。母は不毛な争いを避け、思いやりを大切に、最後までこつこつ活動を続けました。 真面目に取り組んできたほうは追いやられ、力尽きてしまい、ずるいあちらはなぜいい思いをしているんだろう。そう感じてしまいます。 今でも時々夢に出てきて、むなしく思います。 利用している方々は悪意はないのでしょうが、付き合えるということは、自分勝手な人の集まりなのかも、と感じます。 事業に関わった多くの物品、思い出の品々も、捨てられず、そのままです。利用している方々のためにお譲りして、使っていただけたらとも思いましたが、あちらにお渡しするのも考えられません。 この気持ち、思い出、思い出の品々、 受け入れ方、消化の仕方、なにか手掛かりになるお言葉をいただけますと幸いです。

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「無常」について理解出来た気がするが…

初めて質問させて頂きます。長文になってしまい申し訳ございませんが、宜しくお願いします。 私は歴史が好きなのですが、とりわけ源平合戦が好きです。二つの氏族が覇権をかけて争う中での栄枯盛衰や、その過程での日本中を巻き込んだ争乱の数々。これ程までに歴史のダイナミズムを感じられる出来事は中々無いと思ったからです。 なので、先日神戸に行った際、一ノ谷の戦いの戦跡を巡ろうと思い立って観光し、道中、是非見たいと思っていた須磨寺に立ち寄りました。須磨寺には、宝物として平敦盛の武具や青葉の笛が置かれていることが有名ですが、これらを見た時、私は非常に大きな衝撃を受けました。 勿論、平家物語の「敦盛最期」は作中屈指の有名な悲話として、私も知ってはいました。しかし、それはあくまで「物語」としての認知に過ぎなかったのです。知識としては現実に起きた事だと知りつつも、現代とはあまりにもかけ離れた武士たちの世界観や壮絶な出来事の数々に、実感としては完全に物語上での出来事でした。 ですが、敦盛の遺品と、敦盛を殺した苦悩から出家した熊谷直実が、彼を弔うために書いた「南無阿弥陀仏」の掛け軸は、実際に寺にあったのです。 こうして、到底現実の出来事だと実感出来なかった源平合戦を、現実の出来事として否応なく突きつけられ、私は恐ろしくなりました。平家物語に登場し、様々な運命を辿った武将たちの人生もまた現実の物だと、同時に思い知らされたからです。 都での優雅な生活を捨て、戦いに身を投じる事を憐れみつつ奮戦して亡くなった者。戦いに勝利しつつも、哀れにも反逆者となり亡くなった者。戦乱の中で志半ばに自害した者。そして、熊谷直実のように出家した者。 また、源平合戦だけでなく、数々の戦争や動乱に人生を左右された無数の人々…。 歴史という大きな流れの中で翻弄されていく人々が現実に居たのだと、心から実感出来た時、歴史の中での個人の無力さと儚さに恐怖を感じ、平家物語が言わんとしている「無常」を、心の底から理解出来たような気がしました。 果たして、無常について理解出来たようなこの感覚は、悟りに近いような物なのでしょうか? 仏門に入ってもいない者が、軽々しく悟りなどと申し上げるのは気が引けるのですが、世の中に対する一つの見方が生まれたような感覚が不思議だったため、質問させて頂きました。

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諸行無常について教えてくださいませ。

いつもお世話になっております。 私の母方の祖父、伯父は菩提寺の総代を務めさせて頂いておりました。 私が小学校中学年の時に、祖父が亡くなりました。祖父が親しくおつきあいさせて頂いていた先代のご住職様は既に亡くなっていらっしゃいました。次の代のご住職はご本山からやって来た地域にまだそんなに根差しておられない方でした。 祖父の葬儀の時に、その新しいご住職は手を合わせてはいるのですが、カセットテープのボタンを押し、お経のテープを流したのです。 その場にいた大人達は驚き、小声で「テープだ。」と囁いていました。親族は怒っていました。私も子どもながらに「お坊さんなのに何でお経を読まないの?」と不思議でした。 法話もありませんでした。 祖父は生前、先代のご住職とは親しくてご住職を交えて祖父の家で一緒に食卓を囲んだりしておりました。古い木造のお寺なのでもし何かあった時にと山から木を切り出してきてすぐに使える状態にしておいたり、祖父は総代という事もあり、何かと菩提寺の為に肉体労働で尽くしておりました。祖母もご飯を作る時には「典座しなくちゃ」等とお坊様の言葉を真似ているほどでした。 祖父はご本山から感謝状を頂きました。 そして祖父が亡くなった時にはテープのお経でした。私は今までずっと喉につかえた小骨のように、その事が気になっておりました。 先代のお坊様と家族で食べた楽しい食卓の思いでがテープのお経のせいで黒く塗りつぶされてしまった様な気がしていたのです。 でも最近、諸行無常なのかな。と思うようになりました。 私の諸行無常の理解は間違っていますか? 教えてくださいませ。

有り難し有り難し 8
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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ