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何が正しいのかわからない。

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私は地方の檀家寺に生まれました。

幼い頃から父にお坊さんになること以外の道を許されず、反論すると暴力や大切なものを壊されたりしてきました。
逆らうことができ学生時代は本山に寄宿しながらの修行生活をしました。

しかし、修行を終え娑婆に帰ってから、自分でやりたいことを選べなかった後悔と青春時代を失った後悔に襲われました。

それと同時に本山から帰ってからは周り(寺族、檀家様、周りの寺院)からの期待が大きくなっていました。
住職が私のいない間に周りのお寺や檀家様に「息子は望んで家を継ぐために本山に修行に行ってる」と意気揚々と話していたそうです。

それだけではなく住職は結婚したら将来同居がすぐできるように二世帯住宅を完成させていました。

結婚しても、食卓でも仕事の話やすぐに機嫌を損ねると癇癪を起こし暴力を振るってきた父と一緒に生活することは相手のことを考えると私はできませんが、、、。

そんな日々が数年続く中で住職から荒行に行くようにいわれました。

私は生まれつき身体も弱いですし、正直行きたくありません。

本山での修行中は家を継ぐ決心や僧侶になる発心がない状態でした。
しかし、逃げずにいたのは本山よりも癇癪を起こす住職の方が怖かったからです。

今は祈祷寺でもないのにこれ以上、修行をしたくないという思いがあります。
そのことを父に話すと癇癪を起こし泣きはじめます。
もちろん、修行道場は自分自身の信仰あって成立することです。望んでもいけない人が大勢います。
縁あって寺に生まれたからといって私のような中途半端な人間が僧侶を志してはいけないと思っています。

本山から帰ってきてからは上記で書いたことや、父の癇癪や、親の言う通りに生きない罪悪感(荒行に行かない)で押し潰されそうになり鬱病になりました。
今は療養施設に入っています。

最後にですが私は決して僧侶という仕事は嫌ではありません。大切な生き方だと思っています。

①僧侶の皆様は自分の将来をどのように決めてきたか。
②本山で修行し、周りや親の期待されているが荒行に入らずに今後もその期待に応えれない罪悪感をどうしたらいいのか。

③私のような人間が僧侶を続けて良いのか。
応えられる範囲でご教示ください。

よろしくお願いします。

2024年2月4日 20:23

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

悩めるお坊さん。それは決してマイナスではない。ご自分を大切に

よく打ち明けてくださいましたね。苦しかったでしょう。ここまで、よく頑張ってこられましたね。療養施設では、お父さんから離れた生活ですので、あなたに無理を強いる人はいませんよ。安心なさってくださいね。

自分の生き方に選択がなく、自分の意思を通すことも叶わず、親から何もかも決められ、結婚した後のプライベートな空間まで準備されてしまい、周りもそれを許さない空気を作られてしまう中で、迷うことすら してはいけない気持ちになるなんて…。
そんな人生を生きるしかなかったのに、罪悪感に苦しんでおられるなんて。

あなたは、何も悪くないですよ。

親の期待。と言えば、愛情が込められているようにも聞こえますが、子の苦しみに気づいてやれないなんて、自分が傷つけていたなんて、住職以前に親として取り返しのつかない過ちだわ。

教えを大切に生きることと、仏道を歩むことと、寺を預かり住職となっていくことでは、また覚悟や責任もちがってきますよね。
周りに育てられていくということも、本人の実感や自覚が伴ってこそ、有難く報恩の気持ちが生まれます。

住職は、僧を育てるときには、そのタイミングを見誤らないようにと、私は考えています。子どもの考えや想いを尊重してこそ、こちらの想いも届いていけばいいなと。
寺や檀家方を考えるように、わが子を大切に想う親であっていただきたかったなと。

期待? そのために、お寺があるのでしょうか。檀家さんは、お父さんの描く寺を望んでいる方々ばかりでしょうか?お父さんのやり方が正しいかどうかも疑問です。

あなたは、頑張ってこられたお坊さんです。自分が大事なのに、寺のことも考えるから、悩めるお坊さんなのでしょう。それは決して、マイナスではありません。この世は理不尽なこともある。苦悩を抱え、生きづらさに押し潰されそうな人もいるでしょう。居場所がなく、迷いの中にいる人だっています。

親の期待に応えていたら、大切なものを見落としていたかもしれませんよ。
だからこそ、あなたのような悩めるお坊さんを求めておられる人もいるでしょう。

あなたは悪くない。あなたのペースで、教えを大切に生きていけばいい。大切に教えを説いていきましょう。迷いの中にいる人を救うために、仏法はあるのです。あなたが救われてこそ。それでいいのですよ。
どうぞ、ご自分を大切に。

2024年2月4日 22:28
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