浄土宗は天台宗の流れを汲んでいるか
先日、永観堂禅林寺に紅葉を見に行ったところ、寺宝展がやっていました。そこで展示されていた法然上人の絵像の解説に、「讃文には法然上人が天台浄土教の相承者であることが示されています」と書かれていました。
確かに法然上人は比叡山出身ではありますが、だからといって浄土宗は天台宗からの枝分かれだと言えるでしょうか?
法然上人の教えは唐の善導大師の教えであり、その善導大師は天台宗に所属していた事はないので、法然上人は天台宗をやめて善導大師の宗派に改宗した。つまり天台宗と浄土宗の間に有機的な繋がりは無いと僕は考えるのですが、両宗派のお坊様に御見解をお伺いしたいです。
個人的な願望としては天台宗も浄土宗も両方好きなので、繋がっていてくれると嬉しいとは思うのですが、感情抜きで論理的に考えると上記のようになるというのが僕の立場です。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
ご質問ありがとうございます。
法然上人は善導大師の著書だけから浄土宗を建てたのではありません。その前に天台宗の諸師から浄土教のことを学んでいたのです。天台宗は教義の幅が広いですからいろいろな浄土教思想がありました。しかしそのどれも法然上人が探し求めるもの、誰でも救われる教えではありませんでした。そこで善導大師の言葉と出会い、法然上人にとっての浄土教思想が完成し新たに阿弥陀佛を本尊とする浄土宗を建てたのです。ですから天台宗から枝分かれしたものとしても問題ないと思いますよ。
返信
そうですね。最後の1ピースがはまった感じですね。
宗脈・戒脈
ウェブ版の浄土宗大辞典で「宗派・戒脈」を検索してみてください。
浄土宗に相承されている戒は、最澄からの流れです。
追記
布施波羅密の功徳により、あなたとご先祖の浄土での悟りが早まりますよう祈念いたします。
法然上人ご自身は開宗後も天台沙門を名乗っておられたと記憶していますが、当然ながら天台宗と浄土宗の教義は異なります。
今となっては別の宗派ですから、あまり気にする必要のないことかもしれません。
質問者からのお礼
>聖章さま
回答ありがとうございます。
おっしゃるように天台の浄土教が法然上人の求めるものでなく、善導大師の教えがそれだったならやっぱり天台の系譜は引いていないことになるんじゃないかとも思うのですが、僕の感覚がおかしいのでしょうか?
天台浄土教を学んだことが基礎の土台になっていて、最後の肝心な1ピースが善導大師の観経疏だったという捉え方ですか?
>願誉浄史さま
実はこの質問を投稿した直後に円頓戒の系譜なら確かに天台の流れを汲んでいるなとは頭に浮かびました。
ただ、宗脈と戒脈は次元が違うものと言いますか、法然上人は天台以来の円頓戒の相承者であることは間違いないのですが、永観堂禅林寺さんが言うように「天台浄土教の」相承者だと言えるかどうかはまた別の話に思えますがいかがでしょうか?
論戦を挑んでいるような書き方になってしまい申し訳ありません。せっかくの機会なので疑問を解消するべくとことん質問してみたいと思っているだけで、煽っているわけでは決してありませんのでお気を悪くなさらないでください。