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恨みを忘れたい

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度々失礼します。
前回『写経』についてご教示頂いた者です。おかげさまで仏教に少し興味を持ち、般若心経の本も購入して読んでおります。(内容が難しく理解出来ない部分も多いのですが…)

今回は恨み事について教えて下さい。

離婚して10年になるのですが、元夫への恨みが消えません。時々フラッシュバックし、思い出すと言いようのない腹立ち、悲しみ、自己嫌悪に襲われます。月日が経ってもその恨みはあせることなく、当時言われ続けた悲しい言葉たちが次々と脳裏に浮かんで来ては惨めな気持ちでいっぱいになります。

これが元で男性を信じることが出来なくなりました。
ステキだな…と思う人がいても、『どうせこの人も親しくなったら元夫のように変貌するに決まってる』と頭が勝手に決め付けて、上辺だけの人間関係しか築けないのです。

一度は愛し合って結婚した人です。私に二人の子宝を授けてくれた人です。色々苦労はありましたが、これからはお互い別々の幸せに向かって歩めばいいと心では思っているのに…

心とは間逆なフラッシュバックに苦しんでいます。
こんな執念深い自分が嫌でたまりません。いい加減にケジメをつけて前を向きたいです。

皆さまは厳しい修行を積み、日々精進される事で、他人を恨むという気持ちはないのですか?

どうすれば私も恨みを捨てることが出来ますか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

恨んでいる自分を許すのです。

10年以上経過しても、甦る辛く苦しい思い。あなたにしか、わからない大変なご苦労があったものと想像します。受けた心の傷はそんな簡単に癒えるものでありませんし、許せないお気持ちは理解できますよ。恨みますよ。そんな簡単に水に流せる訳がありません。ただ、考えていただきたいのは、あなたをたったいま苦しめている元のご主人は恐らく自分のやったことをすっかり忘れていますよ。または大したことではないと思っています。そうでなければそのような酷いことはできませんよ。彼はのうのうとしていて、酷い目にあったあなたが思い悩み苦しむ。不条理ですよね。でもこれが娑婆世界なんです。今世で作った因果を彼が今後蒙ることになります。でもこれは彼の因果であってあなたの因果ではありません。あなたはそんな酷い彼のことを思い続け憎しみことで、そういう憎しみや恨みという執着を抱えるつもりですか?そういうのを弱り目にたたり目というのではないでしょうか?ますば恨んでしまう自分をお許しになり、その悔しさをもっともっとあなたさまが幸せになる。明るく楽しく、生き生きと生きるという形で、彼に復讐されたらいかがですか?坊さんですが憎しみの感情を持つこともあります。しかし、常に原点に立ち返る。心を落ち着かせる、明るく元気で楽しく生きる方向に心を仕向けています。習慣化すればできますよ。大丈夫!お幸せを祈っています。浄光寺

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おきもち

浄光寺の三浦康昭です。 くよくよと考えてもしかたがありません。明るく前向...
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イヤな記憶はトイレにジャーってしちゃおう

 写経の回答をさせて頂いたものです。
 丁寧な回答の「お礼」を頂き、とてもうれしかったです。ありがとうございました。写経を早速始められたようで、良いですね!

 さて、写経は、般若心経を写経されていると思いますが、般若心経の最初の方に「色即是空」と出てきます。
 「色」は、今見えているもの、「空」は実体がないもの、という事です。
 「色」(目に見えているもの)はそのまま「空」(実体がない)と言っているのです。物事は常に変化し実体がない、という事です。
 確かにあなたは昔、元夫さんから、ひどい事をされた。でも今はされていない。あるのは過去の記憶だけです。

 今のあなたは脳内でわざわざ元夫さんに会って、わざわざ元夫さんにイヤなことを言わせているのです。実体がないのにばかばかしいです。脳内でもう元夫さんに会わないようにすれば良いのです。もし出てきたら、トイレにでもジャーって流しちゃえば良いんです。実体はないんです。流したって怒られません。

 うまくいくと良いですけど、いかがでしょう?あなたの心に平穏が訪れることをお祈りしています。

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おきもち

・曹洞宗/静岡県/50代 平成27年鳳林寺住職。平成28年hasunoh...
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質問者からのお礼

三浦康昭様
お忙しい中、早々のコメントありがとうございました。

何もかも三浦様の仰る通りです。元夫は大したことだとは思っていません。彼が私に直接連絡をして来る事はありませんが、子供を介して食事に誘われる事は今でもしばしばあります。

自分には当時の愛人と、更に新しい彼女がいるにも関わらず…です。

もちろん誘いを受けたりはしませんが、子供からそんな話を聞くたびに苦しんでおりました。

今回三浦様に諭して頂き、一気に気持ちが軽くなり、嬉しくて涙が溢れました。

・恨んでいる自分を許す。
・明るく生き生きと生活することで彼に復讐する。

どちらも今までの私には思いつかない考え方でした。相談させていただいて良かったです。

これからは明るく楽しい方に心を仕向ける努力をします。
そして幸せになって見返します!
本当にありがとうございました。

光禪様
今回も温かい回答をありがとうございます。

私がわざわざ会ってイヤな事を言わせている。

その通りですね…。自分で勝手に苦しんで、いつまでも被害者になりすまして自分を甘やかしていただけだったんですね。

素直に反省しました。バカバカしい悩みだと、言われて初めて気付きました。恨むべきは実体のない元夫ではなく、弱すぎる自分でした。

今まで心のどこかでいつも人を疑っておりました。ですがお坊さんのお言葉は本当に温かく、心だけでなく体に染みわたり、嬉しいのに涙が出ます。

トイレに流すと言う一節は、斬新過ぎて泣きながら笑ってしまいました。今度やってみます!

こんなに親身な回答を頂けるだけでも、私は幸せ者です。
ここに来ればきっと助けて頂けると思うだけで、少し強くなれます。
この気持ちを忘れないよう、写経も続けて参ります。

本当にありがとうございました。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ