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名誉や地位を気にしてしまいます

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初めまして。私は、現在就職活動をしている大学生です。

私は、幼い頃両親が離婚し、親戚の家で居候していた時期があります。とにかくお金がなく、そのせいで、ご飯を食べさせてもらえない、食べ物に洗剤を入れて出されるなど、かなり陰湿ないじめを受けました。
学校だけでなく、家でもいじめをうけ、その影響で人間が信じられなくなってしまいました。
どうにか這い上がろうと勉強をがんばり、有名国立大に入ることができました。

とにかく名誉や社会的地位がある仕事につきたいと考え、勉強も好きだからではなく自分のプライドのためやっています。私をいじめた人たちを見返したいという思いが強すぎて、好きなことではなく、社会的地位などといったものに拘ってしまいます。

時々、こんな考え方で私は幸せになれるのか不安を感じます。
どうすれば、幸せな人生を送れるでしょうか?
よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

絶対的な幸せ

どうすれば幸せな人生を送れるのか。お釈迦さまの生涯に尋ねるとヒントがあるかもしれません。

お釈迦さまは釈迦族の王子として生まれました。贅沢な生活が与えられるとともに、16歳で結婚し子も設けています。何一つ不自由を感じません。王子ですから将来の地位と名誉も約束されています。
しかし、全てを投げ捨ててお釈迦さまは出家します。このエピソードは何を表しているでしょうか。これは人間は世間にあるもの、この娑婆世界で手に入るものでは満足しないということを表しているのだと思います。
財産、地位、名誉…何を得ても、何を与えられても満たされない。そんな慢性的欲求不満症な存在が人間なのでしょう。
そうして外から何を持ってきても満足しない私たち。自分の外側に苦しみの原因を見出し、自分の外側を何かで埋めていけば満たされるのではないかという道を外道と言います。熱くなったらクーラー、寒かったら暖房をつける、寂しかったら友愛、恋愛を求める。それでも人は満足しません、虚しさや寂しさを超えられません。生老病死が立ちはだかるからです。全ての存在は移ろい変わり、常であるものはありません。諸行無常です。死という壁の前には外道では立ち向かえません。

それに対して仏道は内観道です。自分の内側に苦しみの原因を見出します。そしてその自分の内側にある苦の原因(無明)を超えさせてくれるものは世間のものではないのです。世間を突き抜けたもの、超えたもの。つまり生老病死を超える真実の教えなのでしょう。

それに出会えた人は、「どんな境遇であろうと私が私で良かったという自体満足の救い(幸せ)」や、「この限られたいのちが虚しくない、寂しくないと意味・意義で満たされる人生」。そういった幸せを見出すことができるのではないでしょうか。
誰かと比べた、何かと比べた相対的な幸せではありません。そういった比較する心を超えた絶対的な幸せなのでしょう。

そのためには何が何でも必ず仏道を求めなさいとは言いません。
「こんな考え方で私は幸せになれるのか不安を感じます。 どうすれば、幸せな人生を送れるでしょうか? 」
りぃさ様のこの問いに真摯に向き合うこと。ごまかさず、逃げずに問い続けること。それが何よりの幸せへの道と私は考えます。

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おきもち

個別相談可能
はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
基本的には平日13時~15時のみ対応可能です。お寺の行事、急な法務で対応できない場合もあります。

答えはご自身の中にあります。

りぃささま こんばんは。

お若くして大変な人生を歩んでいらっしゃいますね。
辛い、悔しい思いをしてきたからこそ、名誉や社会的地位を手に入れ、自分のプライドを守ろうと必死に努力していらっしゃる。悪いことではないです。そうせねばご自身が立って行かれないのですから、とことん追求して、手に入れるべきだと思います。

ただ、その考えのみではいずれ、立ち行かなくなることもあるかもしれません。
その考えだけでは、幸せな人生を送れない、ということです。
その証拠に、今、悩んでいてhasunohaに相談している。
ご自身では、うっすらと気づいて感じていらっしゃるのは、日々の行いや、学びに向き合い、自分の内面から出てきたアンサーです、素晴らしいことです。

じゃあ、どうしたらいいのでしょう。
それは、りぃささんのみぞ知るところに答えがあるんじゃなででしょうか?
本当はこうしたい。と自分が思う所であると思います。
残念ながら、私は存じ上げませんが。

今まで歩んできた人生の上に、そして、これから歩んでいく未来の中に、『これだ。』と思える本当の幸せを見つけるのだと思います。
恐らくそれは、脇見もせず、キャリアの為に生きて来た、現在までの人生を振り返った所にあるのだと思います。

ご自身の歩んできた日々の上に、必ず御自身が『これだ。』と思う幸せを見つけてくださいませ。その為に今まで苦労や我慢をしてきたのですから。今まで信念を持ってやってきた、努力や経験は何一つとっても無駄なことはありません。
拙い、解答でご参考にはなりませんが、一寸、りぃさ様にはご自身なりの幸せを見つけていただきたいとhasunohaより解答させていただきました。野村圭秀 合掌

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おきもち

こんにちは。 埼玉県秩父市のお寺で住職をさせて頂いております、野村圭秀と申します。 縁に随って生かされている、そんなことを感じている40代の僧侶です。 沢山の回答はできませんが、よろしくお願いします。 【プロフィールを見てくださった方へメッセージ。】  一期一縁、再び訪れることのない今<時間>や此処<場所>を生きていく、というコトを私は心掛けるようにしています。 どんなに辛く、悲しく、暗い所にいても、心を閉ざしていたとしても、あなたのすぐそばにはきっと、自分が気づいていない『誰か』や『何か』が支えてくれているはずです。 大丈夫、きっと大丈夫です。 自分を信じて生きていくことが必要な時代です。 ただ、自分だけでは不安になってしまうので、もう一つ支えてくれる何かを見つけられるといいと思います。 例えば、私の場合は『宗教的な生き方(実践)』であり、それは『仏教』や『禅』という思考や教えをベースとした生き方です。 難しい言葉ですが『自灯明、法灯明』という生き方かもしれません。  あなたの場合は何に支えられているでしょうか?  ご自身で考えてみる機会になれば幸いです。 自分で考えることで、自身が救われていきます。他人が示すことができる正解などはありません。 その答えが少しでも見出すことが出来たならば、次の一歩が、次に進むべき道が見えてくるのではないでしょうか。 合掌 【おぼうさんず💗ラブ 記事】 https://hasunoha.jp/article/mihotoke/52                        

今が幸せと思えれば、ずっと幸せ

幸せは、今この瞬間にしかありません。
過去は過ぎ去りもう無い、未来は未だ来たらずまだ無い、のです。
いつでもどこでも、今が幸せだと思えれば、その人はずっと幸せに暮らせます。
何かを追うのでも、何かから逃げるのでもなく、立ち止まって落ち着いて微笑み、鼻唄でも歌える程度にご機嫌さんなら、それで良いのです。
あとは、地位や名誉なんかはオマケです。
メインディッシュではないのです。

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おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四十代男。 仏教は、悩み苦しみを制御したり消したりするための教えです。まだまだ未熟者の凡夫ですがよろしくお願いします。

質問者からのお礼

吉武文法様…ありがとうございます。今まで忘れていたことを思い出したような気分になりました。真摯に自分の悩みと向き合ってみます。ありがとうございました。

野村圭秀様…ありがとうございます。やはり今の考え方だと行き詰まりそうなので、考え方を変えてみます。ありがとうございました。

願誉浄史様…ありがとうございます。地位や名誉にとらわれ、肝心の今を大切に、幸せに生きることを忘れていました。もっと気楽に生きてみようと思います。ありがとうございました。

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