名前を呼べないことについて
同棲して2年になる恋人がおります。
付き合いだしてから、彼の名前を一度も呼べないことに悩んでいます。
彼にいくつかあだ名を提案しましたが、結局は「呼ばれたことないのでしっくりこない」とやんわり拒否され、前妻・元彼女さんに呼ばれていたあだ名でしか返事をしにくい とのことです。
その言葉で私のほうは落胆してしまい、なかなか私から名前を呼ぶ気持ちにもなれず「ちょっと」「ねえ」などなど、ごまかし続けています。
私に対しては下の名前で呼んでもらっておりますが、彼の名前は発音し難いです。
今も上記の気持ちでいるのかはわかりませんが「いつになったら名前を呼んでくれるのか」と急かされています。
それ以外は、本当に仲良くしているのですが…。
やはり名前を呼べない不便も感じております。
軽い気持ちで呼んでみればいいことは頭で分かるのですが、喉まで出かかって、声が出なくなります。
この気持ちをあと一歩進められるよう、皆さまのお智慧をお借りしたいです。
ふと思ったのですが
仏教では「名前を呼ぶ」という行為にどのような意味があるのでしょうか…。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
真正面に向き合うこと
拝読させて頂きました。そうですか・・・なかなかお悩みなさっていらっしゃるのですね。
その彼にお坊さんからとお話しなさってくださいね。
「あなたのこらからの未来です。あなたがこれからどう生きていきたいのかじっくりとお考えなさってみてはいかがでしょうか?その中で自分は未来に向かっていく中で何と呼ばれたいでしょうか?それがあなたの未来にもつながっていくことです。急ぐ必要はありませんが心を落ち着けてじっくりとお考えなさってお答えを見つけてくださいね。」
因みに名前を呼ぶとは・・・その方をしっかりと認識して真正面に向き合うことそして心を込めて呼びかけること心から願うことにつながります。
あなたと彼とのこれからの未来がお互いを尊重し共に助け合いながら、仲良く成長なさって頂きますように心から神仏にお祈りさせて頂きます
ゆっくりでいい。さん付けで。
非常に良いところで悩んでいらっしゃると思います。名前を呼ぶというのは、或いは名付けするというのは、実は宗教的な事柄です。
つまり、相手との関係性を表しているのです。私も浄土系の坊主ですが、阿弥陀様は「阿弥陀が」と呼び捨てできる関係ではありません。あくまでも様付き、最大限酔っ払いの時でも「阿弥陀さん」です。「ちゃん付け」はあり得ません。
ですから、まず入り口として、相手の方を「さん付け」で言ってみては如何でしょうか。急かされているということは、お相手からも親近感の表明を望んでいらっしゃるのでしょう。ゆっくり構えて、「さん付けから始めたいんだけど、聞いてもらえるかな」と、相手にも構えてもらいます。準備ができたら「さん付け」で言ってみる。きっとお相手は「はい」とか「うん」とか応えてくれるでしょう。そしてもう一度呼ぶ。この、繰り返しが大切です。「もう一度、呼んでいい?」と聞くことです。
少女マンガにも、よくこの様なシーンがありますね。それまでと異なった関係に入る、その象徴が呼び名です。だから緊張するのは当たり前。緊張しながら呼んでください。繰り返していくうちに、きっとシックリくるはずです。
相手の名前を呼ぶことは、「自分一人では生ききれない」という表明なのです、きっと。だから気軽に行えないことはよく分かります。そして彼のことを大切に思っているが故に、何故か緊張してしまう。極めて自然なことです。だから最初はぎこちない方が、むしろ貴女の本気度合いも伝わると思います。いいなぁ。
浄土教では名を称えることを重視します
浄土真宗では、「南無阿弥陀仏」がその根本です。
これは、阿弥陀如来という仏様の名前を称える(となえる)ことです。
浄土教の経典には、仏の名を称えることの大切さが、いろいろなところに書いてあります。
あなたの彼氏も、すべての人間は、未来の仏です。
未来仏の名を称える、ととらえることもできるかと思います。
あなたは変われる
その名前を呼んでしまうことで、あなた自身の何かが変わってしまうのでしょう。
人間にはプライドの煩悩があり、自分自身をすばらしい存在だと思いたいのです。
つまり、現在のあなた自身をすばらしいと思いたい。
もし、今まで呼ばなかった名前を呼んでしまったら、あなたは自分で今までのあなた自身を否定し、新しい自分に変わることになります。
どこか怖いような、照れくさいような、そんな感じもするかもしれません。
しかし、人間は変わります。また、変われます。
たとえば、中学生が「私はあんな大人たちみたいにはならない」といつまでも中学生の自分にしがみついて変わらないなら、いつまでも成長できません。
飛べなかった鳥のヒナが初めて巣から空中に身を投げ出すとき、それは絶望的な変化ではありません。
変化を恐れないでください。
自分自身のプライドの煩悩と、たまには戦ってみましょう。
劇療法で
こんにちは。
以前住んでいた街の商店街で、商店主のおじさんが、奥様を「おい、ちょっと」と呼んでおり、すごく年上の夫婦なのに、ほほえましく思えてしまった事を思い出しました。
大学生の頃、同級生のご実家に遊びに行った時の話。お父様が仕事から帰ってくると、お母様がなんとご主人をとあだ名で呼んでおり、これもなんだかほほえましく、またうらやましく思いました。
私は妻からは名前で呼ばれています。おつきあいしている時はあだ名で呼ばれれいて、このままあだ名で呼んでほしいなぁ、と思っていましたが、妻が勝手に呼び方を変更してしまいました(笑)。実は名前で呼ばれることに、いまだにしっくりきていません。
余談ですが、結婚して、子供が生まれると、お互いを「おとうさん、おかあさん」と呼ぶようになりますね。2人目が生まれると、1人目を「おにいちゃん」と呼んだりします。このように、いちばん年少の人に合わせて呼称するのは、日本独特の文化のようです。
呼び方、このように自然に変わっていくものだから、特に無理をする必要はないような気もします。
でも呼び方を変更したいのですね。呼び方の変更って、照れくさいものですよね。
そういえば、以前、人間関係が苦手な人の集まるワークショップというのをお寺でやった事があります。その中で、「おうちで、おじいちゃんに朝、おはようと言えない」という悩みの方がいました。
その解決方法として、参加者全員で、朝の状況を再現するお芝居をしました。「劇療法」とか言ったかな?。本人は本人役です。そして参加者に、おじいちゃん役やお母さん役をやってもらい、本人に「おはよう」といわせる練習をするのです。
あなたも、お友達(女性でいいです)に、彼氏の役をやってもらい、どうしても名前を呼ばなくてはならない事態になる芝居をしてもらって、名前を呼ぶ練習をしてみたらいかがでしょう?
質問者からのお礼
因速寺 佐藤精徹 様
ご回答いただきありがとうございます。
南無阿弥陀仏、そのような意味があったのですね。
プロフィールに記載しておりませんでしたが、私の家も真宗大谷派です。
佐藤様からいちばんにご回答いただけたのもご縁でしょうか…。
未来仏の名を称える、と考えると、なんだかうかつに口に出せないような気もしてきますが
名前に対する考え方が変わりそうです。ありがとうございます。
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一向寺 kousyo Kuuyo Azuma 様
ご回答ありがとうございます。
まさに、お言葉のとおり「しっかりと認識して真正面に向き合うこと」から私自身が逃げているところもありました。
くだらないことかと思い、また少し恥ずかしい思いがあり誰にも言えないでいた悩みでしたが
お二人に寄り添っていただき、たいへん有り難いです。
読み返しながら、少しずつ前に進んでいきます。ありがとうございました。
光圓寺 佐藤良文 様
お礼が遅くなってしまい失礼いたしました。
緊張やぎこちなさを理解していただき、自然な事と言っていただいて気が楽になりました。
「さん付けから始めたい」と、昨夜、ついに言えました。
まだ私も相手の返事も、呼ぶタイミングもぎこちない感じですが、まず一歩踏み出せました。
繰り返し実行していきます。あたたかいご回答ありがとうございました。
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願誉浄史 様
お礼が遅くなってしまい失礼いたしました。
自分自身の何かが変わってしまうのが恐いとのご指摘、まさにその通りでした。
名前を呼べなかったのは、彼をどこか信頼できていなくて、たとえ別れたとしても私の中では「名無しさん」で、すぐ忘れられると考えていた部分もあります。小さいプライドだったと思います。
質問させていただいてから時間がかかりましたが、昨日から少しずつ名前(あだ名)を呼ぶ練習をしています。
思ったより変化は恐くなかったです。ありがとうございました。
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鳳林寺 光禪 様
お礼が遅くなってしまい失礼いたしました。
以前、彼から、今後父親になったときには、私に「おとうさん/パパ」と呼ばれるのはNGと言われてしまい、尚更悩んでしまっておりました…。
「劇療法」のことも教えていただいてありがとうございます。
時間の都合がつかず対人ではできませんでしたが、クッションや空気に向かって呼ぶ練習をしてました。笑
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お坊様よりご回答いただいてから時間がかかってしまいましたが、昨日、名前を少しだけ呼んでみることができました。
少し辛かったのですが、皆さまがついていてくれると思うと心強かったです。本当にありがとうございました。
札幌は既に初雪が降っており寒いです!笑
お坊様の皆さま、運営の方々もおからだご自愛くださいませ…