人づきあいについて
私には兄がいますが、一年前私が大学受験を控えた頃に突然行方不明になりました。どんな時でも私には優しくしてくれる兄が一週間経っても二週間経っても家に帰らず、私の番号すら着信拒否するというのは初めてのことでした。その後、行方が分かり母親が連れ帰って来たので現在は同じ家で暮らしています。行方がわからない間、母親は取り乱して「兄を死んだことにして生きなさい。私はあの子を見つけて親子心中するからあなたは苗字を変えてそういう家の子だと分からないようにしなさい。」と泣きながら訴えたりもしてきました。父親は母親の心がボロボロになってもずっと兄のことには無関心を貫いていました。行方が分からない間は毎日が地獄のようで、事故に巻き込まれたりはしていないかと不安でたまりませんでした。その後、母が兄を連れて帰ってきた日は久し振りに兄に会うことができ無事であったことが嬉しくて涙が止まりませんでした。しかし、兄は今までの彼とは違う人のようになっていました。話を聞けば自分から嫌になって家出したという小学生並の答えで会話をしても心が通った感じがなく、いきなり怒鳴りちらして兄がいなくて私達がどれだけ心配したのかを伝えても無反応でした。母は発達障害という病気なのかもしれないと納得しようとしましたが、病院で確かめるということはなく私の中では何故兄はちゃんとした理由もなく、謝りもせず家に居座るのかと腹が立ってしょうがありませんでした。兄が帰ってきてから私は彼を無視し続けました。そうしなければ、自分のやりたいことが優先できずうまくいかなくなった時全てを兄のせいにしてしまうと思ったからです。無視しなければ、平常心を保てないほど兄に執着しているのだという自覚もあり余計辛かったのですが日常生活を生き抜くにはそうするしかありませんでした。
最近ではお互いに興味も持つことはなりました。ただ、生理がくるたびに兄がいなくなった時の記憶が鮮明に蘇りもう忘れたいことなのに涙が出てきます。友達の仲の良い家族自慢を聞くたびに、母が倒れて救急車を呼んだ日久々に兄と会話をしたけど「大丈夫だよ。」という言葉に安心感は1ミリもなくてガッカリしたこと、真っ直ぐ病院に来ることさえしてくれない父の無関心さを思い出して黒い嫉妬の感情がこみ上げてきます。黒い気持ちに支配されないようにするにはどうしたら良いですか?ご教授願います。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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仏様の真似をする
ご相談、読ませて頂きました。それはそれは、大変な日々を送ってこられたのですね。そして、貴女がお兄さんやご家族を大事にしている思いが文章から伝わってきます。
さて、そうであっても「黒い感情が湧いてくる」というのはあると思います。人間だもの。貴女が発見したように、「そうしなければ自分を保てなかった」のでしょう。その答えに辿り着いたのは、立派な態度だと思います。
さて、タイトルの「仏様の真似をする」ですが、これは無闇に何かの教義を信じ込め、祈れというのではありません。小さな、お土産やさんにあるようなお地蔵様でも買って来て、「お地蔵様って何だろう」と、少しずつ自分で調べてみるといい。そして、「お地蔵様って良いなぁ、すごいなぁ」というのがあれば、それの真似をしてみる。お地蔵様の視点に立って、そちらから今の貴女を眺めてみる。「今、お地蔵さんが私を見たら、どう思うかな」を想像してみる。黒い感情に満たされそうな時、お地蔵様の顔を見る。
大人であれば「会社の、あの素晴らしい先輩」とか「本で読んだあの偉人」とかレパートリーが増やせるのですが、取り敢えずまだ若そうだから。お祖父さん、お祖母さんの良い思い出があるなら、それでも良いですよ、というかむしろお勧め。
ということで、「自分を相対化して見る」という行為なのですが、なるべく具体的に提案してみました。「ああ、わたし、怒っているなぁ。怒りが湧いているなぁ」と、「私は…」と言葉にすると良いです。そして不思議と「…なぁ」をつけると、自分を許しやすくなります。言葉って不思議だけど、確かにそうなります。