自分の生き方・社会について
よろしくお願いいたします。
最近、私の周りでご不幸が会った方や離婚をなさった方、難病が見つかった方そのほかにもいろいろな方がいらっしゃいました。また、そのとき私自身も濡れ衣を着せられたため、親友だと思っていた人に裏切られるなどの悲しい体験を立て続けに経験しました。
それまで私は親の庇護の元にぬくぬくとなに不自由なく過ごしており、また今もそうですが、世間の厳しさや醜さをまじまじと見る機会がありませんでした。
そのため上の経験をして、世の中というのがどんなに危険な場所なのか。
世界は平和で、夢と希望にあふれていて、救いに満ちていて、
人と人は愛し合うために生まれてきて、仲良くするべきで、子供は幸せになる義務があるなんていう甘いことを言うと簡単に足元をすくわれてしまうかを学びました。
二つ質問をさせて頂きます。
一つ目
なぜ世の中は負のもののほうが強いのでしょうか。
喜びや楽しみは後々まで続かず、悲しみや苦しみや恨みは続き、
美しいものを作る力と保つ力は壊す力にいとも簡単に押し負け、
善意は悪意に利用され、悪貨は良貨を駆逐して止まず、
真実と真相は必ずしも同じではないというのはなぜなのでしょうか。
二つ目
上のことを思いながらも自分自身が怒りや恨み嫉みが心の中で渦巻くことがあります。そんな自分が上のことと同じであると考えるだけで吐き気がします。
私自身は笑顔を人に振りまける、自分の周囲が幸せに笑ってくれるような人になりたいです。どうしたらよいでしょうか。
二つも質問をしたうえに長々と書かせていただきました。
もしお目に留まったのならば、よろしければ未熟者である私が歩く道をご教授ください。
失礼いたしました。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
そんなに悪いことばかりでしょうか
お釈迦様は、「人生は苦なり」と端的におっしゃっています。それを詳しくいうと八苦ということになります。嫌なものと出会う、欲しいものは得られない、愛おしいものは無常だから別れなければならないなどです。つまり雨宮さんのおっしゃる通りです。
ところで、武蔵野大学のケネス田中という先生の本(『真宗入門』)を読んでいて、人生は基本的によいものである、という言葉に出あいました。
私の場合、両親は既に亡くなりましたが二人ともよい親でした。
戦後70年だというので戦争時代のことがよく取りざたされますね。食べるものがない、着るもがない、さらに非戦闘員であっても空襲によりつねに生命の危険にさらされているという時代だったようです。すべてが戦争一色で暗い時代だったと高齢者は口をそろえてそういいます。
今の日本では贅沢さえいわなければ、たいへん恵まれているといえます。だいたい自分用のPCを持っているからこれを書いていられるのですが、全世界という目で見ればすごいことなのだそうです。
こう考えると、おっしゃることは正しいともいえ、必ずしもそうともいえないともいえます。私自身も他者から嫌なことをされたりして、人間不信に陥っている面もあります。だから偉そうにはいえませんが、雨宮さんのおっしゃることは物事の一面としてはそうでも、今あることに対すして感謝してみる、坊さん言葉で「有り難い」という面から見ていくこともできると思います。
最後に、仏教は感謝の仕方を教えてくれていると私は思いますので、これを機会に仏さまの教えに触れ、恨みや怒りを抑え、感謝や喜びが大きくなっていく真理に出あっていただきたくことを願っています。
煩悩に注意と慈しみを
一つ目の質問について
すべては無常なのにそうではないことを期待し、期待が裏切られるから、負のもののほうが強いと感じるのです。
また、人々には欲、怒り、怠け、プライドの煩悩があるため、悪いことを好んで行い、お互いがお互いを苦しめあっているのです。
怠けの煩悩があると楽して結果を出したいと考えるため、真実を隠し人を騙すのです。
二つ目の質問について
他人の幸せを願うよう意識して生活しましょう。
そして、自分の欠点を一部でもいいからあえてさらけ出しましょう。他人から親しみをもたれます。
自分の悪い心に対しては、「欲、怒り、怠け、プライドの煩悩は悩み苦しみの原因だ」と念じて注意しましょう。
他人の悪い心に対しては、「欲、怒り、怠け、プライドの煩悩は誰にでもある」と念じて怒らず慈しみましょう。
難しいですが、無駄な努力ではなく必ず良い効果があると思って継続しましょう。
質問者からのお礼
ありがとうございます。
そうですね、他者と比較して自分の幸せを実感するのは失礼なことだとは思いますが、自分の与えられた境遇に感謝して真摯な気持ちで皆と関わりあうことが大切なのですね。
俗物である私は「諸行無常」というものに対して悲しみを感じてしまいますがそこに気持ちの揺るがず、自分の信じることをしてご縁のある方々に感謝していくことを目標としてみます。
和尚様方、悩みを聞いていただきありがとうございました。