戒名と血縁
江戸時代初中期の祖先を調査しています。
状況証拠から、血縁関係のあるのではないか、と考えている二人の女性がいます。
一方は私の祖先で、戒名は「華林貞紅大姉」です。曹洞宗の寺院の過去帳に記録があります(1700年代最初期)。
もう一方は近隣に同時代に居住していた同姓の方で、戒名は「花林妙白大姉」です。こちらは、先の曹洞宗の寺院の親寺に残された記録です(1600年代末期)。
道号は同じ、戒名も最後の一字が「紅・白」と、共通点が多くあります。
これは、偶然にありうる一致でしょうか?
もしくは、縁者である蓋然性が高いでしょうか?
ご教授いただけるようなら、幸いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
う〜む…何とも言えませんね
確かに特に親しい縁者だから対になるような戒名になっているとも考えられますし、血縁のない親友だったのかもしれません。同性愛に寛容な時代でもありますし。その一方で似過ぎているとも私は感じます。「これは使い回しでしょう!手抜きしないで下さい!」という感覚の檀信徒さんもいらっしゃいます。つまり、使い回しだと批判されないくらい無縁だった可能性もあります。あるいはお坊さんが「あの戒名良いな」と感じてパクった可能性も無くはありません。これだけでは偶然も含めてあらゆる可能性が想定され得ます。
それだけで親戚だという証拠にはならないと思います
こんにちは。
大慈師と同意見です。他に証拠があれば別ですが、お戒名が似ている事が親戚だという証拠にはならないと思います。
私は曹洞宗ですが、曹洞宗のお戒名は、4文字+位階(お宅でいうと「大姉」の部分)となります。4文字の漢字の組み合わせだから、かなりたくさんあるのでは、と思うかもしれませんが、お戒名としてふさわしい字を使うとなると、かなり限られてきます。ですので赤の他人が似たようなお戒名になる可能性はかなり高いです。
(尚、私の寺では人権保護の立場から過去帳の開示は行っていません。多くの寺院が人権保護の立場から過去帳の開示をしていない事を付け加えておきます)
戒名からだけでは判断できません
戒名は基本的に故人様の人柄や事績などを反映しながら、一定のルールによって決ってきます。
ですから、血縁でなくても似たような条件があれば、戒名も似てくる可能性があります。
またお坊さんによって、使う字やその配置に一定の傾向がある場合も多く、まったく関係のない方同士でも似たような戒名になる場合もあります。
以上のことから、戒名からだけでは判断できないと考えた方が良いと思います。
以下は蛇足ながら。
曹洞宗では宗門全体の決まりとして、住職が法務に使用する以外の目的で寺院の過去帳を開示することは禁止されています。たとえ直系の子孫の方のお申し出であっても、いわゆる「ご先祖探し」のために過去帳をお見せすることはありません。
どのような経緯で、ご質問にある戒名を知られたのかはっきりしませんが、曹洞宗では不正規な過去帳開示に対してはかなり厳重な対応がなされますので、ご注意頂けますようお願いいたします。
質問者からのお礼
ご教授に感謝いたします。
なお、いくつか、戒名の入手経路について、ご懸念されているように拝察しました。
これらは、私自身の遠祖については学術論文の記載から、親戚関係があるかもしれないと考えた方については自治体史や研究書から入手したものです。
再度の感謝をこめて、お礼のコメントをお送りいたします。
ありがとうございました。