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感情について

回答数回答 2
有り難し有り難し 13

自分の感情について相談させて下さい。

私は昔から、感情のコントロールが下手だなと思うことが多々あります。
親に叱られたり、友達と喧嘩したりといった、本当に些細なことでも泣き出してしまい、
主に怒と哀において、少し感情が高ぶるとすぐ涙になってしまうのだと思います。

自分でも大したことではないのにと思いながら涙が止まらなかったり、
落ち着いたと思っても喋ろうとすると泣けてしまって声が出なかったり、
思うにそういったコントロール面が未発達で幼いままなのですが、
春からは大学生になり、数年後には成人を迎えるのにと思うと、
もっとちゃんと年相応の制御ができるようになりたいです。

また一方で、最近自分は良い意味での感動をしないタチなのかなと思われます。
部活動で優勝した時も、高校の卒業式も、第一志望に合格した時も、
涙が出るといったこともなく、ああ良かったなとか、その程度でした。
修学旅行などといった特別な行事も苦手で、全く楽しめません。
学校で友達と過ごす日常は好きでしたし、毎日それなりに楽しんでいるのですが、
ことが日常の枠を出ると途端に萎縮してしまうように感じます。
(一人でいつも行かないところへ行くのは平気なようです)

負の感情においては簡単に「いつも」を振り切ってしまうのに、
正の感情においては「いつも」を超えるのがなんだか怖いです。

とりとめのない文章になってしまいましたが、
主にマイナス面の感情を上手くコントールするにはどうしたらよいか、
非日常の出来事をちゃんと楽しめるようになるにはどうしたらよいか、
こう考えれば良いなどご助言いただければと思います。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

日常にあふれる非日常性

ご相談拝読しました。

まず思ったのは、感情は起こすものでなく起きるものです。
私たちは悲しくなろうと思ってなるものでもなく、嬉しくなろうと思ってなるものでもありません。そういう感情はコントロールできるものでなく、湧き上がってくるものです。

であるならば、扱うものは既に湧き上がってきてしまった感情ではなく、感情が発する母体である私たち、すなわち私たちの感性や感覚かもしれません。
感性や感覚を磨く、つまり様々な経験をしたり知識を得たりすることで、いい意味での慣れや落ち着きを得られると、起こってくる感情の起伏も変わってくるかもしれませんし、起きてしまった感情の波がふただび静けさを取り戻す速さも変わってくるかもしれません。

例えば上げていただいている例で言えば

親に叱られる・友達と喧嘩する→泣いてしまう

という件においては、「なぜ泣いてしまうのか」ではなく、「なぜ叱られたのか」「なぜ喧嘩してしまったのか」の方を中心に扱っていくということです。

それから感動や非日常性についてですが、私個人の経験で言えば涙もろくなってきたのは大学生の後半くらいからでした。これもやはり知識や経験によって、日常の中に非日常性があることを実感していく歩みからなのかなと感じます。
たとえば「学校で友達と過ごす日常」が本当に日常なのか、もっというならば「今こうして生きていること」が日常なのか、何気ないと思っていた物事の「有り難さ」という非日常性に気がついたとき、おのずから感謝や感動と言う感情が起こってくるものと思います。

卒業や様々な出会いや別れ、思い通りにならない出来事を通して自分の「日常という概念」が揺らぐ時、「ああ、そういうことだったのか」との気づきが得られるかもしれません。

だからこそ、日々の暮らしを大切に。

感情も大切ですが、感情が起こった原因である自分の感性や感覚、すなわち「これが日常である」と握っている自分ルール、言うならば「自我」を自覚する歩みが仏道であります。

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有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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経験を積んで、パニックを減らす

質問内容から勝手な予想ですが、昔の私に似ていると感じました。
泣けてくるのは、軽いパニック状態なのです。
慣れていないことが起きると楽しめないのとリンクしています。
すぐに判断できないような状態が苦手なのではないでしょうか。

是非、これから色んな経験を積んで、色んな状況に慣れて、「どうしよう!」と焦ることが少ないようにしていってください。
まだまだこれから、あなたは成長できます。
すぐに結果が出なくても、焦る必要はないと思います。
あとは、他人からどう見られるかを気にしすぎると萎縮する原因になります。
「私がルールブックだ!」くらいの気持ちで、自分のやりたいようにやることも重要です。

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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

お礼が遅くなってしまって申し訳ありません。
吉武文法様
「感情は起こすものでなく起きるもの」
確かにその通りだなと思います。そうそう思い通りになるものではありませんね……(汗。
そして非日常性のお話、繰り返し読ませていただきました。
何が日常か、非日常か……もう少し考えてみたいと思います。
願誉浄史様
分かりやすいアドバイスをありがとうございます。
確かにパニックになってるのかなと思います……。
やはりいろいろな出来事を経験して、慣れていくのがいいんでしょうね。
焦らず、じっくりやっていこうと思います。

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