お寺の名前について(山号)
はじめて質問します。こんにちは!
早速ですが…
お寺につく、"山号""院号"とは一体何なのでしょうか。
お寺さんにはそれぞれお名前があるかと思うのですが(寺名?寺号と言うのでしょうか…)、あるお寺には山号があり、院号があり…ないお寺もあり…。
もともと山にあるお寺にその名前を冠した山号が付いている、と何かで知ったのですが、だとするとこれは住所ということですか?どこどこ村の某、みたいな…?
ならば院号は…?院と堂は違う…?堂≦院∈寺???
自身でも多少調べたのですが、当事者たるお坊さま方がどのように考えていらっしゃるのか知りたくて質問しました!
頭の中がぐるぐるしていますが、主の質問は
山号についてです!お手隙の際にでもご教授ください、お願いします!
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
山の名前や寺の有る地域の名称を山号としたようですが
中国で、隋や唐の地代に仏教が広まり、各地に寺院が建立されるようになりました。そのため同名の寺院が多く建立されるような事態が生じました。その区別の必要性がから、その寺院が所在する山の名称や地域の名称を付けて区別するようになったと理解しております。中国の禅宗寺院は山岳に建立された場合が多かったので、特に禅宗寺院で山号が用いられるようになったと聞いております。
但し、実際の日本の寺院の山号は、もう少し多様性があるように感じます。私も十分な知識をもっている訳ではありませんが、甚だ不十分な分類ではありますが、ざっくりと分類をして説明させていただきます。
1、お寺の有る山の名前を山号とした例。
高野山金剛峰寺、比叡山延暦寺、書写山円教寺、恐山圓通寺
2、地域名、町名、字(あざ)などの名称を山号とした例
成田山新勝寺
知り合いの寺で海の側にあるから「海岸山」という山号の寺があります。
3、寺の本尊を象徴する言葉を山号した例
観音様を本尊とする寺 - 円通山、補陀山
薬師如来を本尊とする寺 - 医王山
4、寺の鎮守神の名称を山号とした例
稲荷山、秋葉山、春日山、諏訪山
5、寺の開創縁起や由緒を示す言葉を山号とした例
諸嶽山総持寺(夢のお告げで諸丘寺が寄進され、後に総持寺となった)
金龍山浅草寺(金の鱗の龍が舞い降りたという伝承)
萬松山泉岳寺(開基徳川家(松平)が万代栄えることを祈って)
白鳥山法持寺(白鳥御陵がある)
6、寺の開基家の名前を山号にした例
真田山長國寺(真田家菩提寺)
7、何らかの意図や由来が有って山号が定められたと思いますが、意図や由来が伝承されていない場合も多いようです。
今と昔で違うからややこしい。。。
昔は〇〇山の中に複数のお寺が有ることよくありました。徒然草の「すこしの事にも、先達はあらまほしきことなり」が典型的です。
仁和寺の某法師が長年お参りしたい思っていた岩清水八幡宮にお参りしました。そして帰ってから知人に「いやぁ〜、有り難しなお寺だったなぁ。でも他の人たちはもっと山の上に登ってたんだ。何かあったのかなぁ。」と話すのですが、知人はこう教えます。「う〜ん、某法師さん、そこは岩清水八幡宮に所属する極楽寺という小さいお寺でね、岩清水八幡宮の本体じゃないんだよね。」
この話では神仏習合した神社とお寺がミックスされた所が舞台になっていますが、この岩清水八幡宮に当たるのが〇〇山です。
分かりやすいよう仮に岩清水山とでもしましょうか。某がお参りした極楽寺も岩清水山極楽寺で、他に岩清水山の本体に当たる岩清水山〇〇寺があり、さらに極楽寺と同じように岩清水山に所属する岩清水山××寺や岩清水山△△寺があるかもしれません。
つまり会社で例えると〇〇山はグループ名、〇〇寺は社名というわけです。
ただし、今もこのスタイルが残っているお寺を私は存じません。高野山は残ってるのかな?まぁ、あってもほとんど有りません。今となっては泰庵師のおっしゃるように苗字と名前の関係でしょう。
次に院と寺の違いです。昔は寺より院の方が大きく、院の中に寺がいくつか有るようなくくりでしたが、今では違いは全くありません。むしろ某寺が某院より大きいケースもたくさん有ります。…と、仏教系大学の講義で習いました。〇〇ショップと〇〇ストアのような感じでしょうか。
堂は建物の名前です。院や寺は組織(宗教法人)の名前という所に違いがあります。例外はきっとあります。
また、お坊さんが常駐せず仏像だけお参りしてあり、壁の有無を問わず屋根のある所も〇〇堂と呼びます。例えば道端に六地蔵さんが並んでいれば道祖神ですが、六地蔵さんに建物をつけてあげると地蔵堂になります。
ただし大きなお寺の本堂も堂ですから範囲の広い言葉です。
まとめると
・今は院=寺で、堂は建物です。
・昔は山>院>寺>堂です。山がグループ名、院が支社をもつ大きな会社、寺が個々の会社、堂は個々の建物です。
これで大丈夫だと思いますが、間違いがありましたらごめんなさい。
苗字と名前。
おはようございます。
初めての質問、ありがとうございます。
院号はよく分かりませんが、
山号と寺号は苗字と名前という例えが分かりやすいでしょうか。
仏教にゆかりのある言葉を寺の名前にすると、名前が重なるお寺は全国にあります。
うちの長慶寺も福井県内で3軒あります。検索をかけたら全国にも同じ名前のお寺がたくさんあります。
一般的には地名と寺名で呼んでいますが、地名も時代によって変わります。
そのため、時代に左右されず山号との組み合わせで個々のお寺を特定する形になっていると思います。
院、庵、堂などはネットで見る程度の知識しかないので他のお坊さまのご意見を参考にしてくださいませ。
質問者からのお礼
泰庵 さま
大慈 さま
吉田俊英 さま
みなさま丁寧な回答をしてくださり有難うございます!どうやら私が思っていたほど話は簡単ではないようですが、みなさまが出してくださった例や分類を基に自分の中での整理がつきそうです。何度も拝読し、消化していこうと思います!
まとめてのお礼で恐縮ですが、本当にありがとうございました!