日本人とは
年齢を重ねれば重ねるほど、日本のもの、和のものに興味が出てきました。
日本人の繊細さ、優しさ、親切心、勤勉さ、まじめさ、礼儀正しさ。。。世界中の国から、賞賛されるものと思っています。
ただ、あまり納得行かないのは、日本人が日本人らしく、上記を守って生きていきたはずなのに、今のこの国は、決して幸福に満ちあふれているとは思えません。外から見ているバイアスがかかっているだけかもしれませんが、のびのびとした生活環境の自然豊かな国、ワークライフバランスが素晴らしい国、大ざっぱで雑だけどそこがおおらかな魅力の国。。そんなところに生きている人々をうらやましく思ったことがある日本人は、少なくないと思います。
堅苦しいスーツを着込んで、満員電車の中、鬱病も過労もよく耳にする国、生活苦から親が子を殺め、子が親を殺め、かと思えば不妊やら保育園不足やら。。
日本人は細かすぎる、それはとっても、いい面である反面、些細なことが気になり追いつめられる人も多いと思います。
でも、そこから抜け出して、別の国の人のように生きる、それはそれでとても寂しいことのように思います。
あまり気にしない、そういうことは日本人は苦手だと思いますが、でも、生きていく上には、気にしない性格のほうが向いていると思います。
日本人が日本人らしく生きて行くには、それも、窮屈さを感じず、のびのび生きて行くには、どうしたらいいと思われますか?
日本人のよい性格は、生きていくのに少し不利にも思えることがあります。大胆におおざっぱに、たくましく図太く生きるほうが、生物としては向いているような気がして、、でも、それでは日本人としてはなんだか寂しい。
お坊様のご意見をお聞かせください。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
らしさってなんだ。
りりーさん、ご質問読ませていただきました。
日本人らしさ、日本人とは。
そもそも日本人らしさってなんなんでしょうか?
りりーさんは勤勉。ということをその内の一つとしてあげておられますが、
江戸時代、江戸の庶民達の平均労働時間は4時間程度であったらしいです。
4時間程働いたら、あとは昼寝したり、お茶でも飲みながらそこらじゅうで井戸端会議があったりしたんでしょう。
そんな生活ぶりから自然と他人をいたわる余裕が生まれて、親切にしたり、優しくあれたのかもしれません。
現に今の日本は働き過ぎ。でそんな余裕がないのかもしれませんね。
話は脱線しましたが、
こうやって考えたら日本人らしさ。
ってなんなんでしょうか?
らしさ。というからには昔から変わらないものでなくてはなりません。
この世は無常です。
空に浮かぶ雲のようによーく見たら常に変化し形を変えているんです。
この世の一切の事柄がそうなんです。
だから私は『らしさ』という言葉が大嫌いです。
日本人らしさ、社会人らしさ、お坊さんらしさ、女らしさ、こどもらしさ。自分らしさ。
この『らしさ』は危険です。
人間をがんじがらめにしていきます。
自分らしくあれ。
よく言いますがこれってなんなんでしょうか、しんどくないですか?
自分さえ無常です。
一瞬一瞬が新しい自分、とめどない変化を繰り返している自分。
そんな自分を『らしく』あろうとするのはいびつな行為です。
自分らしさ。
なんて、捨てた時に顔を出すのが自分らしさです。
日本人らしさ。
なんてことを捨てたときに日本人らしさがひょっこり顔を出すのでしょう。