外国人を嫌ってしまう私
都内の会社に勤めているものです。最近円安もあって多くの外国人を見かけます。電車などで外国人の方を見ると拒絶したい気持ちになってしまいます。
私はあまり海外には行ったことがないのですが、外国の映画を見たり外国に行くテレビ番組を見るのは好きです。日本とは違う文化を知るのも好きです。ですが日本で外国人の方をたくさん見かけるとどうしても日本が日本でなくなるような感覚になってしまうのです。
今私はアメリカのパソコンを使ってこの文章を書いていますし、私が今使っている文字も元は中国から来たものです。外国のものに助けられて生きているにもかかわらず外国の方を拒絶してしまう。こんな小さい心を持ってしまう私に何かお言葉をいただけないでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
仏様の広いお心の中には「わたし」「他人」という区別はない。
富士さん
お悩み拝見させていただきました。
都内や観光地では日々沢山の外国人観光客を見かけますよね。
富士さんは外国人の方を見ると拒絶したい気持ちになってしまうのですね。
少しだけその気持ちわかるような気がします。私も外国の方がいると少し緊張してしまいます。
英語が上手に話せないのもありますが、コミュニケーションが取れないと思い込んでるので無意識に排除しようとしているし、積極的に関わろうとしていません。
富士さんは、「嫌い」というお言葉を使われてましたが、
もしかしたら「不安」「恐れ」という感情が当てはまるのかな?と思いました。
人はお化けを怖いと思うのと一緒で、
「知らないもの、わからないもの」に不安を感じ、怖いと思ってしまいます。
もしかしたら、これまで外国の方との縁が無く、外国の方は富士さんにとっては「よくわからないもの」なのかもしれません。
ですので、外国の方が沢山で、日本がこれからどうなってしまうのか…不安や恐れがあるのかもしれませんね。
それを改善するために、まずはこちらから外国の方に興味を持ってみてはいかがでしょうか?良く相手のことを知り理解しよう意識するだけで、「よくわからないもの」ではなくなってくると思います。
それに、外国の方が沢山日本にお金を使ってくれることで、私たちの生活が保たれていると思うと、感謝の気持ちすら湧いてきませんか?
私はこれからの時代、過去あった「分離感」が無くなっていく時代になっていくと思っています。
人々の意識の中で、国境や人種、差別や比較など、少しづつ無くなっていき統合されていくような気がしているのです。
お釈迦さまは2500年も前にその意識でいらっしゃいました。
仏教では「自他不二」や「自他一如」という言葉があります。
自分と他人は一体であり、切り離すことはできない。
自分と他人は別々に存在しているわけではなく、本当は一つなのだ。
という意味になります。
全ての命は関わり合いながら皆つながっていて、単独で存在しているわけではない。
仏様の広いお心の中には「わたし」「他人」という区別はないのです。
なかなか生きていて、そう思うのは難しいことではありますが、少し心に留めておいてもらえると嬉しいです。
富士さんの心が少しでも軽くなり温かい光に包まれるようお祈りしております。
南無阿弥陀仏。合掌。
アイデンティティ
ご相談ありがとうございます。
視覚的に慣れない、異質な存在と感じれば、誰でもあなたのような感情が起こると思います。そうして拒絶してしまう心は、何も特異なことではないでしょう。
そう、もしかしたらただ「慣れていない」だけなのかもしれませんね。これから多国籍の人物と関わる時間が増えれば、今とは全く違った価値観と人生観が芽生えるやもしれません。例えば他国の方で好きな人ができた場合、それまでの感覚とは180°ひっくり返った反応をするかもしれません。
どんな時も、こうだと決めきってしまう必要はないし、できるだけ時間変化を楽しめば良いのではないかと思います。
野に咲く花が実をつけるまでに、日照時間や土の状態、水の成分や空気の流れ、微生物や栄養素の量と種類、遺伝子のはたらきや生育する環境に左右されるように、人間もまた一生の時間を様々な繋がりの中で各人が影響し合って生きています。
何年か先、あなたなりの「実」を熟成させたとき、それが何物にも代えがたい、そして他者がカテゴライズし得ない唯一無二のオリジナルであれば、今の違和感に対する答えも必ずその時同時に出てくるはずです。
他方、日本人による日本人のための日本という国が少々傾きかけている昨今の危うい情勢が気になります。これが将来どう変化するか、または打破できるのか、いささか難しいと感じます。
個人の力ではどうしようもない社会の大きな流れですから、私も素直に受け止めつつ、自分なりの未来を描いていこうと考えております。合掌。
ご質問拝見させて頂きました。少なからず私の中にも富士さんと同じような気持ち、考えはありますので分からなくはないです。以前から日本人が海外の人を外人として差別、区別するのは何故だということをテレビや雑誌などで特集することがあります。どれも結論はほぼ同じで、日本が島国であり、日本人だけがいる島という思いからはずれにくいからだそうです。これを聞いた時、確かにそうだなって思いました。中国や他国のように大陸続きなら他国の人が出入りするのが当たり前ということがあると思いますが、なかなかそうではない日本。日本人を見慣れた私たちが他国の人を受け入れにくいのは見た目が異なるからだと思われます。これからも日本は海外の人が増えると思います。慣れていくしかないこと、また言葉の壁がなくなってくればこの違和感もなくなっていくと思います。富士さんは別に他国の人を嫌っているわけではないのですから、今後も交流する機会があるかもしれない、そういうご縁があるかもと思われれば見方も変わってくるかと思います。参考になれば幸いです。
質問者からのお礼
丁寧なお返事ありがとうございました。とても励みになりました。今すぐに変わることはできませんが、少しづづ外国のことをニュースや本で学び知っていこうと思いました。