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喝を入れてください

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はじめまして。私事で恐縮ですが、相談させてください。

私の職種は美術系なのですが、自分の中に湧き出る創作意欲や表現欲求が見つからなくなってしまい、困っています。創造を楽しいと感じられなくなってしまいました。創ることが本当に好きなことかもわからくなり、無気力に時間を過ごしてしまいます。

詩や小説、絵を描くことが好きでしたが、大人になってから書けなくなりました。最近の作品は、自分らしさを消し去った、抽象的なものばかりです。自信がないのだと思います。それを受け止めるのがつらく、依存に走り、現実逃避してしまいます。

少し話が逸れてしまいますが、私は子供の頃から、演技、歌、ダンス等、特定の自己表現が、極度に照れ臭くてできません。自我の殻を破りたくて歌を習ったり、ダンスに行ったりもしてみたのですが、あまり変わりません。今の自分の状況に影響していたりするのでしょうか。

どれも、美術、文学とは少し違った形で「今にある」芸術だと思うのですが、それが苦手とはどういう精神の特徴なのかと気になりました。

子供の頃から好きだったことが、本当にありがたいことに仕事になりました。こんなところでへたれていないで全うしたいです。どうか、喝を入れてください。よろしくお願い致します。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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創作意欲を持とうとすることをやめること

いざを日本画を描かれている方のお話をテレビで見たことがあります。その方は、一つのところにとどまらないようにしていると言っていました。一定の期間住んでは引っ越し住んでは引っ越しを繰り返しているそうです。生活環境を変えることでそこで受けた感覚を大切にするそうです。描かなければということよりそこの場所の生活を愉しむことへ重きを置いているのでしょうね。

嫌な過去を忘れたいと願い、考えることは記憶をより強烈に印象づけ、忘れられないものにします。
それと同じで、描かなきゃ!創作意欲が・・・なんて思えば思うほど、願いとは逆の方向に向かうのでしょう。

一度勇気を出して全て手放して、旅に出るとか引っ越ししてみるとか、環境を変えることをしてみると良いかもしれませんね。目、耳、鼻、舌、身、意、六根に従い、身を任せて生活するのもいいと思いますよ。

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禅宗 曹洞宗 僧侶。神奈川県西部円通寺住職。小学校教師。 悩みを吐き出す...
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ソロソロ、宗教美術かな。

きみどりさん、こんにちは。

アートライフなんですね。羨ましい。ラクガキイラストレベルの私からみれば理想の人です。
さて創作意欲がわかなくなってしまっているのですね。趣味が仕事になることのあるあるですね。自分が好きなことをすることが仕事をして油断してしまうと、収入を得るために絵を描くことに逆転してしまいます。そこは仕事ノルマとなり、意欲で描くものとは違ってくるからです。でもそこを乗り越えてこそプロアーティストなんでしょうけど(笑)。
 創作意欲がわかないという心理で絵を描くことも一つのアートなのかも知れません。絵書きさんは、そういう低迷期という時代の作品もあるものです。いつもでハイテンションでアートを続けることなんて天才しかできません。でもそういう時代の作品に評価が付く場合も多いことは知っていると思います。アートは心の表現。苦悩の中から生まれる作品があるからです。

 さてそして年齢的にも現実的な人生観もつき、そろそろ自分の夢のままに描いていた作品と違い、自己の内面性の追求から、一つは性的な表現、もう一つは聖的なものへの追求も生まれてくる時期です。特に海外では、人生と宗教が表裏一体になっているため、宗教美術の方向に進みます。日本人の場合、その感覚が小さいので、若いときのままでがんばろうとするので、創作性がしぼんでしまうのです。年齢的な変化もアートには影響しています。
 
 きみどりさんも、海外生活がながいようですが、そろそろ、日本文化と対峙した、スピリッツアートを描く時期がきているのかも知れませんね。そこに自分のアイディンティティを見つけるアートの旅が始まるのではないかと思います。

 是非、そこから、低迷期脱出の鍵になって欲しいと思います。
がんばってください。よければ作品を見せてくださいね。
 
 私は19歳で断筆したラクガキを昨年から30年ぶりに復活。下手ですけど、絵を描きたくて描きたくて創作意欲満点です(笑)。今度27、28日に、日本全国のアーティストが集うデザインフェスタに出展します。昨年のデザフェスを見学して無名のアーティスト達からエネルギーをもらっての復活でした。きみどりさんも初心を思いだすには、アマチュアのアートフェスに見学もいいかもしれません。

合掌

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質問者からのお礼

邦元様、染川智勇、ご意見聞かせていただき、ありがとうございます。なんだか涙が出てしまいました。

邦元様、環境を変えてみるというアドバイス、ありがとうございます。実は、環境を変えるということが去年幾つか起こりました。自ら意図したものではなかったのですが、邦元様の言うとうり、環境の変化はどれも良い出会いや影響を与えてくれたので、起こるべきして起こったものと感謝しています。しかし、良い変化を経てもまだ、六根に従い、身を任せて生活仕切れていない自分を感じ、今も依存に逃げしてまいます。自分自身にちゃんと向き合えていないようです。生活を愉しむという感覚を、まずしっかりと身に付けたいです。ありがとうございます。

染川智勇様、創作意欲満点なお気持ち、とてもうらやましいです。宗教画への興味など、年齢的な志向の変化、興味深いです。職は商業的アートの範疇なので、初めの頃は仕事として学ぶことも多く充実していたのですが、それに慣れ、次のステップに行くにはやはり自分から発信できるものがないといけないのだと気づいたところです。初心に戻る気持ち、大切ですね。
私は、我が出るものを避けた創作をする傾向があります。染川智勇様の言うとおり、年を重ね、聖的なこと、性的なことへの興味と理解が深まっています。今まで、その興味を創作の方に重ねたことはなかったのですが、変化する自分とちゃんと向き合った作品作りについて、考えなおしてみようと思えました。ありがとうございます。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ