欲について
質問というか疑問に近い気もするのですが…、
・何かが欲しいといった『物欲』
・~してほしい、愛されたいなどといった、『他人に対する期待』
・誰かと自分を比べてつらくなる『劣等感』
・一人でいても他人といても感じることのある『孤独』
・先のことをマイナスに考えてしまう『悲観』
全て私に昔からずっと当てはまることなのですが、これらを克服したり軽くしたりする方法や考え方があれば、少しでも生きるのが楽になると思うのですが…。
もしよろしければ教えてください。よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
もともと「ない壁」にいきずまらないこと。
・何かが欲しいといった『物欲』
それが欲しいと思った時の二次的欲求を行動化させなければ良い。
・~してほしい、愛されたいなどといった、『他人に対する期待』
その「されかた」「愛され方」がその人の現時点でのやり方なので、すでにあなたの望んでいない形で、されている、愛されている。ゆえに、期待や求めを持たなければいい。
・誰かと自分を比べてつらくなる『劣等感』
比べなければいい。
大根はダイコン。ごぼうはゴボウ。なすはナス。
それぞれ色も形もキャラも違う。
・一人でいても他人といても感じることのある『孤独』
他といることで孤独を埋めようとする姿勢がそもそも方法が違うから孤独感が満たされない。
本当の一人というのはたった一人でいても、人といても孤独がない。その真の1人というものをご存じでないから、それがどういうことかを求めればあきらかになる。
・先のことをマイナスに考えてしまう『悲観』
まだそうなっていないことを不安に思う「不安」という行為をしているに過ぎないことを悟る。
ミサイル、飛んでこんかった。
Xデー、そうならなかった。
世界は滅亡する…!しとらん。
その発信者、どこのどいつじゃ。
仏教は、そういう動き回る心をおさめる教えです。
心がみんな共通してますでしょ。
その心を上手に飼いならすことです。
関心がありましたらFacebookの参禅ページを除いてみてください。
「思い描くのは、悪いことじゃない」
こんばんは。自分の「思い」と自分の「現実」の差を見て、いろいろ感じるということですね。
それ自体は、恐らく一生変わらないと思いますし、実は世界中の誰もが感じていることだと思います。程度の差こそあれ、みんな同じです。
では何の程度かと言うと、自分の置き場を「思いに近づける」か「現実に近づける」か、だと思います。「欲しいな、したいな、〜だったらいいな」を繰り返しブツブツ言うか、「そのために〜しよう、少し〜やってみよう」と動くか。
思うことは自由です。王様になりたいとか、スター選手になりたいとか、大金持ちになりたいとか。「思う」は言葉をあやつる人間だから、どこまでも広げていけるけれども、そこに耽っていても自分は一歩も進んでいない。妄想ってやつですね。
「あれ欲しいなぁ」と思って、「じゃお金貯めよう、よく調べよう」と、それに向かって動くか?暫くボーッと眺めて「欲しいなぁ」と繰り返すか。動かない、「今のままでいたい」というのも、また人間の欲の一つだと思いますが、それが隠されているんじゃないでしょうか?
仏教は、特に日本では「諸行無常」と言いますね。「何事も、そのままで留まることはない」ということです。変化し続けるということ。「今のままでいたい」というのは、多分あなたの煩悩の急所のような気がします。
どうですか、取り敢えず一つ、「手にいれられそうなもの」にチャレンジしてみては?何も行動していないときほど、いろんな妄想は湧きます。だって暇だから。やってみると、「これは手にいれられるもの」「これは手に入れられないもの」という見極めも付いてくるようになると思います。「手に入れられないもの」は取り敢えず放置するしかないのです。それができるのも「今はこれに向かって行動」がある故。いかがでしょうか。
他者の恩恵に注意を払う
仁奈様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
「欲」は、「こうしたい」という意思であり、善い欲もあれば、悪い欲もあり、できれば、善い欲を持って参りたいものとなります。
しかし、その欲のコントロールができず、扱いを誤ってしまって、迷い苦しむのが凡夫となります。
その問題の原因は、我執・法執にあると仏教では考えることになります。
我執・法執とは、モノ・コトへの実体視執着というものとなります。
簡単には、そのものが、そのもの自身の側で、そのものを成り立たしめている独立自存なるものがあるとして囚われて執着して見てしまう性向のことであります。
まあ、いきなりそんなことを言われても、なんのこっちゃとなってしまいますので、あまり今は深く考える必要はありませんが、一つは、疑問に思われていることの解決としましては、みんな、それぞれ、貴女も私も、全ての存在も、他の何かに必ず支えられて、助けられて、他を頼り、依存して成り立っているということを理解して、常に、他者の恩恵に注意を払うことで、その関係性、繋がりに気づいていくことにより、どうしても自分中心的となってしまうモノの見方を変えていくということであります。
それにより、少しは欲のあり方を見直して、劣等感、孤独感、悲観・虚無感も無くしていくことができるのではないだろうかと存じます。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
皆様お忙しい中、たくさんの回答をありがとうございます。
それぞれの回答を読み、心が少し軽くなった気がします。
思うだけじゃなく行動したり、考え方やものの見方を変えたりして、自分の心を上手に飼い慣らしていけるように励んでみます。
また心に余裕を無くした時に、皆様のこの回答を読み返したいと思います。本当にありがとうございます。