お経や御真言
度々、申し訳ありません。
私は以前、禅宗のお坊様から教えて頂いた「十句観音経」という短いお経を、例えば恐怖を感じた時や落ち込むような事があった時に、心の中でとなえています。お守りのようにしています。
では、ものすごい怒りで心がいっぱいになってしまった時に、平常心に戻る為に心の中でお唱えできる短いお経やご真言がありましたら教えて頂けないでしょうか。
できましたらそのお経やご真言の意味も教えて頂けると、大変ありがたいです。
よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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こんばんは。
「(延命)十句観音経」は、長さもちょうど良いですし、内容も良いお経さまだと思います。「お守りのように」とは良い表現だと思いました。
私は、怒りの時も、悲しみの時も、このお経さまをお守りとしてお唱えすると良いのではないか、と思いました。
観音さまは、33の姿に変化し、衆生を救うとされます。是非大切にお唱えください。
菩提心生起偈・四無量心偈・般若心経・中論帰敬偈
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
その都度に唱えているわけではありませんが、怒っている時においては、相手も、自分も同じようにこの輪廻にて迷い苦しむ中にある相憐れみ合う同士であること、また、相手も、自分も、怒りも、実は、実体として存在していない空であること、この二点を思い起こして、怒りを治められるように致しております。
そのことを思い起こすために役立つものとして、毎日お唱えしておりますのが、三宝帰依と共にございます、「菩提心」を起こすための偈と、「四無量心」の偈、そして、「空」に関しては、「般若心経」と龍樹大師の「中論帰敬偈」でございます。
三宝帰依・菩提心生起
すべての有情を救済しようという願いによって
仏陀・仏法・僧伽に
悟りの心髄に至るまで
私は帰依いたします
智慧と慈悲を持って精進し
すべての有情を利益するために
私は仏陀の御前に
完全なる菩提心を生起いたします
この虚空が存在する限り
有情が存在する限り
私も存在し続けて
有情の苦しみを滅することができますように
四無量心
一切衆生が楽と楽因を持たんことを
一切衆生が苦と苦因から離れんことを
一切衆生が苦のなき楽と離れざらんことを
一切衆生が親疎と貪瞋の二者から離れ平等に住さんことを
中論帰敬偈
不生亦不滅
不常亦不断
不一亦不異
不来亦不出
能説是因縁
善滅諸戯論
我稽首礼仏
諸説中第一
不滅にして不生、不断にして不常、
不一義にして不異義、不来にして不去、
およそ戯論が寂滅し、吉祥なる縁起、
それを説いた仏陀、かの最高の説法者に私は帰命する。
(参照・文殊師利大乗仏教会さんの訳より)
その御方が縁起生、[すなわち]不滅と不生、不断と不常、不来と不去、不異と不一、戯論の鎮まれる寂静を説示し給う正等覚仏陀、その妙なる説者に頂礼し奉らん。
(ポタラカレッジ・チベット仏教常用経軌集の訳より)
ご参考まで。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
川口英俊様。
誠に丁寧な解説とともに、お教え頂きまして、どうもありがとうございます。
これを機会にまた仏教に関する本ももう一度読んでみようと思います。
合掌
鳳林寺ご住職様。
どうもありがとうございます。
私にとって「延命十句観音経」も大切なお経です。話は変わりますが禅宗のお寺さんにご祈祷にうかがった際、修行僧の方に「絶対に良い事あるから、頑張りましょう」と、本当に心のこもったお声をかけて頂き、涙が出る程嬉しかったですし、有りがたかったです。
合掌