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自死した人に自死したことを後悔してほしいと思ってしまいます。

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有り難し有り難し 33

先日は、質問にご回答頂きありがとうございました。
再び、質問させて頂きます。

自分はこれまでに、何度か身近な人を自死で亡くしました。
その度に、自死したことを後悔してほしいという思いが湧いて、かき消すことができずに過ごしていました。
それは生きているもののエゴであり、本来なら成仏を願いながら供養すべきだと分かっています。
自分自身の思いとどう向き合えばよいでしょうか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

そう思いますね

拝読させて頂きました。
亡くなられた方に後悔の念をもって頂きたいと思うのはあなたがその方を思い生きていてほしかったと思うからでもあるでしょうし、自死自体をしてはいけない事だと思うお気持ちもあるでしょう。
私もそう思います。やはり親しい方には生きていてほしいと思います。そしてできるならば自死という選択をして頂きたくなかったと思いますからね。
あなたのお気持ちを心よりお察し申し上げます。

自死なさってしまうにはやはりそうならざるを得ない経緯や理由もあるでしょう、精神的な疾患を抱えながら苦しまれたり、生きていくことに絶望し八方ふさがりになってしまうような状況に追い込まれてしまったり等それぞれに選択せざる得ない状況になったのかと思います。

もしももう少し自分が気がついてサポートできていればと思ってしまい自分も後悔してしまいますからね。
ただその時は分からなかった、その様なめぐり合わせであったのかとも思います。
そこでは誰も責められないのかとも思います。
或は学校や会社や社会の中でいじめや嫌がらせや無茶なノルマを課せられたりしたのならば責任ある方も沢山いるでしょうし、その事実を真摯に受け止めて心から反省なさって頂きたいとも思います。
しかし往々にして加害者や責任ある方は逃げてしまうようにも思います。
改めて世の理不尽さを感じます。
とはいえその様に人を傷つけた方々には目には見えなくてもその報いは巡り巡ってその方に及ぼされるでしょう。

自死については善い悪いは何とも言えないと私は思います。その様な事実を変えることはできませんし、その方が一生懸命に生き抜いてそのような選択になったことは認めることも大切かと思います。
とはいえやはり大切な方には生きて貰いたいと思いますし、少しでもサポートしたいと思います。そしてそれぞれに与えられたその生命を全うなさって頂きたいと切に願いますよね。

亡くなられた事実は変わりません。とはいえその方とのご縁が切れたわけではありません。亡くなられた方は仏様の元で一切の苦しみから解放されて心安らかになられています。仏様は必ず救って下さいますからね。
どうか仏様にお願いして亡くなられた方をお救い頂きその方が心から安心なさって下さいます様にと、そしてこれからもその方がいつも心穏やかに見守っていて下さいます様にと真心込めてご供養なさって下さいね。

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有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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苦諦

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

今は無理にその思いをかき消そうとなさられなくても良いのでは無いだろうかとは存じます。

無理にかき消そうとすればするほどに、自分の生きることへの価値が大きく揺らいでしまう可能性が高くなってしまうからであります。

ただ、これから、自死されてしまわれました方々のお気持ちを理解なさられたいとなりましたら、やはり、仏教を学び進めて頂けましたら有り難くに存じます。

自死して逃れたいと思うほどに、この輪廻世界はやはり苦なのであります。

お釈迦様が最初にご説法なさられました四つの聖なる真理(苦諦、集諦、滅諦、道諦)の第一番目、それが、この苦しみの現実についてでございました。

そして、この苦しみの原因について明らかになさられ、その原因への対処を仏教にて進めていくこととして、苦しみを無くすための教えを以後、説き示されていかれるのであります。

やがて、自他共に皆がこの苦しみの輪廻から解脱できますようにとして、しっかりと仏道に努めて参りたいものでございます。

川口英俊 合掌

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おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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質問者からのお礼

川口英俊様
Kousyo Kuuyo Azuma様

お忙しい中ご回答頂き、ありがとうございます。
自死してしまった方も、遺された者も大きな苦しみを抱えています。
ご指摘頂いた通り、まだ生きていてほしかったという願いが、こうした思いにつながっていると思います。
ただ、亡くなってしてしまったという事実は変えられません。
急がずに、まず、亡くなった方が苦しみを抱えていたこと、自分自身がこういう思いを持って苦しんでいること、自分以外の遺された者が苦しんでいることを事実として受け入れるところから始めようと思います。
お恥ずかしい話ですが、自分自身、仏教徒でありながら、仏教についてよく知らないまま過ごしてきました。
身近な人の自死を何度も経験し、心が壊れかけていました。身近な人の死であるが故に、普段他のことなら気軽に相談できる人にさえも相談できずにいました。
そういう時こそ、仏様を御釈迦様のお言葉を知り、亡くなった方の成仏を願い、遺された者の生きる道を模索していくことが大切だと気づかされました。
うまく表現できませんが、本当にありがとうございました。

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