悲しいニュースを見たときの辛い気持ち
悲しいニュースを聞くたびに、辛い気持ちになってしまいます。
主に虐待事件なのですが、犠牲になった子どもの気持ちを考えてしまって、悲しくて涙を流しています。
当然その子はどこの誰かも知らない子ですし、何より亡くなっているので、私には何かしてあげることすらできません。
虐待の被害にあう子どもを救える仕事もありますが、今の職も大好きで大事なので、そういった団体に寄付をすることくらいしかできません。
何もできない自分自身に、さらに悲しくなります。
本当に辛くてたまらないのですが、この気持ちをどうにかすることはできないのでしょうか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
お優しいあなた様へ
こんにちは。お寺で養育里親をしている転落院です。
ウチにも現在、”親権”という圧倒的なパワーの前に為す術もなく殺され続けてきた…あるいは本当に本当の生命の危険をかろうじてかいくぐってきた子らが来ています。
”虐待の被害にあう子どもを救える仕事もありますが”
”寄付をすることくらいしかできません”
虐待、ネグレクトの著しい増加とは裏腹に、案外日の当たらない分野である児童福祉、児童養護へのご理解とご協力誠に有難うございます。
”今の職も大好きで大事なので”
天台宗の開祖・伝教大師最澄は【照于一隅】とおっしゃったそうな。
肝心なのは、まず、ご自身に与えられている役割をしっかり果たす事。その上で、世の中の苦しんでいる悲しんでいる者たちへ、あくなき関心を向け続けて頂きたく思います。
”この気持ちをどうにかすることはできないのでしょうか?”
まずは、あなたご自身が、あなたの友人が、生きとし生けるものが、そしてあなたの苦手な人さえも、「みんなが幸せでありますように」と祈ってください。無関心ではいられない、そんなあなたの温かい思いを馳せてやってください。そして、ご無理のない範疇で結構ですから、ほんの些細な事で結構ですから、何か行動を起こしてみてください。
この世界から、地獄・餓鬼・畜生が解決されていくそのプロセスに、あなたもぜひご参加くださいませ。
仏教の役割は重い
川口英俊でございます。
拙生も、同じくつらく悲しい気持ちでございます。
hasunohaには日々、虐待されている側と虐待している側、双方からのご質問が参ります…
色々と考えさせられるところから思うのは、正直、これだと言う正解はないということ。
ただ、身近に、真摯になって問題に向き合ってくれる者たちの存在があるかないかで、結果はかなり変わることになるのではないだろうかとは思います。
相手に寄り添い、相手の気持ちや考え、想いを理解して、共に問題を共有し、共に解決の最善のためにどうするかを考えて実行していくこと。
真なる共生社会とは、制度や法律、施設など、無機的なもので実現するのではなくて、社会を構成する人それぞれの心で実現していくもの。
人それぞれの心において、まさに、仏教の四摂法の「同事」力の向上が求められてくるところであるのだと存じます。
仏教の役割は重い。
結愛さんの死を決して無にしないように更に拙生も努めて参らなければと思います。
結愛さんに合掌
川口英俊
質問者からのお礼
回答してくださった僧侶の方々、本当にありがとうございます。
回答を読んで心が救われました。
辛く悲しい気持ちになりますが、それでも虐待の問題に関心を持ち続けます。
今苦しんでいる子ども達が救われること、犠牲になった子ども達が次は幸せになってくれることを祈りたいと思います。
そして、虐待がない社会に近づけるように、自分にできることを始めてみます。
本当にありがとうございました。