天台宗への出家の仕方について
現在、天台宗への出家を目指しております。
天台宗への出家を目指す理由としては、
半分自殺も考えてもいたのですが、
天台宗の本を読んで、価値観が変わり、自殺を思いとどまりました。
よって、せっかく仏様にお助けいただいた命であれば、
仏様のために、残された人生を使いたいと考えるようになりました。
しかしながら、私の実家は仏教等の信仰はなく、天台宗の檀家でもありません。よって、出家するにあたって、どのように師僧を探せばよいのか、お聞きしたく存じます。
何卒よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
在家出家の枠にこだわらなくてもいいのです。
ご相談読ませて頂きました。
天台宗とのご縁があったこと、まずは有り難く思います。
さて、出家の仕方というお話ですが、
まずは「出家」というものにどのようなイメージをお持ちでしょうか。
時代が違えば、俗世を離れて仏道を歩み、隠遁生活を送ることもできたかもしれません。
しかし現代日本を生きる我々は、山に籠ろうが何をしようが、
税金なり保険料なりを納め、食い扶持は稼がなければなりません。
それは現に今天台宗の住職を務めている私も同様です。
今の日本で出家などと言っても、
社会と繋がらざるを得ない、ということはまず心得てください。
天台の『摩訶止観』という書の中でも、
人里を離れ、仕事や人間関係を遠ざけることは奨められてはいます。
しかし現実的には、それでは生活ができません。
それを承知していただいたうえで、MYさんが出家に何を求めるか、ということです。
どこかのお寺の住職になりたいのか、
そうでなくても一生を仏道に費やせるのか、
あるいは仕事を続けながら仏教を学んでいくのか。
どうするにしても、まずは近所のお寺さんを訪ねてみるといいかと思います。
現代は良くも悪くもこうしてネットを通して遠方の人とも言葉を交わせますが、
経典に触れ、境内で時間を過ごし、教えを乞うのであれば、
やはり通える距離で師僧が見つかればそれが一番でしょう。
過去には直接比叡山を訪ねて師匠を探したという話も聞かないではないですが……
それで師匠が見つかるかどうかは、これはもうご縁としか言いようがありません。
天台宗のお坊さんとして一つ言わせていただくなら、
仏様のために人生を使いたい、という考え方は、少し改めた方がいいかもしれないです。
天台には一乗思想というものがありますが、
大雑把に言ってしまうと、誰もが悟りに至れる、という考え方です。
まずはMYさん自身の開悟のために励むことが、仏様の慈悲に適うことでもあるでしょう。
また、天台に限らず大乗の思想として、
上求菩提下化衆生、という言葉があります。
自らが求めるのは仏様のような境地であり、
そして他の誰かの為につとめることが大切なのです。
私はたまたま縁あって寺で過ごしておりますが、
仏教を学び、誰かの為に何かをするというのは、
在家という立場の日々の暮らしの中で、
自分なりにできることもあるでしょう。
良いご縁をお祈りします
質問者からのお礼
今回出家に思い至った理由としては、
今まで自分本位に生きてきてみて、常に何かしらの不満・不平があり、
結局満足することはないと絶望しておりました。
そこで、天台宗では、忘己利他の考え方や、利他行を行っており、
また、天台宗についての記事を読んで、価値観が変わったことから、
天台宗で出家をすることで、世の中の人のため、仏様のために生きてみたいと考えましたので、
今回のような質問をした次第です。
今後も自己の向上に努めながら、人々に喜ばれるように行動していき、
またご縁を探したいと考えております。
ご丁寧な回答ありがとうございました。