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前世を知りたいです。

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私は自分の前世がどのようなものだったのかとても知りたいです。
でも、自分の前世を知ってはいけないから、思い出す事が出来ないのかなとも思います。
今の自分が苦手な物や今自分の周りにいる人は前世とも関わっているという話を聞いた時にそれは本当かなと疑問に思いました。
私の一生で前世を知ることは出来るのでしょうか?
それとも前世とは、今世から現実逃避したいと願う空想の話なのでしょうか?
支離滅裂な文章で申し訳ありません。
教えて頂けたら幸いです。


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

現実逃避ではなく現実を引き受けるための物語

前世を知りたいのですね。しかし前世があるかどうかもわかりませんし、仮に前世があったとして、それが今世に影響を与えるかどうかも分かりません。

科学技術の進歩はめざましいのでタイムマシンなどが開発されれば知ることもできるかもしれませんがしばらくは難しいでしょう。

ですからもしも「あなたの前世は〇〇だ」と明確に言うような人がいたのならそれは怪しいので注意が必要です。

しかしながら仏教では前世について考えます。それは「今世から現実逃避したいと願う空想の話」ではなく、むしろ「今世を引き受けるために人々が見出した背景」といえるようなものでしょう。

「ジャータカ」や「本生譚(ほんしょうたん)」と呼ばれるお釈迦様や仏弟子の前世物語が仏教ではあります。
それはお釈迦様のような偉大な人は「お釈迦様をしてお釈迦様としてたらしめた要因があるはずだ」と人々が考えたことから生まれたものではないでしょうか。その時人々が重きをおいたのはお釈迦様の過去世の物語ではなく、今世における偉大さでしょう。

だから私たちも前世を考えるならばけして今世からの現実逃避に使うのではなく、むしろ前世への思いを通して「私が私として生まれた」という今世の事実・現実を明確におさえるものとしましょう。

もしもあなたが「今の自分が苦手な物や今自分の周りにいる人」についての原因を前世に求めているとしたら、前世に重きをおくのでなく、今世で今あなたは何が苦手なのか・今何を悩んでいるのかなどを是非hasunohaで相談してみてください。

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有り難し
おきもち

個別相談可能
はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
基本的には平日13時~15時のみ対応可能です。お寺の行事、急な法務で対応できない場合もあります。

前世を知っても・・・

前世については、様々な議論されて、いろんな考えがあります。
単純には前世とは、過去の生きた自分と言えるのかもしれませんが、では、その前世を知ってどうするかです。過去は何も変わりません。又、変えることもできません。

しかし、因果の法則はありますから、今、こうして生きていることにも何らかの原因があったことも事実です。どんどん遡(さかのぼ)れば、自然に過去の自分を知りたくもなりますが、反対に今の自分を見つめれば、過去の自分を知ることにもなります。もちろん、簡単に語れることではないでしょうけど、それも事実でしょう。

又、あなたの過去世はこうだったと言われても、ある意味では無責任なことだと思います。言われても、だからどうなの?と。大抵は、良くない面の原因は、昔こうだったからという事の方が多いでしょう。
であれば、次には良き結果となるよう、今から良き原因を作っていけばいいのです。
過去世がこうだったからということに影響されないような生き方もあるということで、常に良きことをしていけばいいと思います。そのために生きているのだとも思います。

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有り難し
おきもち

日蓮宗のお寺で、名古屋市南区にあります。 ”お寺は生きている人のためにもにある”と発願し、法筵寺を新寺建立。住職として41年になります。どこまで、その思いを達成しているか分かりませんが、少しでもお釈迦様、日蓮聖人の教えに触れて頂けたら思います。 FB https://www.facebook.com/kaisho.suzuki 法筵寺FB https://www.facebook.com/houenji/ 日蓮宗ポータブルサイト内 https://temple.nichiren.or.jp/3031069-houenji/

「大乗本生心地観経」

みみこ様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

「大乗本生心地観経」というお経がございますが、このお経の中に、「過去の因を知らんと欲せば、其の現在の果を見よ。未来の果を知らんと欲せば、其の現在の因を見よ」という言葉がございます。

簡単には、過去のことを知りたければ、今のこの自分のありようを見ればわかるということであります。現在のわが身が迷い苦しみの中にあるのであれば、それは過去における業(カルマ)などの因縁(原因と条件)によるところなのであります。

もちろん、人として生まれる果というものは、誠に稀有なること。仏教のある世界に、人として生まれられて、尚、仏法を修せられる境涯にあるとするならば、過去に善き因縁があったからこそなのでもあります。

善き未来、善き来世を迎えていきたいのであれば、この今の有り難い機会を無駄にせずに、悪い行いをなさずに、善き行いに励みて、心を清らかに調えて参りたいものとなります。

川口英俊 合掌

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おきもち

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