恩の返し方。
長くなりますが、聞いていただけると幸いです。
どうすれば、母と父に恩返しができるのか、悩んでおります。
18歳、大学一年生の時に、鬱病になりました。
原因は、両親の離婚・祖父の死、という、心の拠り所を亡くしたことにあるようです。(私は、医者に指摘されるまで、鬱であることに気づけませんでした。)
4年かけて、鬱病を克服し、就職したのですが、就職した会社との相性が悪かったようで、再び鬱になり、一年ほどで退職してしまいました。
現在はアルバイトをしながら、再び就職できるようにと、日々を過ごしておりました。
ですが先日、アレルギーを発症し、肌に多くの湿疹が現れました。手足だけならともかく、顔にも赤い湿疹が大量にできてしまったのです。
自分に自信を持てない私が、自分の容姿の中で唯一誇れたのが、白く綺麗な肌でした。
この肌が、以前とは比べ物にならないほどに荒れてしまい、それを受け入れることが出来ず、外に出るのが怖く、アルバイトも休んでしまいました。
同居している母にも、とても心配をかけてしまっています。
ですが、外に出るのが怖い。人に会うのが怖いのです。
以前のよう、とまではいかなくとも、赤みが引いてくれれば、またアルバイトも出来るかな。と思っているのですが、治らず、ずっとこの状態であるかもしれないことを考えると、不安でたまりません。
母も父も、私のできることをすればいい。と、私を気遣ってくれます。
両親の愛を、ひしひしと感じます。
ですが、私は、二人に、全く何も返せていないな。と思うのです。
迷惑ばかりかけ、何一つ親孝行をしていないのです。
父は、会うたびに「迷惑なんてかけられたことはない、面倒なんて思ったことない」と、何度も私に言ってくれ、
母は、ずっと家に引きこもっている私の気が少しでも晴れるようにと、仕事帰りに私の好きなドーナツなどをお土産として買ってきてくれます。
少しのことで、すぐ落ち込む、私のような面倒な娘を、こんなに気遣ってくれる、父と母に、私は、どのようにして、恩返しをすればいいのでしょうか。
親孝行とは、いったいどうすればよいのでしょうか。
お教えいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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返し方は色々
昔から「孝行を したい時には 親はなし」と言われますが、あなたはご両親健在のうちに、親孝行ということに気づかれた。それはとても尊いことだと感じます。
お肌の事が発端とはいえ、「こんな身体に生まれて…」と愚痴ることなく、ご両親の有り難さに気づかれた。誰でもできることではないと思いますよ。
ご両親に対しては、邦元師の仰るように「ありがとう」と感謝の言葉を伝えることが最善かと思います。「お誕生日プレゼントを貰ったからお返しね」というケースのような「お返し」は、親に対してはできません。あなたをこの世に送り出して下さった事に「見合う」お返しはありません。しかし、これは貴女だけができない事ではなくて、世の中の誰にもできないことなのです。貴女のご両親にしても、そのご両親(祖父母)に対して、「見合うお返し」はできなかった筈です。
とすると、恐らくお気づきと思いますが、親孝行とは実は「他の誰かに、あなたがして貰ったように接する」という事ではないでしょうか。あなたにご縁のある、周りの誰かに。貴女のご両親が注いで下さったような愛情や言葉を、今度は誰かに伝えるということです。
その相手が誰なのか、何時になったらできるのか?それこそ「ご縁による」事ですが、きっとそういう方と出会うと思います。貴女に接してもらった誰かは、きっとその事を通じて貴女のご両親とも接することになると思います。
世の中、「負の連鎖」と言われるような、怨みが広がっていく事もありますが、貴女の持っていらっしゃる「正の連鎖」の種を、どこかで誰かに繋いでいただきたいと存じます。
あなたはとても優しい方です。
あなたからの「ありがとう」がなによりの恩返しだと思いますよ。
お父さんやお母さんの言動はあなたを傷つけないように気を使うとか、励ましてどうにかなって欲しいとか、そんな計算されたものではなく、自然に愛するあなたのためにしている言動なのでしょう。
あなたはその言動を素直に受け入れてただありがとうと伝えられたらいい。そして健康でいてくれたら十分なのです。
お世話になっているお父さんやお母さんに何かしたいと思うあなたの優しい気持ち、とても素晴らしい事です。そうした優しいあなただからこそお父さんやお母さんは、自然とあなたのためになりそうな事をしてくれるのでしょう。
あなたの優しさが人を動かしているのかもしれませんね。
乾燥する季節、お肌の方も早く良くなるといいですね。
恩送り
今は乾燥しやすい季節でもありますのでお肌にとっても心にとっても非常につらい時期ですね
昨今は隣近所との繋がりも薄れていくと同時に身内に対しての繋がりすらどんどんと薄れていっていることに危機感を感じつつ、どうすべきかと考えている私にとって親孝行をしたいという想いを拝見させていただき、寒空の下、朝からとても暖かい気持ちにさせていただけました、ありがとうございます。
「恩」は直接返す以外に送ることも出来ます。
「恩送り」と言いますけれども、父母からいただいた恩をこれから長い人生の中で多くの人にいただいた以上に送っていってください。
恩を送るということは巡り巡ってあきさんのお父様やお母様の元へまた送られてきます、時間は多少かかりますがそれも恩返しなのです。
お父様やお母様も、同じようにいただいた恩を特別多くあなたに送りながら多くの人に送られたことと思います。それもまたあきさんの祖父母に対しての恩返しなのです。
そうして自分の子供が、孫が、曾孫が恩を送り続けるということは曾祖父母よりもっとずっと上のご先祖様まで延々と恩を返すことと同じなのです。
どうぞ今はゆっくりと療養していただいて機会を見つけて恩を送ってあげてください。
もちろんあきさんが笑顔で直接「ありがとう」と伝えることも恩返しですので是非毎日でも言ってあげてください。