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私は何を信用すればよいのでしょうか。

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有り難し有り難し 22

先日、悪いことばかり続いていると相談させていただき、自分の考え方を変えることをアドバイスいただいた者です。

信教は自由といいますが、私は一体何を信じればよいのか分からなくなってしまいました。

私にはもともとこれといった信教はなく、神社にもお寺にも行きます。
この半年以上、悪いことがたて続けに起こり、どうにもならず、なんとかしようとすると必ずから回ってしまう非常に辛い状況が続いています。絶対に何かおかしいと原因を考えたところ、家相に思い当たる節があり、2つの神社で家相鑑定をしてもらいました。すると、家相に関しては2社で結果が違いましたが、現在の家に引っ越した時期と方位が非常に悪く、五黄殺であったことが原因だという点は共通していました。ですが、その対処法については2社で正反対の意見で、その他の内容の回答から、我が家のことをより言い当てた神社の言う通りにしようかと思っていたところ、その対処法は、今すぐ実践できるものではなく、実践しても効果が出るまでさらに一年ほどかかると言われてしまいました。今とても辛い状況なのにそんなに待つことはできません。
一方、主人は幼少より信仰している宗教があり、今回は良い機会だから一緒に入らないかと誘われています。主人や主人の両親、知り合いにも入っている人がいるので安心感もあり、話を聞くとその教えの内容もよく分かります。これまで信仰の違いから夫婦で度々衝突してきたので、今回はいっそのこと私もそちらを信仰した方が良いという天からのお告げのような気もしています。ただその宗教に入ると、神社に行く等他の宗教に関わることがよくないらしく、もし今回、悪いことが続いている状況をなんとかしたいという願いがかなわなかったときに行き場がなくなってしまうのが心配で、なかなか踏みこめずにいます。

教えの内容も理解でき、主人とこれからも仲良くやっていくためにも、主人の宗教を信用すべきか、はたまた私の心配の種を言い当ててくれた神社を信用すべきか、今回の件に関してどうしたらよいか悩んでいます。

また、神社の鑑定いわく我が家は知らずのうちに五黄殺を犯してしまったために災いが起こり続けており、何もしなければ十数年、もしくは数十年この状態が続くそうですが、仏教の世界や一般的にも五黄殺なるものは存在するのでしょうか。ちなみに主人の宗教ではそのようなものは関係ないそうです。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

外道~損得勘定の帳尻合わせ

前回の丹下師の回答をもう一度よく読んでみましょう。

善悪は物事自体にではなく人の頭の中にある。つまり物事の善悪を判断しているのはその時の自分の都合・価値観ということになります。

たしかにあなたのご家庭やご家族に起こったことはあなただけでなく一般的感覚からいっても悪い事ではあるでしょう。

しかしその原因がなぜ家相になるのでしょうか。物事には原因があると仏教は説きます。

善因善果(善い原因が善い結果を生む)、悪因悪果(悪い原因が悪い結果を生む)といいますが、何が善悪かは人にはわかりません。だから仏教徒は仏様の智慧にたずねます。仏様は家相が悪因だとは言いません。

しかし人は自分の価値観が絶対ですから、「自分の思う善い原因は自分の思う善い結果を生まないのはおかしい!逆もまた然り、自分はこんなに頑張ってるのに報われない、あの人はあんななのに得してる!おかしい!」
と考えます。

損得勘定です。自分の損得勘定で善悪の勘定が釣り合わないことに納得がいかないのです。
その勘定の帳尻を合わせてくれるのが外道(げどう)です。外道は仏教以外の教え、苦の原因を自己の外に求める教えです。

あなたが報われないのは家相・方角・時節・呪い・祟り・霊…つまり「〇〇のせい」とささやいてくれます。悪魔のささやきです。
すると人は「それだ!〇〇だ!」と飛びついて納得してしまうのです。自分の中では損得の整合性がつくからです。

そうして気がつけば主体性を失っていきます。〇〇にコントロールされる人生です。それはある意味では楽なのかもしれません。苦の原因を全部〇〇に押し付けてくれるからです。

しかし自分が向き合うべき苦に向き合っていない人生に本当の満足はないのではないでしょうか。

世の中の境遇には色んな事があります。事故・病気・天災…。でもそれは何か、誰かがコントロールしているわけではありません。さまざまな縁(原因・条件・環境)によって起こるものです。
たとえ自分の評価では「悪」としか思えない境遇でも、自分自身の縁として引き受けて向き合っていけるところに本当の満足が得られるのではないでしょうか。

まずはもう一度現実的に様々な心配の種と真向かってみませんか?あなたのせいではなくともあなたのいただいた縁なのですから。

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はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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幸せは自分で作り上げていくもの。

田舎のいも娘さん、こんにちは。

不幸の原因が、方位の障りを受けていると指導されたのですね。
仏教にはもちろん方位の吉凶なんてありません。ただ東洋占術を受け入れることによって、
幸せの一助の方便として使っている仏教が多くあります。
 私も、気学、九星学を学ぶものですが、五黄殺の方位を侵した現象が出ていると不幸の現象が出ているとしか思えない状況はあるものです。
 その逃げ方として、運勢学だけだと、方位によって逃げるという方法を指導します。しかし仏教ではそのようなことをせず、仏教の信仰をして心を鍛えることのによって凶方でも乗り越える方法を教えます。私は後者の立場で指導をします。自分の幸せは方位の吉凶で決まるものではありません。自分で作り上げるものです。しかし自分では生き方の方法がわからないので、信仰を通して心のあり方を学ぶのです。

 ご主人さん方の信仰はたぶん新宗教かと思いますが、もしあなたにとって良いものであれば、一緒にすることも良いでしょう。ただし排他主義の信仰は、自分の生き方を狭める場合もあります。ご主人は子供の頃からそう育ったので違和感がないのでしょうが、あなたは広く寺社仏閣を拝むという信仰を学んでいるのであれば、あなたの価値観に合わず、逆に苦しみになる場合があります。よくよく自分の価値観、信仰観と照らし合わせて、選んでくださいね。他の新宗教だと、夫とぶつかることもあるかも知れませんが、私たちのような伝統仏教の信仰だと、うまく共存できるかも知れません。ご縁があれば私のお寺の信徒でもどうぞ!(笑)。いつでも困ったら相談してください。合掌

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質問者からのお礼

吉武文法 様

ご回答ありがとうございました。
今の状況は苦しい。だから逃げたいです。でも五黄殺と言われていても与えられた縁として受け止めるということですね。
神社では引っ越しをすすめられました。でも主人はお坊さん方と同じ考え方なので引っ越すという選択肢は絶対にないと言います。自分の心を鍛えることで、このまま引っ越さずともこんな私でもなんとか乗り越えられるでしょうか。よくよく考えてみたいと思います。ありがとうございました。

染川智勇 様

ご回答ありがとうございました。
気学の知識もおありなのですね。私は現状はやはり五黄殺の影響としかとらえられなくなっています。神社では引っ越しによって逃げるしか方法はないと教わりましたが、ご回答いただき、心を変えることで乗り越えるという選択肢も増えました。それから私にはやはり主人の排他的な宗教ではなく仏教の方が合っている気がしています。もう少しいろいろと考え、機会があればぜひお世話になりたいと思います。ありがとうございました。

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