祖母の人生と私の人生についてです。
私は、幼い頃から母子家庭で 共に歩んできた母をも中学生の時に自殺で無くしました。その後、祖母と伯父に育ててもらい20歳になりました。母が私に託してくれた遺産で母と約束したとおりに留学をして大学へと進学しました。伯父への恩返しとして、伯父が務めている塾で講師としてのアルバイトもしています。
長年、共にしてきた祖母なのですが近頃は体調が優れないことも多く少し心配です。そんな祖母も83歳になりました。祖母は曾孫を見るまで生きるんだ、長生きするんだと言ってくれています。
ここで、相談なんですが私は家族の生活のためにしているアルバイトと大学の兼ね合いで平日は外に出ているため祖母を家に1人にしています。ふとした時に、寂しいなあと祖母が言っているのを聞いて、私は自分が何をしたらいいのか分からなくなってきました。祖母は、毎日近くのスーパーへ買い物に行き昼寝をして食事を作ってテレビを見て愛猫と戯れるの繰り返しで寂しいのかな、私が家にいないせいかなと自分をどうしても責めてしまいます。
もう、そんなに先が長くないというのも分かってるんですが、この先私が就職をして結婚をしたらもっと祖母が寂しくなるのではと思ったら何だか自分の人生に前向きになれません。どうか、何かアドバイスなどありましたら教えてください。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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1番の孝行は何か?
質問読ませていただきました。
育てていただいた、ご祖母様と伯父様を大切にし、恩を忘れない姿、とても素晴らしく頭が下がる思いです。
それだけに、ご祖母様を少しでも幸せにしてあげたいと思い悩んで、自分の人生を歩むことを躊躇されておられるのですね。心中お察しいたします。
さて、まずわかっていただきたいことは、人の望みや欲望を完全に叶えることは不可能だということです。
なぜなら、欲望というのはどんどん湧いてくるからです。1つのことを叶えると次の欲望が湧いてきます。
仏教では、そういう欲望というのはキリが無いから、今の現状に感謝して足ることを知り、そして気付きなさいと教えるのですが、それはまた別の機会に。
もしくは、同じ一人の人間であっても相反する望みを持つこともあります。
たとえば我が子に対して、「結婚してそれぞれの家庭を構えて、一人前に幸せに生きて欲しい」という思いを抱きつつも、「家を出て行くのは寂しいから、いつまでも居て欲しい」という思いも同時に抱くのです。これは相反する望みですから、両方を完全に叶えることは不可能と言えるでしょう。
このことから、全部を叶えようとするのではなく、何が1番相手のためになるのかを考えることが大切です。
モリノさんのご祖母様の場合でしたら「曾孫を見るまで生きるんだ」という言葉に象徴されるように、モリノさんが一人前になり、素敵な方と出会って幸せな家庭を築くことを心から望まれておられるのでしょう。
83歳というご高齢ですし、ご自身も「いつまで生きれるか分からない」ということは覚悟されておられることと思います。ですからそんな自分のために、モリノさんが自分の人生を犠牲にしたということになれば、それはご祖母様が1番悲しんで自分を責めてしまう事態になるでしょう。
もちろん「一人で寂しい」という気持ちもあるでしょうが、モリノさんが幸せになることが、ご祖母様の1番の幸せであるということは忘れないで下さい。
モリノさんは、大学で勉強してアルバイトをされています。それは自分の人生の為に大切な事でしょう。そして大学を卒業したら就職をしたり、もしくは素敵な人と出会ったら結婚という話にもなるかもしれません。
自分の人生を一生懸命生きながら、その時の状況に合わせてご祖母様にどんな孝行ができるのかを考えていって下さい。
何か少しでも参考にしてみて下さいね。