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精神障害への差別と偏見

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有り難し有り難し 15

実の所、私は精神障害を患っているのですが、
この精神障害に対する差別や偏見に悩む事があり、
その悩みが故に質問させて頂きました。

私は精神障碍者への差別や偏見を感じる時がありまして、
特にニュースでは
犯罪を犯した人物が精神病を患っていると判明すると、
病気と犯罪の因果関係も無いのに報道されたり、
恰も精神障碍者が異常者の様に伝えられたりするのを見かけます。
しかし、精神障害は病気の総称ですので、
当然ながら精神障碍者=異常者ではありません。
なのでニュースの報道は疑問に思う事があります。

私が受けた偏見等も、「気持ちに負けている」や「甘えている」
といったものであり、中には「お前は病気に負けている」や「お前みたくなったら負けた気分になる」とも言われました。
しかし、精神障害は脳の器質変化や機能障害が起こる脳の病気であり個人の性格等の問題ではありませんので、この様な言葉を頂いても
的外れとしか思えません。

どうか精神障害の偏見や差別への向き合い方を教えて下さい。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

どちらも「ラベル」

「病名」も「偏見」も、どちらも現象に対するラベル(貼り付けられたもの)に過ぎません
大切なのは、そのラベルがあなたや周囲に対して「どう役に立つのか」を知り、行動を選択していくことです。

例えば、『「気持ちに負けている」や「甘えている」』というラベル(偏見)は、それを言うことであなたが奮起するだろう(役立つだろう)という思いから出ていると想像できます。
きっと、その人はそういうやり方(言い方)でうまくいった記憶があるのだと思いますが、しかし残念ながら実際にはほとんど「役立ちません」。
一方で、「病名」というラベルはその対処(投薬、心理療法、周囲のサポートなどの環境調整)までを想定することで役立つものとなります。
「病名」が役立たなくなるパターンがあるとしたら、それは「病気だから対処法がないよね」と思考停止してしまうことです。

さて、以上を踏まえてあなたの質問「精神障害の偏見や差別への向き合い方」についてお答えするならば、大きく二つの選択肢があります。

一つは、そんな役に立たないラベル(偏見)にこだわるのは無駄なことだと割り切って、相手にしないこと。同時にすでに理解を示してくれる人を大切にしながら、病気に対する対処法についてしっかりと考えていくことです。

もう一つは、偏見が環境調整や周囲のサポートを阻害するものであるので、その変革のために何ができるかを考えていくこと。大きな視点での活動を考えていくことです。行政や医療が病気のイメ―ジを変えていくために病名を変えていったり、メディアが特集を組んで世間の理解を促したり、個別に丁寧に正しい情報を伝えて理解を促したりといったやり方が考えられます。
(本当はここがとても大切なことですが、大きなモチベーションと労力が必要ですので万人にはお勧めできません)

個人的には後者を選ぶ人が一人でも増えることを望みますが・・・。
ご自身がどちらを選びたいと思うのか、まずはそこから振り返ってみてはいかがでしょうか?

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本立寺の住職をしながら、臨床心理士として医療・教育現場で活動しております。...
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