縁起物を神仏の祭壇に置くことについて
笑い話しのような質問ですが、至って真面目です。
私は大黒様の信徒なのですが、猫が大好きで、偶然かわいらしい「招き猫」の土人形を見かけまして購入。
それを奉納品のつもりで大黒様の祭壇に飾っておりました。
私は気に入っていたのですが・・・
それを見た友人が「大黒さまのお使いはネズミだから、猫なんか置いたら、お使いが逃げちゃうよ」と。
その時は大笑いだったんですが、後から気になってきました。
竜神さんの祭壇に虎の置物を置くと、竜と虎は仲が悪く喧嘩になるので置いてはいけないと風水の本で読んだことも。
当時はお不動さんのお寺では、よくダルマさんが授与されているので、良いんじゃないかな? と思っていたのですが・・・
やはり、祭壇にはあまり縁起物の類は置かない方が良いのでしょうか。
物欲。ひたすら物欲。 余計な好奇心。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
何を置いても「良い」が、その「良い」とは何か?
ご相談拝読しました。
>やはり、祭壇にはあまり縁起物の類は置かない方が良いのでしょうか。
これはどういう意味で「置かない方が良い」と思われるのかが問題です。
仏教的に見るならば、祭壇に何を置こうが、あるいは置くまいが、あなたに良い事も悪い事も起こります。
それはその出来事には原因があって起きているので祭壇は関係ないからです。そしてそもそも「良い出来事」や「悪い出来事」があるわけでなく、その「出来事」の「良い悪いを判断」するのは他でもない「あなた(の都合・価値観)」だからです。
祭壇のお荘厳それ自体によって何かを期待するのでなく、お荘厳を通して教えに触れ、実際にあなたが教えに照らされながら生きることが大切です。
つまるところ、祭壇に何を置こうが関係はないので、そういう意味では何を置いても良いのです。
しかし祭壇に何かを置いたことで悪い事の原因をそのせいだと自分が判断してしう迷いに陥ってしまいそうならばおかない方が良いでしょう。
そういう意味では自分の好きなものを置くというよりも、定められた荘厳や伝統的な方法によるというのが無難なのかもしれませんね。
ですが、せっかくお気に召した招き猫なら大事にしてください。
大事なことは招き猫で福を招くことでなく、招き猫によって福を招こうとしている自分とは何なのか?本当の福とは何なのか?が明らかになることです。
質問者からのお礼
お答えありがとうございます。
つい縁起をかついで、本質を忘れるところでした。
「出来事」の「良い悪いを判断」するのは、けっきょく自分だから、やはり自分で判断するしかないわけですね。
これを機会に、信仰によって自分は何を求めるのか? について考えなおしてみようと思います。