hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

父の孤独死と後悔

回答数回答 1
有り難し有り難し 10

普段は1人で暮らしていた父に、つい先日、孤独死をさせてしまったことを悔やんでいます。
今春から2型糖尿病の治療中だった父は、以前からアルコール依存症気味だったのですが、4月に他界した祖母の死をきっかけにますます酒量が増えていました。
実家から車で30分程の場所に住んでいる一人娘の私が、基本的に毎週末に半日ほど帰宅して、昼ごはんを一緒に食べてから、数日分のおかずを作り置きして帰ってくるという日々でした。

しかし翌週帰ってみても、全く食べていないこともだんだんと多くなり、酒を控えて先に食事をしてねと言っても一日中酒を断たない父を時々面倒に思うこともありました。

いつものように7日の日曜日に訪ねていれば良かったのですが、何となく気が乗らず帰らずにいて、15日に昼にごはんの用意をして帰ってみたら、既に布団の上で亡くなっていました。
蒸し暑かったこともあり、遺体も少し傷み始めていました。

病院での検死で、持病に起因する内因死だということでした。
7日の日曜日に帰って、少しでも一緒にいてあげるべきだったと、いろんな思いが頭の中でぐるぐるしています。

昔から短気で、小さい頃から何度も嫌な思いもしてきましたが、一方で情け深く寂しがりやで、普段は優しい所もたくさんあった父は、息子にも厳しくも優しい良きじいちゃんでもありました。

叔母たちは、ばあちゃんのところに行って今はゆっくりしてるよ、と励ましてくれますが、今まで精一杯の愛情を注いでくれた父が、どんな思いで1人寂しく布団の上で亡くなってしまったのだろうかと思うと、気持ちの整理がつきません。
実家のお仏壇で留守番をしていた祖母のお骨も昨日私の家に連れて帰り、今は我が家のリビングに父と祖母のお骨を並べて、話しかけているところです。

どういうふうに気持ちの整理をしていけばいいのか、アドバイスをいただけたらなと思い、質問を寄せさせていただきました。
どうぞよろしくお願いします。


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

後悔はしないことです。

お父様のご逝去に心よりお悔やみ申し上げます。
さて、このたびのお父様のご逝去に対しては、とてもショックであったと思います。私のお檀家の方でも同じようなことがありました。
まず、お父様は、ご自身でご自身の生き方をされたのだと思います。たしかにご病気でありました。進んだ糖尿病であれば、よほど管理した食事をしなければ、ましてお酒ばかりを飲んでおられたら、それは肉体的には時間の問題です。それもどこかで覚悟の上だったかもしれません。

7日に行く予定が気が進まなかったことで、行かなかったことについても後悔しないでください。むしろお父様からすれば来て欲しくなかったのかもしれません。なぜなら、このまま逝かせて欲しいと願ったかもしれません。
ただ、これは誰にも分りませんし、勝手に想像してもいけないかもしれませんが、私が父ならそう思い、よっちゃんさんへの思いは恨むとかではなく感謝するでしょう。

今は、自宅にお父様と祖母を安置されておられ、ご供養(思いを掛けて)おられるのですから、お父様は、喜んでいると思います。

たしかに人は、いつかは亡くなります。その亡くなる原因は多々あります。お父様はご病気が原因だったかもしれませんが、究極は、人は寿命で亡くなる(肉体が滅びる)のです。
ゆえに、お父様の人生は、お父様自身の人生を今回送られたのですから、今は感謝のみで、嫌だった思いは清算し、良き思い出は楽しく思い出してください。
これが一番のご供養です。

{{count}}
有り難し
おきもち

日蓮宗のお寺で、名古屋市南区にあります。 ”お寺は生きている人のためにも...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

ご丁寧なお返事ありがとうございます。
お返事を拝読しながら、通院や病気と向き合うことを面倒くさがっていた父ですが、今はゆっくり好きなものやお酒を飲んでいるのかなと、少し気持ちが落ち着きました。
本当はゆっくり時間があるにも関わらず、忙しいと理由をつけて、寂しそうな父のところにこまめに通えなかった分、今は姿は変われど家族一緒にいられるので、息子共々父に感謝の思いを馳せながら供養していきたいと思います。
心に沁みる温かいお言葉、本当にありがとうございます。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ