父の癌と私の流産
実の父がが2ヶ月前に胃ガンであることがわかりました。66歳で、まさにこれから老後を楽しもう!としていた矢先の出来事でした。
あまりにも珍しい癌でとても予後が悪いものでした。胃を全摘しましたが、その直後に多臓器転移、播種がわかり痛みが出てきて食事も取れなくなってきて、日に日に衰えていくのがわかります。麻薬系の痛み止めが手放せないほどです。2ヶ月の間にまさかそんなことになるとは思っておらず家族みんなは、あっという間の状況についていけず、ただただ落ち込むばかりです。
家族構成は父、母、娘二人(私、妹)と祖母です。父は婿養子です。
娘二人は結婚して、実家から30分弱のところに住んでいますので週末や時間があるときは二人とも実家に帰ってそばにいますが、なにもしてあげれません。3歳の孫を連れて行ったりするのですが反応も薄く。元気な頃は猫可愛がりしていたほどだったのに今はあまり反応をしなくなってしまいました。なんだかふさぎこんでいるというか、諦めているというか、遠くに行ってしまったような、近寄りがたい感じがして話かける言葉が見つかりません。気分が少しでも紛れればと思いマンガ本を差し入れしたところ、それは読んでくれてるようでした。
この質問から2日後に入院し、抗がん剤治療が始まります。私はこの治療が功を奏するかもしれないからまだ悲しむのは早い!と思うのですが、落ち込んで塞ぎ込んでしまってる父はもうすでに気持ちの部分で負けてしまってる気がします。かといって、私も母も今の父を見てると覚悟せざる得ない状況なので最悪の事態にも一応備えて居ります。父は高卒から65歳まで同じところに勤めて、真面目に働き家のために尽くし娘二人を何不自由なく育ててくれました。いつも穏やかで優しい父です。しかし無口な為普段からほとんど会話はしません。なので父の気持ちがよくわからないのです。それでも父の事は大好きなので毎日父の事を考えては涙が出ます。そして父の癌告知のすぐあと私が二人目の赤ちゃんを流産してしまいました。
それを聞いた父もすごく残念がっていました。私も心と体がボロボロになりました。どうしてこんなに苦しい事が一気に重なるのでしょうか。毎朝起きると辛くて涙が出ます。嫌な夢を見て朝に泣いて起きることもあります。
気持ちの持ち方がわかりません。どうか心のお薬をいただければと思います。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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この世は無常。みんな限られた時間。今を、ありがとうの時間にね
そんなことがあったのですね。。。
ご家族それぞれに、どう受け止め 接して行ったらと、答えが見出せないでいらっしゃると思います。誰かの優しさや、気遣いが苦しくなるときもあるでしょ。
重なる、、、うん そうね。
縁ある人がたくさんいれば、それぞれに起こる不安をみんなが抱えることにもなって、重なる、次々に起こると感じてしまうでしょうね。
この世は諸行無常だからね。受け入れたくないことも、現実に起こってくるわね。
ただね、だからこそ、一人で背負う苦悩を、みんなで抱え支え合うことで、どうにもならんこの世を生きていくことが出来ますよ。共にね。
どうなっていくのかの不安を大きくしていくよりも、今この瞬間に共に生きて家族でいられることを喜んでいけたらいいね。
(私ね、終末期のケアをしているのですが)
本人も家族も、死を考えたり、人生を振り返られたり、それによって いつまでもこんな日が続けばいいのにと涙されることもあるの。私はお側で それぞれの想いを聞かせてもらいながらね〜それだけ大事な愛する人(存在)なんだと伝えよう、涙が出たっていいじゃない。見せたらいけない、笑顔でいなきゃと考えると、みんなが気を遣い合って、頑張り過ぎて、顔が見れなくなる、会いに行けなくなるでしょ。でも、そんな感情は当然の反応なのだから。言葉で ありがとうの感謝が言えなくても、態度を見たら、どれほど愛し愛されているかが伝わるわ と。
だから無理せず、でも大切な この時間を、心配や不安にしてしまうのではなく、ありがとう〜あなたがこんなにも大事〜愛していると、そう伝え合える時間.空間にしましょう。
お父さまの反応も、表情や目.筋肉の動き、読み取れると思うの。あなた方の声も届くわ。手紙を書くのもいい。
安心の居場所の中で、治療が出来るようにね。
お父さまだけじゃなく、私たちは限られた時間を生きています。
この世は無常なのだからね。
みんなが、限られた時間なのよ。
あのとき、こうしてあげれば、こう伝えたかった、そのような後悔がないように。
今を、ありがとうの時間にしましょうね。
あなたの身体も心配よ。
しっかり休めてね。
あなたの中で、確かに生きた命に、あの子に出遇えたことにも、ありがとうを言いましょうね。
私も、あなたの 大切な小さな命に、手を合わせますね。 合掌
前住職のことを思い出します
私どもの前住職のことを思い出しながらそちらの文面を拝読しました。前住職は66歳で亡くなりました。その前の年に胃がんで全摘しましたので、身につまされます。
抗がん剤治療の時のことも思い出されます。辛そうにしていました。当時としては珍しく在宅で看取り、終末期にはモルヒネを用いました。
だから、今のお気持ちはたいへんよく分かります。何かしてあげたいけど、何ができるかというと非常に限られていますよね。少しでも楽しめるようなことや、本人が喜びそうなことを考え、やってみました。どうも皆さん、同じことをしているようなのですが、ビデオで録画したものを見てもらったり、本人が会いたいであろう人たちに来てもらったりしました。
三か月間ほどは口から物を食べられなかったし、中心静脈栄養を用いましたのでその間はお風呂にも入れませんでした。だからこそ、なるべく他のことで楽しんでもらおうとしましたが、体力がないのでかえってこちらの思いが空回りした面がありました。誰かに来てもらうのも、衰弱した姿を見せたくない相手もあり、人選みたいなものにも神経を使いました。いま思い返すと、本人が安楽に過ごしてもらえるようにするのが一番だったかもしれません。
暗い話ばかりですみません。抗がん剤治療は辛いですが、化学療法は日進月歩の勢いで進んでおり、前住職の頃よりずっと大きな効果が期待できるようです。体調がよくなれば、活気が出てきて意欲が湧きお孫さんを慈しむお気持ちにもなられるかと思います。ご家族が希望を失わないことは、何といっても必要です。抗がん剤治療の後は辛いと何度も書きましたが、どうか御父上の苦痛が少なくなり、症状が改善されますよう、遠くからですが願っています。
末筆ながら、私はどうしたら本人(ここでは病者)にとってベストなのか、という視点でものを考えます。この点で、あなたがいまお感じになっている苦しみや悩みにまっすぐに答えていないかもしれません。もし、そうならお許しください。
質問者からのお礼
藤岡様
私と同じような体験をされてらっしゃるので気持ちに寄り添ってもらえた気がして、心が安らぎました。本人の安楽が一番、本当に今そう感じます。父が心穏やかに過ごせるように支えてあげたいと思います。ありがとうございました。
中田様
まさに今、母、妹、私が同じ苦しみを抱えあって、励ましあって1日1日を乗り切っている感じです。みんながみんなそれぞれ気を張ってお互い辛い顔や涙を見せまいと耐えています。でもその気持ちは父の前では出さないにしろ、母や妹には吐き出しても良いのかなと思えてきました。なんだか少し楽になれた気がします。そしてこれから父には感謝の気持ちを込めて寄り添い支えてあげたいと思います。私体のこともお気遣いいただきありがとうございました。