父を亡くした彼女にしてあげられること。
私には、半年ほどお付き合いしているまだ未成年の彼女がいます。その彼女の父が先日、病気のためお亡くなりになりました。それ以来、彼女は度々喪失感に襲われるようになり、何かにすがりたいと思うようになりました。
私は、彼女に対して何かしてあげられないかを考え、学校の課題を手伝ったり、送迎をしたりできる限りサポートをしています。
サポートをするにあたって、彼女から頼みが1つあると言われました。それは、父が生前吸っていたタバコが吸いたいので買ってほしいというものでした。しかし、彼女はまだ未成年で喘息持ちということもあり、さらに病気になるリスクが上がるタバコを買い与えてしまうのは良くないと思い、その場では否定してしまいました。彼女は彼女なりに、亡くなった父にすがりたいと考えていたため、一時的にするつもりだから吸いたい、買ってくれないなら他の人に頼むと言われてしまいました。
私としては、彼女の気持ちがわからないので、買ってあげたい気持ちも山々なのですが、気持ちがわからないからこそ一歩引いて冷静にかんがえてあげるのが自分のできることなのではないか、それが僕なりのサポートなのではないかと考えました。
現在もう少しだけ時間が欲しいと伝え、色々思考を巡らせているのですが、行き詰ってしまいました。そこで、私はどういう行動をとるべきなのでしょうか。タバコを与えるという選択肢以外に道はないのでしょうか。
僕ができることが何かわからない。何が正しいのかわからない。
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たばこを吸うのはよくありませんが
彼女の悲しみを受け止めてあげられないもどかしさに苦しんでおられるのでしょう。どうしてあげようもない無力感というか、それは私も常に感じていることなんです。
さて、たばこを買ってきて、といわれる。身体に悪いし未成年だからいけない、と断る。そりゃそうですよね、というやり取りです。私も以前はたばこを吸っていましたから吸わないに越したことはないのはよく知っています。
ただ、そういうことじゃないはずなんです。お父さんが吸っていたたばこを買ってきてほしいのは何故なの、と問いかけて、問いのなかからたばこを買ってきてほしい、吸いたい、という言葉がどんな思いから発せられているのかを一緒に考えていくのが大事なんでしょう。その言葉そのものじゃなく、その言葉の奥にあるものを一緒に探していく、というか……。
私自身を例にとりますと、よく「死んだらどうなるんでしょうか」と問われます。これに対して、「死んだらどうなるとお考えですか」と問い返します。少しずつ問いを深めてもらうようにしますと、当然といっては語弊があるかもしれませんが、いま生きていることに対する具体的なまたは漠然とした不安に行き着きます。漠然とした、といってもある程度の輪郭まではつかめるような漠然です。
たばこの箱を見ることで、またたばこの臭いを嗅ぐことでお父さんとつながっている感覚を得たいとのぞんでおられるのでしょう。買ってきて、火を点け煙の臭いを嗅ぐだけでも厳密には健康に害があるわけですが、小道具としては用いてよいものと思います。煙草にまつわるお父さんとの思い出などを語り合い、話すなかから彼女の心の奥にあるものを彼女自身が何であるか感じられるよう寄り添ってあげてください。
質問者からのお礼
貴重なご意見ありがとうございます。
仰る通り確かに、タバコを買い与える与えないではなく、本人の気持ちの奥底にあるものを何か探って、一緒に寄り添うことが一番大切なことだと再認識しました。また、小道具としての利用方法も新しい視点でした。段々と頭の中が整理されてきました。本当にありがとうございます。