hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

生きることがとても怖い

回答数回答 2
有り難し有り難し 36

私は今、公務員の勉強をしているのですが、世間体に流されたまま就職することに物凄く恐怖を感じています。
私が高校、大学に入っている間に、電通の自殺事件が起こったり、過労で父が倒れたり家庭が回らなくなったストレスで父と母が離婚しかけたこともあって、元々働くことに若干の抵抗はあったのですが、大学に入って、労働の搾取や日本の働き方の現状といったことを学んだことや、自身の価値観が大きく代わり、よく言えば意思が強くなり、悪く言えば人間味が消えてきたこと(母から言われました)そして何より、限界を超えて人を飼い殺す扱いする企業や行政機関が未だ数多く存在するということがきっかけで、世間体の望むまま社会の歯車になることが凄く怖くなってしまいました。

怖いのは、他人に、社会に、大いなる意志に飼い殺されることです。望まない生き方を押し付けられることです。

もちろん、日本の労働環境は悪いことばかりではないのは分かります‥けど、今まで見たものがそれを肯定することを許してくれない。

今、公務員の勉強をしているのは、自分が死んだら両親が泣くだろうというなけなしの人情でかろうじて現世に引き止められているからです。でも、将来地獄を見ることを考えると、こんな人情捨て去りたいとも思っています。
正直に言うと、私は今自分の未来に求めるものはないです。
普通の人が求める伴侶や地位、富といったものへの興味はもはや無くなってしまいました。夜11時に寝て、朝6時に起き、朝、昼、晩御飯を食べる、そうした生活を20年弱続けられたこと、たったそれだけの事実でとんでもない充足感を得られています。明日死んでも、後悔はないです。だからこそ、自分を必要もないのに現世に引き止めようとする人間関係や自分の人間性を捨て去りたいとも思っています。

なのに。

死ぬことが怖くないはずなのに、毎日食べるご飯があまりにも美味しい。起きてカーテンを開けた時の日の光があまりにも美しい。授業の片手間に読む本の内容があまりにも趣深い。
こんな感じで、体が生きることをやめてくれないんです。地獄だと思い込んでいる、あるいは地獄そのものの場所・未来に猛進するのをやめてくれないんです。

とても怖いです。

正直なところ、自分の負の部分をお坊さんに押し付けるのも心苦しいのですが、どうか、死ぬ前に拙い話を聞いていただけると幸いです。


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

あなたの知らない世界が、まだまだいっぱいあるんだよ。

じゃ、なぜ公務員になりたいの?なるために勉強をしているの?社会、国のために、労働していくと思うと、どんどん苦しくなるよ。
(私も今の世界情勢や、国の政治を思うと、とても希望が持てないし、次の世代に負わせる責任を、どうすることもできなく無力感だよ)

ただ、それぞれに、今立っている場所で、精一杯に生きたいとも思うの。
絶望ばかりじゃない、その中で力強く生きている人を見ると、子ども達の笑顔をみると、自分に出来ることがあるんじゃないかと。

今まで何をやってきたのか、
何もやらないまま、嘆いて終わっていいのかなって。
それに、私には揺るぎない信仰があるからね。それも、背中を押してくれる。踏ん張れる力になっているの。

あなたの人生の中で見てきたものがあるでしょうが、その不安がそのまま あなたに訪れるわけでもないわ。あなたも、同じ道を辿るわけでもない。
この世は常に変化しているわ。
だったら、あなたの想いも、変化していく。
いろんな影響を受けながら。

どうせなら、公務員じゃなくてもいいじゃない。人生一度きり。やりたいことに時間を使い、やりたい仕事や やりたい活動に身を置くのもいいんじゃないかな。

あなたの知らない世界が、まだまだいっぱいあるんだよ。
そこに素晴らしい出会いや、素晴らしい刺激があるのだとしたら、今ここで人生の幕を下ろす必要はないんじゃないかな。

{{count}}
有り難し
おきもち

はじめまして(*^^*) 中田みえです。 教善寺 住職として、母親として...
このお坊さんを応援する

一息ついてみると

拝読させて頂きました。
あなたがこれからの未来について悲観してしまうことも無理からぬことのようにも思います。これからどの様に生きているのか、生きていかざるを得ないのか、考えてしまいますよね。社会人として社会の組織の一部として生きていくことにも不安そして恐怖感を覚えるのもよくわかります。今あなたは無理にその中に自分を押し込んでしまおうと、そう生きねばならないと思っていらっしゃるのでしょう。一生懸命に勉強なさっていらっしゃるでしょうけども一度一息ついてみることも必要かとも思います。
あなたのお言葉の中で「死ぬことが怖くないはずなのに、毎日食べるご飯があまりにも美味しい。起きてカーテンを開けた時の日の光があまりにも美しい。授業の片手間に読む本の内容があまりにも趣深い」。このお言葉の中には様々な息吹を感じますし、可能性も感じます。
世界はあなたの前には本当に開かれています、自然や環境はあなたに沢山の光を降り注ぎ、沢山の恵みをあなたに与えているのです。
ふと閉塞感を感じることがあるかもしれませんが、その外側にはおおらなあまたのものごとや人々があなたを包んでくれているのです。
私は昔大学を卒業してから海外に行きました。バイトでお金を貯めて就職しませんでした。その中で今でもよく思い出すのがネパールのポカラという町にいた時、安宿で朝を迎えて窓からキラキラした朝日が注いで来ました。窓開けて外を見ると湖には少しずつ朝日が降り注ぎ、その向こうにはヒマラヤ山脈のK2という世界2番目の山から朝日が少しずつその姿を現していき一刻一刻その光によって様々なもの達に降り注ぎ、虹色に輝き恵みを受けている光景です。
その時私は沢山のものに囲まれて恵まれていることを心から実感しました。私はバックパッカーで失業者でした。ですから明日をも知れない状態でした。
翌々思い出し改めて考えてみれば、今でもあの時の様な日の光がいつでも私達に降り注ぎ、豊かに植物が伸びゆき、あまたの生きものが育まれています。
息が詰まってしまいそうになったならばふと一息ついてみて、ゆっくりと周りを見回してみてはいかがでしょう、自然環境の中でゆっくりと呼吸してみましょう。あなたには沢山の素晴らしいものを感じることができるでしょう、そして閉塞感から解き放たれることができるでしょう。
有難うございます。又ぜひあなたのお気持ち聞かせて下さいね

{{count}}
有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

ほかの方々のお悩みが多々ある中御回答頂いた御二方に深く感謝しております。
御二人の簡単なプロフィールを見たのですが中田さんもアズマさん(?)も、先行きの見えない世俗の中で長く力強く生きてきた方だからこそ、血の通ったお言葉をくださったのかなぁと勝手ながら思わせていただきました。
まだ全てを解決できる自信はないですが、御二方の言葉を噛み締めて、改めて私が納得できる魂の燃やし方を考えてみたいと思います。万事が上手くいく世の中ではありませんが、御二方がこれから先もつつがなく過ごされることを切に願っております。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ