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この先の不安

回答数回答 1
有り難し有り難し 7

こちらのサイトの回答を見て、いつも前向きな気持ちにさせていただいています。
ありがとうございます。
今回は私の不安について御知恵をいただけると幸いです。

来週に甲状腺癌の手術を受けます。
癌が進行してしまっているので、かなり大掛かりな手術になるようです。
気管支にも転移が見られるため、気管支の一部を切除し、しばらくは喉に穴を開け、カニューレというチューブを入れての生活が待っています。院内のコロナウィルス感染予防のため、入院中は一切家族とも会えません。
とても情けないのですが、家族とも会えず、病を乗り越えられるか不安でたまりません。強い不安感が日に何度も襲い、身体に悪いと分かっていても夜は眠れません。
現在会社員で、幸い会社も私の病気に理解があり、先ずは私の病を治す事が第一だと言ってくれていまが、日常から一人取り残されている気分です。
どのような心構えで今回の入院に臨めばよいでしょうか。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

いただいたご縁を

前回のご相談とあわせて拝読致しました。まずはお見舞い申し上げます。

さて、申し訳なく恥ずかしいことに、病の前にはただの一人の人間である私は無力です。さらには僧侶としてあなたの不安を取り除くことが出来るかというとそれもままならないでしょう。

しかし、もしもあなたが信仰というものに出会うとしたら、仏様に出遇うとしたら、それはいつでもどこでもあなたを支えるものとなるとも思うのです。

私は浄土真宗です。あなたの家のご宗旨やあなたの個人の信仰は尊重しますので、あくまでも私の信仰の味わいとして書かせていただきます。あなたに強制するものではありません。

浄土真宗のご本尊は阿弥陀仏という仏様です。阿弥陀仏は「いつでもどこでも誰」でも、具体的には『「あなた(私)を」「今」救う』とおっしゃる仏様です。

私もとある手術を受ける時には南無阿弥陀部とお念仏申しました。良い結果を願いました。しかし結果は思う様なものではありませんでした。

阿弥陀仏とは私の願いをかなえてくれるという仏様ではありません。でも「願うな」とも言いません。私の在り方に条件をつける仏様ではないのです。

私が個人の願いをしようがしまいが、その願いが思う様になろうがなるまいが、それらに関わらず『「あなた(私)を」「今」救う』とおっしゃる方です。

その仏様の願いを聞かせていただくことが浄土真宗の信仰です。私の願いを仏様にかけるのでなく、私にかけられた仏様の願いを聞くのですね。

浄土真宗の真宗大谷派に鈴木章子さんという方がおられました。この方は42歳の時に癌の告知を受け、それからそれから逝去されるまでの約4年間、南無阿弥陀仏の信仰の中で自らにいただいたご縁を全うされていかれた方です。

検索すると色々出てきますが、例えばその信仰の味わいは下記のようなものです。

https://www.shin.gr.jp/hogo/2013/07.html

https://www.higashihonganji.or.jp/sermon/radio/detail36_04.html

病の縁がととのえば病になっていく者が私たちです。「こんな縁いらない」と言えればいいのですがそうもいきません。いただいたご縁を全う出来た時、それがどんな結果であろうと人は虚しくないのかもしれません。

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有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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質問者からのお礼

法覚寺  
吉武文法様

御回答いただき誠にありがとうございました。
なかなか不安は消えませんが、癌という縁を受け入れて日々過ごしたいと思います。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ