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吐き出させてください。

回答数回答 1
有り難し有り難し 9

今年8月に子供が産まれます。女の子と判明しました。ほぼ確定です。
女の子とわかってから気持ちが落ち着きません。
何の根拠もないのに、私が兄にされたように産まれてくる娘が被害に遭わないか、突然不安に襲われています。
夫はすごく信頼できる人なので安心して出産に向かってきていたのですが、もうすぐ産まれる、と現実的になってくると不安になってきました。
妊娠中でホルモンバランスが崩れてるからそんな事考えてしまうんだろうなとは思います。
今、夫は父親になることをとても楽しみにしていて、家事も率先してやってくれて、すごくいい夫です。
兄とは違うとわかっていても同じ男というだけで怖くなる時があります。
結局私はこうやって一生忘れる事も許す事もできずに死ぬまで苦しまないといけないんだと思い知り、絶望感でいっぱいです。
幸せな気持ちであるはずの妊娠中なのに、私はいつも普通でいられない。
夫以上にいい夫は居ないと思うくらいに信頼している夫なのに、疑ってしまう自分が恐ろしいです。自分の気持ちなのに何が本当で何が嘘なのかわからない。
こんな気持ちのまま出産まで居られない。
衝動的に産まれるまでに逃げようと考えてしまいます。夫からも、私の知るすべての人から逃げたい。
誰にも言えず相談できず苦しいまま毎日過ごしています。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

複雑さを抱えていこう

再びのご縁をいただきました。お気持ちをお聞かせいただきありがとうございます。

もうすぐ出産予定なのですね。楽しみも不安もあることでしょう。過去のことがあるのですから不安が大きくなるのも当然だと思います。

色んな気持ちの中でこれが本当でこれが偽物とか、これが正しくてこれが間違いなどということはありません。

どんな気持ちであってもその時あなたがそう思い、そう感じたというあなたの大事な気持ちです。

「こうあるべき」という基準で他の気持ちを裁かなくてもよいのです。ご主人を疑ってしまっても良いのです。

その不安や疑いはあなたが親となり母となるからこそのものでしょう。生まれてくる命を守るということでしょう。

そしてご主人も同じく親となり父となります。そうしたらあなた方は夫婦から家族になります。

お互いに疑わないのが家族ではありません。疑いすらも共有していけるのが家族ではないでしょうか。

どれもあなたの本当に気持ちなのですから話してもよいように思います。

「あなたをすごく信頼している。でも同時に過去の事から疑いの気持ちも持ってしまう。そうすると全てから逃げたくなってしまう。」

あなたのその気持ちを受け止めて、ご主人はパートナーとして父親としてより成長するのではないでしょうか。

もちろん最初からそう上手くはいかないかもしれません。反発や悲嘆もあるかもしれません。
でもそうした摩擦が実は家族としての熱(あたたかさ)を育むのです。言わない方がいいと黙っていたら摩擦は起きずとも熱も生まれません。

お兄様を許せなくとも(許す必要もないと思いますが)、ご家族を許せなくとも、男性不信を捨てれずとも、それでもあなたち家族の幸せは成立すると思います。そう願います。

人間は複雑です。矛盾が同居する。矛盾を矛盾のままに抱えていけるところにあなた方の家族の形ができてくるのではないでしょうか。

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はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
基本的には平日13時~15時のみ対応可能です。お寺の行事、急な法務で対応できない場合もあります。

質問者からのお礼

吉武文法様。
ずっとお礼を言えず、申し訳ありませんでした。
すぐに読んではいたのですが、あの時は何故だか頂いた返信が何度読み返しても理解できず、理解出来ていないのに少し腹立たしく感じていました。
どの言葉に腹が立つのかも自分でもわからず、混乱していました。なんだか突き放されているような感覚になって何もお礼を書かずにいました。せっかく時間を割き、言葉をたくさんいただいていたのに、申し訳ありませんでした。

あの後、無事女の子出産しました。
もうすぐ1歳になります。
最近は気持ちも落ち着いて生活出来ていて、ふとここを思い出して
頂いていた言葉を再び読みました。
あの時、なぜあんな気持ちになったのか、
今読むと、そのままの私でもいいんだな、と思えました。
私だけが悩みを抱え、矛盾に苦しみ、もがいていると思っていたのだと思います。
多少の差はあれど、みんな同じようなものなのだと思うようになりました。
妊婦だった事もあり、当時はとても不安定だったと今思えます。
そんな時にここで吐き出せたのはありがたかったです。
本当にありがとうございました。

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