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好きなことすら習慣化できないです

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有り難し有り難し 8

昔から物事を自主的に長く続けられた試しがありません。計画的にこつこつやる、ということが出来ず何かと後回しにしがちです。

趣味で小説を書いています。ネットで公開したり、同人誌を作り年に1〜2回イベントに参加しています。
最初の何年かはそこそこ順調にやれていました。同人誌作りという慣れないことへの慎重さもあったからだと思います。
しかしこうした活動を続けているうちに、元々の悪癖が出始めました。適当な塩梅にする加減を知ってしまったことで原稿の執筆を後回しにし、〆切直前に慌てて書き上げて入稿。次の本こそはスケジュール通りにと次回のイベントを定めるも、前回はあれくらいで何とかなったしと執筆に取り掛かるまでがまた遅れ出す……という悪循環にはまりました。

あの時さっさと書き始めないと間に合わなくなることは分かっていたのに、それでも手に付かなかった。集中できなくて、ちょっと書いてはやった気になって後回しにしたと、〆切前に半泣きで連日徹夜をする羽目になります。
そうなってくると執筆自体がなんとなく面倒くさいことに思えてきて、〆切のない作品を進んで書くことまで減ってしまいました。ではやはり〆切を作れば、とイベントに参加するとまた悪循環が始まる。

恐らく、物事を習慣化できない自分は、自主的に計画的にこつこつやらなければならない小説には、一番向いていない人間でした。
ですがこうして10年もだらだらと続けてきてしまったので、また書き始めた頃の楽しさを味わいたいという未練があります。それにもし、今度こそスケジュール通りに執筆できるようになれば、他のことだって習慣化できるようになるかもしれないという漠然とした希望もあります。こうしたことを何となく望んでいることもやっぱり良くないのかもしれません。

人が初心に帰るためには、どんなことをする必要があるのでしょうか。この三日坊主で面倒をすぐ後回しにする性質を直すことは、やはりもう無理なのでしょうか。

同人現役者にこの手の話をすると、しばらく遊んでやる気が出た時にやればいいじゃんとか書き始めればなんとかなるみたいな流れになりビール追加で終わってしまうので、しょうもない話ではありますが良ければ助けていただきたいです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

読者が楽しみにしている

拝読させていただきました。

〆切などを迫られ、慣れてくると迫れるプレッシャーより逃避したくなることは誰にしもあることと存じます。

初心に戻ることはとても難しいことでありますが、初心と捉えるのではなく、新しい気持ちで挑む心構えを持つことが大切とも感じます。

ある商店の入口に、このようなことが書いていました。
「本日、開店の気持ちでお客様をお迎えします」
そのお店は、何十年も経営している商店ですが、初心に戻れないけど、今日が開店なんだという気持ちで商いをする心構えは素敵だなと思いました。

葉子さんは執筆者でありますことから、読者がおられ、見えない向こう側に楽しみにしている人々がいます。
誰しも目の前に見えるものの期待に応えれることは分かりやすく、行動にも移しやすいものであるかも知れません。

一度、小欲知足を思い出され、執筆できることの有り難さ、〆切をと言ってくれる出版社様などがおられる有り難さを、心静かに過去を少し振り返り、今できていることがとても有り難いという喜びを噛み締めていてはどうでしょうか?

お寺というものは、本来は都会や町などから外れた場所にあるのが、元々の始まりです。竹林精舎や祇園精舎など。
これは、お釈迦さまが町の近くにいては、煩悩に勝てず、修行の身にならないことも由来しています。
誰しもが持つ煩悩から離脱させる方法は、いわゆる断捨離というテレビを付けない、友人から誘われても断る勇気をもつなど、わたしの作品を楽しみにしている読者がいる。どこに力を入れなければ、執筆内容にも不安が生じていくこともあるかも知れません。

どうぞ、参考にならないかも知れませんが、素晴らしい作品を描かれれますことをご祈念申し上げます。

合掌

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有り難し
おきもち

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質問者からのお礼

ご回答ありがとうございました。
少し時間をいただきましたが、自分なりにいろいろと考えることもできましたので、お返事を書かせていただきます。

まず、飽和していた悩みに対して落ち着いた言葉をかけていただいたことで、自分の気持ちも少し落ち着けられたように思います。その上で物の見方や受け止め方を変える切っ掛けにできそうなお話に、何度かはっとさせられることもありました。
「初心と捉えるのではなく新しい気持ちで挑む心構え」や「今できていることが有難い」ということ。昔はできていたのにと考えて現状から目を逸らしたくなってしまったり、次こそはと先のことに捉われると足元をしっかりと見つめることができない自分にとって、とても必要な考え方だったように思います。
今現在、自分が置かれた環境や与えられているものを意識するようにすると、あれこれ余計なことに思いを巡らせて足踏みすることもなくなりますし、今この時間を無駄にしないようにと前向きになれる気がします。それはこれまでのようなプレッシャーや現実逃避とは少し違うもので、心地よい緊張感のようにも感じています。

この質問を投稿した日から、また小説をひとつ書き始めています。
回答で背中を押していただいたこともあり、今のところは(普段に比べれば)逃げずに取り組めていると思います。劇的に自分を変えることはできないでしょうが、まずはこの作品をきちんと完成させるために現状と向き合ってみます。

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