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認められる人になりたいです

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はじめまして。
長くなってしまいますが、現在に至るまでの経緯を書かせてください。
私は数年前に心を病んでしまい、そのときは死にたいとまで思っていました。原因は過去に積み重なった劣等感もあるのですが、大きく原因となったのは人間関係でした。当時行く先々で人間関係が上手くいかず、酷い時にはいじめやパワハラを受けてしまいました。「あなたは人と関われない人だ」「あなたといると大変」と言われてしまい、今までは大きなトラブルもなく「あなたは優しくていい子」と言われて育った私にとってそこの人間関係でのつまずきは大きく自信を失う出来事でした。
そこから自分が変わってしまったように感じています。酷く自分に自信を持てなくなってしまいました。心を病んだ時期と就活をしなければいけない時期が被り、言い訳になってしまいますが就職ができませんでした。その後、一度契約社員として働きましたがオフィスにいることが辛くなってしまい1年で退職。またアルバイトに戻りました。
当然恋人もいないし、今まで出来たこともありません。友人や知人で結婚する人もいる中でその話を耳にするたびに、私なんか一生誰にも愛されないのではないかと不安で涙がでます。
一生懸命に働いている人、私と同じアルバイトでも夢を持って頑張っている人を見ると、こんなちゃらんぽらんな私は価値がないんだと思ってしまいます。こんな恥ずかしい今の自分を見せたくないからと、過去の友人とは連絡をとれず、私は死んだと思ってほしいとさえ思います。
正直消えたいとまで思う時があります。

そんな中で、私の心の支えになってくださってる方(Aさん)がいます。Aさんは私とは真逆で明るくて、人見知りもせずお話が上手で、結婚されて幸せそうです。職業は伏せますが沢山の人を笑顔にできるような方です。
心のどこかでAさんに認められたいといつも思っていて、自分と比べ、それがまた苦しいです。
本当は私も、何か自分が打ち込める仕事や事柄を見つけて人の役に立ちたい気持ちはあります。Aさんのように価値のある人間になりたいです。でもどうしても心にストッパーがあるように上手く動くことができません。どうしたらいいんだろうとずっと悩んでいます。

散文になってしまいましたが、何かアドバイスをいただけたらと思います。
私がこの状況を脱して認められるような人間になるにはどうしたらよいのでしょうか。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

お天道さまの光は、どのいのちのもひとしく届いている

 まいさん、お早うございます。「人間の価値」がまいさんの大きなテーマになっていますね。
 ところでまいさんは、今日お天道さま(=太陽)の光を見ましたか。これまでも、たくさんお天道さまの光を受けてきましたね。思い出してください。お天道さまの光は、学歴の高い人だけに当たっていますか。年収が多い人だけに当たっているのでしょうか。まいさんもお気づきのようにお天道さまの光は、学歴の有無や年収の多少、職歴の内容、性別、国籍などによって照らす対象を分け隔てすることはありませんね。どの人にも、どのいのちにも等しくその光は届いていますね。

 私たちは、小さな頃から親や周りの大人・世間の価値観が刷り込まれ、「学歴は高くないとダメ」「仕事がバリバリ出来ないとダメ」「年収が多くないとダメ」「元気でないと」「美しくないと」「健康でないと」というように、いのちそのものの尊さではなく、付加価値の多少によって人間の価値を見てしまう癖が、知らず知らず染みついてしまっているのです。
 仏教は、現代の日本においてお葬儀・ご法事の道具のように受け取られていますが、本来は人間の価値観を転換する働きを持っています。仏教は、人間の染み付いた癖(=先入観)を気づかせ、そこから一旦離れて自分や世間を客観的に見つめるきっかけを与えてくれます。お釈迦さまの教えから学ぶ時、「本来私たちは、人間として生まれてきたこと、多くのいのちに生かされて今を生きていること、そのことだけで充分尊い」と気づきます。

 世間は区別・優劣・分別・差別の場だけど、「本来私は、誰とも比べる必要のない尊さと輝きをそなえていたのだ(=天上天下唯我独尊)」といういのちの事実に気づいてください。そして、その事実をいつでも思い出してください。そうすると、自分自身の捉え方や日常の見方に、少しずつ変化が出てくると思います。「生まれてきてよかった」「生きていていいのだ」ということに自信がもらえると、「その私に今何ができるか」と考え行動する気力が生まれてきますよ。

 相談を寄せていただき、有り難うございました。このハスノハは、これからも応援しています。

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1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。実家の西福寺で中高生を主体とする「るんびに太鼓」に所属、演奏・指導経験を通して、「人は、支えられてこそたくましく生きてゆける」と体感。青少年よみがえりの場「短期るんびに苑」にも関わる。   平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。ご法話や講演などをご希望の方は、遠慮無くお声かけください。  グリーフケアアドバイザー1級 発達障害コミュニ ケーション初級指導者 つどい・さんあい運営委員
ご相談時間はご希望をいくつかお知らせくださいね。 ◆「絵本のお坊さん」として、絵本を通じて人生を見つめ直す活動を行っています。◆死別、離婚、退職、不安など、様々な喪失を抱える方のお話に寄り添い、仏道の教えを分かち合いながら心を癒すお手伝いをしています。◆資格:グリーフケアアドバイザー1級、発達障害コミュニケーション初級指導者。

質問者からのお礼

生きている自分の命は比べるものではなく特別なものだとう意識が欠けていたと気づかされました。
どうしても人と比べてしまう癖や、誰かに認めてもらうことを重視してしまう癖は、すぐに全て消えるわけではないと思いますが、まずは自分で自分自身を認めてあげられるようになりたいと思いました。
ご回答ありがとうございました。

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