ある人の死、この世界で生きる意味
つい先日、ある若い俳優さんが亡くなってから喪失感と共に考えこむようになりました。
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彼はちょうど私の青春時代を代表する俳優さんでした。
初めて人の死に言葉では表せない感情を持ちました。
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人間を含め、生き物が必死に生き継いでいく意味が分かりません。
他を殺し、その命を頂いて、そこまでして生きて何になるのでしょうか。
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テレビでは朝から夜まで故人(俳優さん)の話題で沸騰しています。
母はずっとその関連ニュースやワイドショーを神妙な顔つきで見ています。
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それがとてつもなく気持ち悪いです。
言い方は悪いですが、メディアも親もエサに寄ってたかって群がるようで嫌悪感がします。
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自ら命を断った方の過去から全て掘り起こし、それについてコメントする。
テレビでその会話をして見せ、またそれを見る必要がありますか。
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私は連日のメディアや一部の人々の様子に気持ち悪さに似たものを感じ、心身ともに影響が出ています。
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私はこの綺麗とは言えない世界にこれからも生きたいとは思えなくなりました。
死にたいとも思いませんが、なんというか、どちらでもいいです。
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亡くなった彼の気持ちが理解できたとは言えませんが、
なんとなく少しだけ分かった気もします。
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真面目な人が生きにくく、
他人を変えることができない、
だから自分が変わることしかできないこの社会で、生きる意味はなんですか。
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自ら命を断つことは最も惨いと思う一方で、自分で自分の終わりを決められる唯一の方法とも思います。
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うまくまとまってはおりませんが、
この世界で生きることに対しての疑問です。
どうぞよろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
生きる意味って難しいですよね
拝見いたしました。
未熟者ゆえに正解は与えられませんが、考えるきっかけにしてください。
世界で生きる意味ってなんなんでしょうね。
フランスの哲学者、ジャン=ポール・サルトルは「本質は実存に先立つ」という名言を残しました。
小難しいですが、意外と簡単です。
人間は、存在する理由があって生まれてきたのではないということです。
ハサミが存在する理由は?物を切るためです。切るために生まれてきます。
ボールペンの存在理由は?書くためです。書けなくなったら捨てられます。
存在する理由(本質)があって、生まれてきます。
人間はいま確かに存在していますね。
では人間の存在理由はなんでしょうか。
なんのために生まれてきたのでしょう。
何を失ったら、人間はいらなくなるのでしょうか。
人間は存在が先立ちます。
気付いたら、この世に生まれてきています。
与えられた存在理由とか、生まれてきた理由なんてないんです。
『人間は存在理由よりも先に生まれている。だから人間は自由で、生きる意味は自分で見出せる』
そんなことをサルトルは伝えました。
誰にも当てはまる固定的な生きる意味は、ないと思います。
綺麗じゃない世界でも、楽しく生きている人たちがいます。
綺麗な世界でも、水が綺麗すぎて住めない魚がいるように、どこかで苦しんでいる人もいます。
この世界はひとつの綺麗な色で描かれていません。
綺麗な色も汚い色もそれぞれあって、さらに濃淡も異なっているような、そんな雑多な世界です。
メディアの取り上げ方だと、汚い色が目立ちますが、綺麗な色もあります。
自分が好きな色の世界で、生きていけば良いんです。
亡くなった俳優さんは私も好きだったので残念です。
ですがそれは彼の選んだ世界、人から評価される世界で生きた結果です。
結果だけで意味は見出せません。
料理も恋愛も人生もスポーツも、結果ではなくプロセスが意味を与えます。
最後の結果がどうであれ、活躍時には彼なりに意味を感じていたと思いますよ。
メディアで大きな波を作って、色を塗り替えるのもよし。
小さな世界だとしても、悠々自適に楽しく生きていくのもよし。
汚い世界だけど、それを受け入れて楽に生きるのもよし。
世界は一つじゃありませんし、変化していきます。
結果ではなく、その変化の中で感じる全ての過程が、生きる意味である。
私はそう思っています。
質問者からのお礼
石井さん、夜遅くに回答していただき本当にありがとうございます。
現実的でありながらも温かい内容に、心が揺れる思いです。
生死について、また彼について様々な思いが巡り、涙が溢れ、数日間何とも言えない気持ちが続いています。
このタイミングで偶然ではありますが、ハスノハと石井さんに出会い、新しい別の考え方を知ることができた事に感謝します。
別の世界で生きたいと思う時まで、この世界で自分なりに生きようと思います。