母を死に追いやった罪悪感
母が重い病気を患っていましたが、お医者様からは、すぐに命にかかわることはないと言われて安心していました。しかし、突然、どんどん病状が悪化し、2カ月ほど前にあっけなく亡くなりました。
私が母の健康の為と思って毎日食べるように勧めていた食べ物が、その疾患を悪化させるので絶対に摂ってはいけない物だったことを、最近になって知りました。そういえば前に母から電話で、「あれ、毎日たくさん食べ過ぎちゃってるけど大丈夫かな?」と聞かれたことがあり、亡くなる1カ月ほど前には、「もうあれ食べるのやめたから」と言われたことを思い出しました。今から思うと、母は私が勧めた食べ物が原因で悪化したことを知ったのでしょう。お医者様も、突然の悪化に驚いていらしたので、きっと食生活などを聞かれて分かっていたのかもしれません。
私はただでさえ、母の死でどうしようもなく苦しんでいたのに、もっと長く生きられた母を殺してしまったのが自分だとわかり、罪悪感で死んでしまいたいほどです。悲しむ家族の姿を見ると、本当の事を言ってしまいたいですが、悲しませるのと恨まれるのが怖くて言えません。
母は最期まで私を責めることなく、それどころか感謝していました。寂しそうに「もう少し生きたいな」と言っていた母を思い出しては、毎日泣いてばかりです。自分のしたことが恐ろしくて、一生立ち直れそうにありません。
これは、よくある残された者の根拠のない罪悪感ではありません。医者をしている友達にすべて話しましたが、やはり「それはまずかったね。でも、済んでしまった事を後悔しても仕方ない」と言われてしまいました。この言葉で、やはり私が死なせてしまった事を再確認しました。
自分の気持ちが軽くなる方法を教えて下さいと言いたいところですが、私は自分の犯した罪を償う為にも苦しむべきのような気がしています。それよりも、母に懺悔する方法はないでしょうか?どうすれば、私の心からの謝罪が母に伝わるのでしょうか?また、家族には話すべきでしょうか?
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今からできることは?
まずはお悔やみ申し上げます。
よかれ、と思ってしたことがそうではなかったということはよくあります。病気というのは複合的なものなので、あなたが勧められたものだけで悪化とは考えにくいですが、あなたご自身はとても悔いてショックであること、わかります。
私の知人もあなたと似たような経験をして、しばらくは近寄れないくらい落ち込み自分を責めていましたが、ある日急に何か「ハッ」としたそうです。つまり自分のような人を作らないように、病気を正しく理解していきましょう、という活動をしようと瞬間的に思ったのだそうです。知人は今、仕事の傍ら、ホスピスのお手伝いや悩む家族の相談にのったりしています。あなたはお医者さまのお友だちにすべて話して色んな思いをされたのですから、もう自分の過去については区切りをつけてよいと思います。これからできることは、同じような思いをする人が減るように動いていくことではないでしょうか。私も家族を看とる時、その病気の看護をしてある方のブログをよく読みました。その方のブログで知ったこともたくさんありましたから、そんな形での発信もできると思います。お浄土におられるお母さまは、もちろんあなたを責めたりされませんし、今のあなたを案じてあると思います。あなたがまた生き生きしていくことが何よりの供養です。どうか体験をいかして、新たな人生を切り出して下さい。私も応援しています。