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『家族』というものに前向きになれません

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有り難し有り難し 11

母との関係性と、それに伴う今の心境の整理がつけられません。

母は、私が子供の頃に家族に黙ってギャンブルで借金を作り、それが家族にバレたら家出をしてしまいました。父が任せていた家賃や光熱費なども払っていると嘘をついてギャンブルや好きなことに使っていたようです。
小学生だった頃の私には灸と称してタバコの火を押し付けてやけどをさせ、ミミズ腫れだらけになるほど殴っていました。
私が就職のために家を出たあとは、病気で補助が必要だった父を放置していたようです。借金から逃げるために家出した母を、それでも家族だからと受け入れた父に対して、その有様です。

平然と嘘を付き、人を思いやらず、自己中心的。思い返すとそのような思い出ばかりの人ですから、どうしても愛することができませんでした。

いま、母は田舎に独居しており、日々の生活の世話はヘルパーさんにやっていただいています。
いまでもお金を無心する電話が時折ありますので、数千円~数万円程度のものは送ったり、多少の仕送りをして日々の生活は維持できるようにしているつもりですが・・・本当にこれでいいのだろうか、と悩んでいます。
どんな人でも親は親、この世に一人しかいない。にも関わらず、一人寂しく暮らさせている。老いてヨボヨボになって体も良くない母が一人でぼんやりいるところを想像すると、辛くなってしまうのです。人として酷いのではないか?と。
どうしても嫌いだという感情と、人としてどうかということがぶつかって、心が落ち着きません。

また、親とそのような関係であったため、これまで家族というものに悲観的なままで四十歳という人生の折返しを迎えてしまいました。
これまで結婚を意識することも何度かあったのですが、そのたびに二の足を踏んでしまっています。私も父のように、家族だと思っていた人に裏切られ、終には冷たくされ孤独と絶望の中で死んでいくことになるのではないか、と怖くなってしまうのです。
もちろん、父と自分は違う人間ですし、これから出会う人と母とは違う人だというのは頭では解っているつもりなのですが…

どのように考えれば、心穏やかに、そして前向きに生きられるでしょうか。
アドバイスを頂きたいです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

一歩踏み出しませんか…

 『家族』というものに前向きになれなくて良いんですよ。「斜め向き」で生きていきましょう。
 斜め向きは、そっぽ向くわけではありませんし、また正面向きでもありません。
 御母様に対しては、そのような関係性があなたにとって一番お楽なのではないでしょうか。
 あなたは本当に大変な人生を歩んでいらっしゃいましたね。ご相談内容を拝見して、思わず溜息が出ました…私には回答など出来ない…いや、逃げてどうする…で、こうして偉そうに回答させて頂いております。
 かといって、私に明確な回答があるわけではないのです。
 本当に身勝手な御母様でいらっしゃったようですね。でもあなたにとってはたった一人の御母様なのですよね。お気持ちわかります…。
 お金の無心だって、「知らない」と突っぱねることだって出来るのでしょうが、そうはせず援助し続けていらっしゃるあなたの優しさと、また他人には立ち入ることの出来ない御母様との奥深い親子関係がうかがえます。
 御母様にはこれまでの「御母様の人生」を歩む「縁」があったのです。だからこそひどい人だと一方的に御母様を非難することは出来ないと、あなたはご承知のはずです。
 一方で、あなたには「あなたの人生」を歩む「縁」と「資格・権利」があります。
 あなたにはあなたの幸せな家庭を築く権利があり、それは誰にも邪魔できません。
 今まであなたが育ったご家庭の環境から、家庭というものに信頼が置けなくなっていらっしゃるご心情はお察し致します。
 でも、家庭はご伴侶と共に努力をして作り上げるものです。それが出来るか出来ないかはやってみないとわかりません。
 一つ言えるのは、無理・ダメ・不安…では、あなたが求める温かいご家庭は夢のままに終わってしまうことでしょう。
 まず「一歩」を踏み出しませんか…何を恐れますか。何か失うものがありますか。
 限られし、それこそ(御母様・御父様そしてご先祖より)恵まれしあなたの命をどうか生ききって下さい。
 あなたが人生をしっかりと安心して生き抜くために、あなたを支え続ける存在を仏様と申します。
 あなたがその仏様を無視しようと疑おうと、仏様のあなたに対する深い慈愛は変わることはありません。
 仏様を支えとして、人生の大なる一歩をどうぞ踏み出して下さいませ…。

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有り難し
おきもち

質問者からのお礼

小林様
心のうちでモヤモヤとしていたものが、少し晴れたように思います。
もしかしたら、いまの自分のありようを誰かに受け入れていただきたかったのかも知れません。

私自身の縁を大事にしてこれからを過ごそうと思います。一歩踏み出す勇気をいただけました。
厳しくも優しいお言葉をくださり、誠にありがとうございます。

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