信長とヒトラー
こんにちは。私には中学生1年生の甥っ子がいます。先日、甥から戦国時代や戦争について質問されました。その質問内容について私は考えたことが全くなかったので、上手く回答できませんでした。
今回は、その甥の疑問を質問をさせていただきます。稚拙な内容かもしれませんが宜しくお願いします。
ある番組で戦国武将ランキングをやってました。予想通り織田信長が1位でした。
私も信長が好きです。理由を語り出したら長くなるので割愛します。その反面、信長の残虐性は有名で、自身の野望のためなら邪魔者を殺害し、村を焼き払ったり身内を殺めたりする人物です。そんな冷酷な人物なのに魅力的に見えるのです。
信長に限らず秀吉も家康も、信長ほどではないにしても酷いことをやっていました。
正直、私も歴史は好きで武将達の生き様から学ぶところが沢山あり尊敬するところもあります。しかし冷静に考えてみると、そんな武将達がヒーローとして祭り上げられていることに少し違和感を持ちました。
あのアドルフ・ヒトラーと規模は違えど大量に人を殺害してる点では同じです。
戦争の悲惨さは、子供の頃に学校や祖父からよく聞かされました。NHKで戦争のドキュメンタリー番組を観るたび人命の軽視、人間の愚かさに胸が苦しくなります。
なぜ戦国武将は美化されるものなのでしょうか?戦争と戦国時代の違いはなんでしょうか?比べることが間違いかもしれません(ーー;)坊様の見解が知りたくてお尋ねしました。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
恐らく
拝読させていただきました、慈陽院の平本と申します。
私も歴史が好きなので、昔同じようなことを考えたことがあります。私的になってしまいますが、そのときに考えたことを参考程度に見ていただければと思います。
まず戦国時代というのは、日本中の秩序が失われた時代でした。平気でとなり村を襲って略奪をしたりと村同士でも争いが絶えない時代でした。また国同士も、学級崩壊を起こしたクラスのように、室町幕府も手がつけられない状態になっていたそうです。そして戦以外でこの事態を治める方法がなかったので戦をしていました。
話し合いでの解決は、秩序があってできるものなので、秩序が失われた時代や当時の価値観だとなかなか話し合いでの解決は、難しかったようです。
そして秩序ある平和をつくる一つの方法として、圧倒的な経済と武力によって平和をつくるということを実行したのが、織田信長や豊臣秀吉であり、徳川家康は、徳川幕府をつくり平和な時代がつくられたわけです。
力で屈服させることは、よくありませんが、この時代には、この方法しかなかったのです。
また戦国武将は、戦が好きのように思えてしまうかもしれませんが、兵法書の中で一番有名な孫子の兵法には、「戦わずして勝つ」ということが大事であると説かれており、できるだけ戦をしない方向に持っていき、戦をするにしてもできるだけ被害を出さないように考えていた武将も多かったようですよ。
また信長による色々な虐殺も、当時としては、他に方法がなく仕方がない部分もあったのだと思います。
生きるか死ぬかを繰り返していた無秩序な時代による価値観と、今の価値観では、なかなか理解ができないことがあるのは、仕方がないことだと思います。
でもこういうことを考える甥っ子さんは、素晴らしいと思いますよ。
またお悩みごとがありましたら、私でもhasunohaでもご相談お待ちしております。
質問者からのお礼
平本優眞様、ご回答ありがとうございます。甥っ子と一緒に拝読させていただきました。日本でもそんな時代背景があったんですね。とても勉強になりました。甥も納得していました。ありがとうごさいます。またご縁がありましたら宜しくお願いします。