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人を殺してしまったかもしれません

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有り難し有り難し 28

初めまして。介護関係の仕事をしています。同僚のご主人が担当利用者様で、半年前に白血病が発覚。すでに治療する術はない状態でした。
免疫力がほぼない状態で本来ならクリーンルームに入る必要があるんですが、コロナの影響で入院できず自宅療養となりました。
訪問時は感染症予防の為、マスク、ゴーグル、手袋、エプロンで面会として、半年が過ぎました。体力や筋力、食欲も徐々に低下していましたが、急変なく過ごせていました。時々、今度一緒に昼ご飯食べようと声をかけて頂いてましたが、実現には至らず。先日奥様よりメールにて、明日昼頃訪問できない?と連絡あり、内容確認すると、ご主人が昼休憩に一緒に昼ご飯食べないか?と言っているからとの事で、ご自宅に訪問し昼休憩に一緒に出前を取って食べましたが、昼休憩を一緒にとる事について会社に確認せずに行ってしまいました。
ご飯が食べれずに悩んでいたけど、その日は、おかずが全部食べれたと喜んでおられましたが、その3日後に発熱し、さらに4日後に一週間の余命宣告を受ける状態になってしまいました。
あの日、私が一緒に昼ご飯を食べてしまい。食事中にマスクと手袋を外した事で、この様な事態を招いてしまった。私がこの方を殺してしまった。ご夫婦を悲しませてしまった。会社にも報告せず行ってしまったと悔やんでも後悔しても、どうすることもできず…
今は奥様がご主人と過ごす時間の邪魔はしないようにしようと、何も言わず耐えていますが、ベッドの交換や歯医者さんなど、他の人との接触もあったし、本当は自分のせいじゃないと思いたい。ご主人が亡くなるのが怖い…結局自分の事しか考えていない、こんな自分は生きる価値がない。苦しんで苦しんで死ねばいいと考えています。でも自ら手をかける勇気もなく、ただ苦しいです。苦しんでいるのはご夫婦なのに、自分の気持ちばかり訴えている愚か者に罪を償う方法はあるのでしょうか?


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

後悔しないでください。

ななしさんのご心痛お察し申し上げます。
そして、介護のお仕事に対しても誠にご苦労様です。

さて、訪問介護されておられた方の症状の変化ですが、まずは、すでに治療方法がない状況においての自宅看護です。たしかに免疫力が落ちている症状は理解できます。私も昨年同様でしたからです。
しかし、そこに至るまでの状態もご本人も、そして家族の方も重々承知の上の食事であったと思います。それは、ご本人にとっても一緒に食事ができたことを嬉しく、感謝していると思います。念願が叶ったのですから。

さて、その後、容態が悪化したとの事ですが、それは、ななしさんの原因ではないと思います。たしかに一緒に時間を過ごしたかもしれませんが、そうであれば即座に急変していたと思います。

人間の亡くなるのは寿命です。たしかに亡くなる原因には、病気、ケガ、事故、災害、老衰等ありますが、でもそれは単なるきっかけに過ぎず、やはり、最後は寿命で、一旦、肉体が維持できなくなる変化するということです。

しかし、それ以上に今回は、ななしさんが心を込めての看護に対しての感謝としての食事でした。決してご自身を責めないでください。食事を一緒にするということを会社に伝えなかったことも後悔かもしれませんが、もし、伝えても許可は下りなかったでしょう。そうなればさらに患者さんにとっては淋しいことになったいたと思います。
繰り返し言いますが、看護、介護とは、たしかに規則に従うべきですが、時と場合によっては、人間(感情)として動いてもいいのではないでしょうか。

所詮、この世は、人間関係です。規則は人間の都合で作ったものです。でも人は感情:心を持った生き物です。ならば、時には人として生るべきです。

私は、ななしさんの今回の行動については非はないと思います。ゆえに、自信を持って前を向いて生きてください。そしてこれからも同じような状況になった時には、人として接していかれればいいと思います。

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有り難し
おきもち

日蓮宗のお寺で、名古屋市南区にあります。 ”お寺は生きている人のためにも...
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質問者からのお礼

ご返信ありがとうございます。
何度も読み返しております。

「所詮、この世は、人間関係です。規則は人間の都合で作ったものです。でも人は感情:心を持った生き物です。ならば、時には人として生るべきです。」

このようなお言葉を頂き感謝で涙が流れます。

それでも尚、私が訪問した翌日が通院日で、その時すでに少し炎症があったと聞き、やはり私が何かしらの細菌を撒いてしまったのかと言う罪悪感。反面、私の訪問直前にも福祉用具さんがベッド交換の為訪問しているからと、自分を庇いたい気持ちが行ったり来たりで自分を責めてしまいます。

私が感情で動いた結果である可能性は忘れてはいけない。後悔は私のみがすれば良く、ご夫婦に同じような後悔の気持ちが沸かないよう、勝手ながらご本人、奥様が少しでも穏やかに過ごせる事を祈っています。

ご返信頂いた事、本当に感謝しかありません。有難うございました。

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