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父親とうまくいきません

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家族全員が剣道経験者ということもあり僕は小学生の頃から剣道を始め、中学、高校と剣道部に所属していました。
しかしこの度進学する大学が決まり、剣道をやめて他のことに挑戦したいと思うようになりました。父は剣道に対して情熱を持っていますし反対されるのは予想できましたが勇気を出して剣道をやめたいと言いました。すると案の定父は憤慨しその次の日からもう1ヶ月ほど口をきいていません。
いつもよく話しかけてくれて、大学に合格したときも一番に喜んでくれたのに今では食事の時ですら席をわざとらしく遠ざけて座ったり僕についての話題をすぐに別の話にそらそうとします。兄(大学でも剣道をしている)や母には普通に話かけまるで僕なんて最初からいなかったかのように振る舞い食事のときは毎回泣きそうなのを我慢しています。そんな幼稚な態度をとる父を見て怒りも湧きますし、今まで父が愛情をもっていたのは「剣道をやっている」僕だったのか、父にとっての自分の価値は剣道をやっていることだけだったのかと悲しくなります。このまま自殺して父が悲しむか試そうか…なんて思ったこともありました。
冬休みに入りこれから家で父といる時間が長くなると思うと息苦しいです。かといってどうすればもとに戻るかもわからないし父が怒るからという理由で剣道を続ける気もありません。もう限界です。どうすればいいですか?


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

対話しつつも意思を貫いて

こんにちは、初めまして。
私も中学高校と剣道部でした。

「剣道をやめて他のことに挑戦したい」というのは、大変宜しいことですね。自分の興味が趣くままに色々なことに「挑戦」するのは、新しい環境での新鮮な人間関係や広い視野を持つ為にとても良いことだと思います。私は、他分野を色々経験しましたが、あなたも是非挑戦してください。

新しい分野に挑戦すると、今まで所属していた環境、考え方が俯瞰的に見れるようになります。今までごく普通であったものが、実は特殊な考え方であったりなどです。また、今まで所属する団体や人間関係が心地よい反面、とてもクローズドの関わりであったことに気づくこともあります。新しい挑戦は、人間の幅が広げます。

「父が愛情をもっていたのは」「剣道をやっている」あなたであった、というのは文面から推察する限りその通りだと思います。「家族全員が剣道経験者」ということは、会話の中身が剣道について、人間関係が剣道関係者などに集中しやすい環境なのだと想像します。特にお父さんには剣道を中心とした生活が心地が良いものであり、一つの秩序なのだと思います。それをあなたが乱そうとすることに、「憤慨」したのでしょう。

特に一つの分野でずっと深めてきた人は、自分の中で当たり前が多くなっていることを客観的に見れない場合がままあります。それは、極めていく意味では有効ですが、柔軟性にかけているのでイレギュラーな事態に対処できません。

「その次の日からもう1ヶ月ほど口をきいていません」というのは、「幼稚な態度」ともいえるし、無言の圧力によってあなたを強制的に方向転換させようともしています。それは、子供さんの自立とその選択の意志の尊重にとってマイナス方向に働きます。

このような力による親の押さえつけは、剣道だけに関わらず他の問題、結婚問題等の人生の重要な選択にも影響を及ぼしかねません。今のうちに、自分の意志を明確にして、これに自信を持つ必要があります。

とはいっても、同じ家の中に生活し続けるとすれば、互いにずっと無言つらいでしょう。だから、ここは正面から剣道以外で何が悪いのかきちんと説明をお父さんに求めるとともに、あなたが「挑戦」することを尊重してほしいとお話し合いをしましょう。決着がつかないのなら、無言でも意志を貫き通す。これはあなたにとって譲れない人生のターニングポイントだと思います。

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釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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