現代の石女地獄とは
hasunohaの僧侶の先生方に以前も相談でお世話になりましたるると申します。
子供を産まなかった女性が落ちる石女地獄というものがあると知りました。
かつては不妊の原因は全て女性にあると考えられ、前世の業縁や罪過のせいで子供が産めずその結果地獄に落ちるとされるとありました。
現代は医学が進歩し、不妊の原因は男性が半分であることが判りました。
そこで三点疑問があります。
・子供を作れない男性が落ちる地獄があるのでしょうか。
・そもそも、男女ともに子供を授からない人が落ちる地獄はあるのでしょうか。
・時代と共に地獄が変更されることはあるのでしょうか。私たちが死後落ちるとされる地獄が、現代のこちら側の世界の都合が変化するなどあるのでしょうか。
疑問が多くて申し訳ございません。
お教えをいただけたら幸いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
仏様の気持ち
るるさん、初めまして。
子供を授からないと地獄に堕ちる……初耳です。どこのどなたが仰ったことでしょうか?
私の友人(女性)は、昨年子宮がんを患い、子宮の全摘出手術をしました。違う友人は、不妊治療の末、授かりませんでした。そういう人たちも地獄に堕ちるんですかね。
そんなわけありません。
それこそ、子宮を摘出したことや、不妊治療しても授からなかった人達の心は地獄の苦しみでしょう。望まぬ苦しみを与えられたというのに、それ以上の苦しみがあってたまりますか!
お釈迦様は法華経如来寿量品第十六に
「つねに私はこのように考えている。どうすれば皆が仏の道を歩き、私のように仏と成ることが出来るのかを」
ここに仏様の深い慈悲の心が見えます。仏様はいつどんな時でも我々を救おうとして下さっている。子供を授からないからといって地獄に堕ちることなんて有り得ません。
地獄は常に我々の心にあります。もっと言えば、仏様の世界も我々の心の中にあるのです。
要はその人の生き様がそのまま地獄や仏界を生み出すのです。
地獄に怯えることはない。
日々を一生懸命に生き、そして、周りの方々と共に生き共に栄えることを大切にすることこそが苦しみの世界から喜びの世界へ続く道です。
拝
インドには石女地獄ってないように思います
地獄という所に対する考え方はドンドン変わっていくものだと思います。だいたいインドには石女地獄はないんじゃないですか。中国に入ってから出来た地獄だと思います。
これにより、三つの箇条書きのうちの一つが明らかなりました。だから、前の二つもないことになります。
中国人は家が絶えることをすごくよくないことだと考えましたから、男尊女卑と相まって子供がない女性の地獄を新たに作ったのでしょう。
迷いの衆生は地獄を含め、六道(天の神々、人間、アシュラ、畜生、餓鬼、地獄)を輪廻すると考えます。が、これは体に何がしかしょうがいがあるとか、生殖機能の問題とかじゃなく、その衆生の生き方により次の行く先が決まるわけです。
子供が産めないことと、その衆生が何を志向しどう生きてきたかとは関係ないわけです。
仏教は時代や地域の移り変わりと共に変わっていっているし、変わっていくでしょう。それは仏教を豊かにしているともいえます。しかし、変化の底にある本質を見極めていないと、不要な誤解に陥ります。どうかいま気に病んでおられるであろうことで悩まないでください。
こんにちは。
そもそも地獄があるのかないのか、地獄とは何かについては、過去の質問をご覧ください。
https://hasunoha.jp/questions?utf8=%E2%9C%93&query=%E5%9C%B0%E7%8D%84&sort=&commit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2
まあそれでも、心配かもしれませんので、答えをいれますね。
人は亡くなった後、何かに生まれかわると言われています。
日本の仏教徒は菩提のお寺でお葬式をすると思いますが、お葬式は故人が今までの罪過を懺悔しお釈迦様のお弟子になるという内容の式です。お釈迦様の弟子になりましたので故人は仏国浄土に生まれかわることになるでしょう。現代の日本人仏教徒のほとんどはお葬式をしますので日本において亡くなった方が地獄に生まれかわるということはないといえましょう。
子供を授からない人の地獄はあるのか、かつてはあったのか、というご質問ですが、ないと思います。地獄に行くのは 殺生・盗み・邪淫・嘘 などの仏教における戒を守らなかった人が行くとされるので、子供を産まない事は戒律に違反しませんので地獄に落ちる理由がありません。
※過去の罪過で子供が産めないという考え方(悪しき業論)は差別につながりますので、注意しましょう。
質問者からのお礼
僧侶の皆様方お返事いただき誠にありがとうございました。
地獄についての質問も拝読させていただき、地獄は私の心に確かにあったと気付きました。そしてまた仏教の教えに導かれることで地獄から人の世界、最後は仏の世界へたどり着けることがわかりました。
私は現在婦人科を受診しており、もしかしたら子供を産めないかもしれないと不安になりましたが、その心が自らを地獄へ落としてしまうのですね。
身体の出来不出来ではなく、衆生の生き方が六道輪廻の行き先を決めるという本質を忘れず、これからも仏様の教えを聞きながら生きていこうと思います。