人をうらやまずに幸せになるには
還暦を迎え、皆仕事も終わり、子供の結婚や出産という喜びも多い時期ですが、我が家は長女が突然乳がんを発症し、今後治療の為5年は子供を産めず、次女は入社後発達障害がわかり、
現在休職中です。もう1人子供がおりますが、
3人とも結婚の予定もなく、将来の展望がまったく見えません。私も今まではそのうちいいことがあると希望を持っていたのですが、最近は周りの幸せなラインのやり取りに絶望感しか感じません。お金のためになんとか働いていますが、主人が単身赴任の為一人暮らしで、親しい友人もおらず、会社以外は引きこもり状態です。人をうらやむことなく、幸せになるにはどのように考えて生きていけばいいのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
「野生なるもの」のように
こんにちは。
子供さんのことがご心配ですね。
映画(『G.I.ジェーン』)の中に出てくる詩(D・Hロレンスの詩)をご紹介します。
「自己憐憫」
野生なるもので、己を哀れむものを見たことがない。
小鳥が凍え死んで枝から落ちようとも、
決して自分を惨めだとは思わない
勿論、「野生なるもの」と人間は違います。
人間はより複雑に思考できます。
しかし、そのより複雑に考えることが逆に自分の足かせになることもあると思います。
きっと「小鳥」は、寒さの中に「凍え」たでしょう。
それは、苦しみの極であったと思います。
しかし、「小鳥」は「小鳥」以外の者になれないし、ならない。
ただ羽根を伸ばし大空を飛ぶものとして徹頭徹尾自分を生きる。
その自分の有り様を「惨めだとは思わない」。
自分が自分であることの矜持を貫く。
「死んで枝から落ちよう」とも。
その「野生なるもの」の姿に、この詩の作者は力強さとシンプルな人間の生きる方向性を見出したのだと思います。
私は仏教を背骨として血肉としたこのままの自分で、人生を全うしたいと思います。
あなたは、人と比較することを根本的に諦めて、今のあなたのままで人生を全うしたら宜しいのではないでしょうか。「野生なるもの」のように。一人の女性として、母として、妻としてのそのままで。
「幸せになるにはどのように」ではありません。
いまが「幸せ」である。
それ以外に「幸せ」はありません。