納骨について
一年前に父が急死しました。
母はそろそろ納骨したいと言います、私は まだもう少し実家に置いておいて、身近に父に居て欲しいのですが、母の考えを尊重すべきでしょうか。(うちと実家は近くです。)
母は 納骨して一区切りをつけ、気持ちの整理もし、元気になりたいようです。
私の気持ちははっきりとは伝えてませんが、(分骨して、私のところで手元供養したい旨を伝えたりして)それとなく言ったことはあります。
母の反応は、それでもいいよとのことでした。
ただ、私の精神衛生上 うちに遺骨があると、父のことをいつまでも悲しんでばかりで 良くないような気もします。
迷っています。
どのようにすればいいでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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正解は無いけれど…
みどりんりん様
はじめまして、なごみ庵の浦上哲也と申します。
1年前にお父さまが亡くなられたとのこと、心より哀悼の意をお念じ申し上げます。
お母さまはそろそろ納骨と思っているご様子ですが、みどりんりん様はもう少し身近にいてほしい、あるいは分骨し手元供養したいとも思っていらっしゃる。しかし自宅に遺骨があると、ご自身の精神衛生上良くないのではないかとも思っていらっしゃるのですね。
どれが正解ということもありませんが、私の話をさせて頂きます。
十数年前に父が突然亡くなりました(私は一般家庭出身ですので、父は僧侶ではありません)。実家のお墓はあったので四十九日で納骨することも出来たのですが、母があまりに寂しがるので、しばらく納骨せず実家に安置していました。
1年経ってようやく母も納骨する気持ちになり、一周忌と共に納骨をいたしました。私と兄2人は、母があれほど寂しがっていたので悲しむのではないかと少し心配をしていたのですが、法要後の食事の席で母は「あ〜〜、ホッとした」と笑顔で言い、私たちは拍子抜けしたことを憶えています (^_^;)
母が父の遺骨を手元に置いていたかった気持ちも本心でしょう。でも同時に、納める場所に納めないと、気持ちが落ち着かないということも真実だと思います。
あともうひとつお伝えしたいことは、お骨だけがお父さまだけではないということです。お骨はお父さまの身体の一部ですから、たしかに大切な「もの」です。もちろん粗末にしてはいけませんが、でも執着しすぎるのも良くなのではないか、と私は考えております。
ご自宅の中でお父さまのいつもいた場所、愛用の品や遺影やお仏壇、納骨なされば墓前で、お父さまを偲ぶことができます。
そしてなにより、みどりんりん様やお母さまが手を合わせる時、すぐそばにお父さまがいらっしゃるのではないでしょうか。お骨が手元にあろうが無かろうが、お父さまは仏さまとなり、ご家族を見守って下さっていらっしゃいます。
どうぞお母さまとも相談しながらお考え下さい。
追記
一周忌、お疲れさまでした。納骨も決められ、お母さまもご自身も気持ちが落ち着かれたとのこと。良い選択をなさったのだと思います。
ひとつお伝えします。お父さまは、遺した方が泣こうが笑おうが、心配し、見守って下さっています。だから悲しい時には、安心して涙を流して下さいね。
賛否両論と思います。他の僧侶の意見も聞いて決めて下さい
お父様の急死、大変な事でございました。
手元供養については賛否両論あると思うので、このあと、私の後にも様々な意見が来ると思います。是非いろいろ参考にして、最後は自分の考えで決めて下さい。
まず、納骨の件ですが、私はお母様の意見に賛成です。古来より日本では「お骨(遺体)は、お墓に納める」という習俗が一般的です。確かに近くにおいておきたい、という気持ちはあるとは思いますが、気持ちに一区切りつける、という意味でも納骨というのはいいきっかけになることと思います。
で、手元供養ですが、私は檀家様から相談があったときは「やめたほうがいいですよ」と伝えています。
例えば、そのお骨でペンダントを作ったとします。あなたが生きている間は、そのペンダントをお父さんと思って大切にするので良いと思いますが、その後、あなたがもし亡くなってしまった後、そのお骨ペンダントはどうなるでしょう?後継者の方が、何も知らなければそのまま燃えるゴミとして捨ててしまうかもしれません。だからあまりお勧めできません、と。
これが私の見解です。
手元供養については、あなたの菩提のお寺のご住職のご意見を聞いてみたり、これからここに他のお坊さんのご意見も書いて頂けると思いますので、よく読み、いろいろ考えてみてください。
※追記です。
浦上師の回答、大変参考になりました。
お骨に執着せず、場所や遺品などを大切にしたらいいという考え、なるほどなぁと思いました。
他に書くところがなかったので、追記してお礼とさせていただきます。
質問者からのお礼
浦上さま
初めまして。早々に回答いただけて嬉しいです。ありがとうございます。
プロフィールにも少し書きましたが、父は 前日まで普通に、母と買い物に行き 庭に花の苗を植え 夜には大好物の母の手料理を食べ、お風呂に入り いつもの時間に床についたそうです。いつもどおりの生活を送るはずだったのに。次の早朝 母が気がついたときには、もう冷たくなっていたそうです。
その4、5日前 私は父母のところに遊びに行き、夕方 また来るねと、玄関で見送る父母にあいさつをして 実家を後にしました。
まさか数日後に 父が亡くなってしまうなんて。
衝撃と悲しみと茫然と。
今でも父が亡くなったことは実感がありませんし、受け入れられていません。
父の遺骨にしがみつくのは、そんなことだからでしょうね。
でも 浦上さまの言葉に 涙があふれました。
辛いけど、少しずつでも受け入れていかないといけないのですね。「もの」に執着する気持ちも ゆっくりとでも手放していかないといけないのですね。
毎日泣いてばかりで、亀の歩みだと思いますが、
浦上さまのお言葉 私への応援歌と受け止め、前に進んで行きます。
浦上さま
ご縁を ありがとうございました。
三禪さま
初めまして。
ご回答ありがとうございます。
確かに、私のあと 遺骨をどうするかという問題が残ります。
そのことも 考えておりました。安易に決めることではございませんね。
三禪さまのアドバイス、しっかりと受け止めさせていただきたいと思います。
こうやって、三禪さまとのご縁いただき、ありがたく思っております。
浦上さま
三禪さま
先日は大変お世話になりました。ありがとうございます。
20日に一周忌を終え、22日の命日には 母と妹と3人で 静かにでも楽しく、在りし日の父を偲びました。
ほっとしたのか、心なしか、母の気持ちも少し落ち着いたように感じました。
と同時に、わたしの気持ちも和らぎ、楽になりました。
件の納骨のことも、4月22日に行う手筈を整えました。
浦上さま三禪さまのアドバイスも踏まえ、いろいろ考え わたしの手元供養は白紙に戻すよう、自然と心が動きました。
なんとなく ですが、一周忌を終え 心の落ち着き場所が出来たような気が致します。
遺骨に囚われ過ぎないで、心の中の父を大切にしようと思えるようになりました。
4月の納骨は、泣かないで笑顔で行えればいいなと思います。
父に心配かけてはいけないですものね。
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浦上さま
また回答いただけて うれしいです。
安心して泣いていい との暖かいお言葉、救われました。
泣くことは良くないと言われることもあり、正直つらかったので。
自分の感情に素直でいいんですね。
ありがとうございました。