中絶したことをどう整理すればよいのか
子ども二人をもつ主婦です。下の子が10ヶ月になるとき、三人目を妊娠しました。私は元々助産師で赤ちゃんも妊婦さんも大好きで、私自身も漠然と子どもは三人くらい欲しいなと思っていました。
一方主人も医療者で多忙を極める日々を送り、毎日帰りは深夜、かつ不安神経症や強迫性障害を抱え、思い詰めるととても不安定になることもありました。そんな主人は1人目の子どもが小さな障害をもって生まれ一歳で手術をうけたこともあり、後で知りましたが、二人目妊娠中も何かあるのではと不安で仕方がなかったそうで、生まれた瞬間も喜びよりも何か異常がないか、自分でもそんなの普通じゃないと分かりながらもそこをまず確認してしまったということでした。
そんな中、三人目の妊娠。主人は何種類かの精神安定剤も内服していました。妊娠が判明し私は、主人にどう伝えようか、反対するのは分かっているが私はどうしても産みたい、どうしたら賛成してもらえるのか、悩みました。会って話すと冷静に話せないのが分かっていたので、出張帰りの主人に電話で伝えました。そしてしばらくして返ってきた返事は俺はこれから死ぬ、と。もう耐えられないと。結婚してからも二度程、もう死にたいと訴えたことがあったため、私は血の気が引きました。それ以降一週間ほど話し合ったものの、主人は望んでもいない子を産んでくれとはいえない、何かあると思うと俺はもう耐えられない、もう生きていたくない。事故に見せかけて死ぬから生命保険で家族が生きていけるようにするから、そんな返事ばかり。私が産みたいと主張することが夫を殺すことになるのか。こどもの命と夫の命を私に天秤にかけろというのか。どうにもならない悔しさ、でも子どもたちのために夫を突き放すなんてこともできない。もちろん夫は私にとっても大切な人です。とても子煩悩で真面目すぎて自分を追い込んでしまう人、私がこの人を見捨てたらどうなってしまうのか。本気で自殺する準備をしていた夫をみて、私は分かった、諦めるからと伝えました。その後三人目にさよならをしました。数年経ちますがそれでも毎日考え、苦しく、悔しく涙が止まらない日があります。目の前で笑う家族をみてこの家族を守るためだと思いながらも、あの時あの決断をしていなければと後悔に苛まれます。私はこの先、どんな思いで生きいけばよいのでしょう。どなたかにこの思いを聞いて欲しく、相談させて頂きました。
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あなたの吐露の助けになれば
こんにちは。
「目の前で笑う家族をみてこの家族を守るためだと思いながらも、あの時あの決断をしていなければと後悔に苛まれます」と末尾に書かれていますね。その一文にあなたの心の孤独さを感じます。
私がかつて教えていただいた先生は、事故で子供さんを亡くされました。先生はあまりの悲しみに、これからの人生で二度と腹の底から笑うことはないだろう、と言われていました。
身近な命をなくすということは、そういうどうしようもない喪失感をもたらすことでしょう。
あなたの場合はこの喪失感に加えて、おそらく中絶ということについての罪悪感を持っていると思います。
日常のふとした場面に、幸せを感じたり笑いがこぼれる時にこそ、返って過去のことが心の中で棘のように刺さるものだと思います。
まずあなたがこの喪失感と罪悪感、そして孤独感の中にあることを言葉として「整理」する必要があると思います。現状認識は大切です。
あなたはなぜ孤独感を感じるのでしょうか。
子供さんとはこの問題を共有できない。そして何よりこの問題をご主人と共有できないところに、あなたのどうしようもない寂しさの原因があるのではないでしょうか。
ご主人は精神的困難さを抱えているようです。
しかし、こと妊娠に至る経緯については、ご夫婦に同じだけの責任があるように思います。
ご主人は二人目を授かった時に、異常の有無についての大きな不安に苛まれたようです。その時の経緯が自分でわかってるのでしょうから、自分の精神的困難さから妊娠に至る行為をすることの危うさに気がついていたはずです。
それをいざ妊娠してみると、自らが命を絶つということを前提にあなたに中絶をするように半ば強制した。そこにはあなたへの尊重や、命への尊重よりも、命を無かったことにしたい、心配する要因を減らしたいという意図があったのではないでしょうか。
つまり、あなたはご主人とお話し合いができない、然るべき行為の責任を取らず、一方的な方法で完結させられてしまう息苦しさを感じているのではないですか。
これは第三者が見た勝手な推測です。
あなたの心とは遠いところを述べているのかもしれません。
ただこの文章に気づくところがあったり、いや全くそうじゃないということを話したかったら、ここで十分に吐露してください。そのお手伝いができれば幸いです(字数制限)