乗り越え方
家族の死をどうやって乗り越えたらいいのでしょうか、、、
昨年、家族の病気が進行し、治す術もなく看取り優先での生活を告知され、そばで看取りをしました。
最後の瞬間まで看取り、人の死ぬまでのその一瞬も逃さず、他の家族と一緒に静かに見守り、泣きながらありがとうと伝えました。
私にとって一番の応援者であり、師であり、父であり、時には喧嘩相手でもありました。
看取りは母が一番そばで行っており、私は死が近づくのを見てられなくて父に対して素っ気ない態度で接したり、話さなかったりと酷いことをしてしまったなと後悔しています、、、
毎日、父とメッセージのやり取りをしていました。父は亡くなる前まで応援や励まし、アドバイス、いつもの冗談をメッセージに残して送ってくれていました。
私は、父に対して親孝行ができなかったと、かなり後悔しています。
結婚して子どもがいたら孫を見せられたかもしれない、花嫁姿なんて見てくれたかもしれない、母との食事のプレゼントもできたかもしれない、一緒に旅行もたくさん連れて行けたかもしれない、、、
そんなことばかり、頭に浮かびます。
最後まで心配させてしまったし、素っ気ない態度で話してしまったり、、、
もっと心温まる言葉とか、優しさとか、そういうのを以て対話していたらよかったのに、とずっと後悔ばかりです。
もう二度と、父からメッセージは来ないし、会話もできない、父が大好きだった旅行もできないし、二度とそういう時間は来ないのだと思うと、どうしていいのか分からない程の悲しみと虚無感と後悔とで苦しいです。
でも乗り越えなければならないし、家族を支えなければならないと自覚しています。その中で、一人にしないで、という残りの家族に対する自分自身の寂しさと甘えとが一気に上がってきます、、、
自分自身もいつかは死ぬというのは分かっているんですが、今目の前にあるこの虚無感と怖さとどう対峙すればいいのか、分からないのです。
お叱りでも大丈夫です、お忙しい中この文を見ていただいてありがとうございます。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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乗り越えるべきものとは限らないのかもしれない
大事だったお父さんが亡くなられた悲しみの中にいる。もっと親孝行できたのではないかと考えているのですね。どうしたら家族の死を乗り越えていけるのか。目の前にあるこの虚無感と怖さとどう対峙すればいいのか悩んでおられるのですね。
私はあなたの悲しみを聞く事しかできません。私は、今あなたが感じている、虚無感や悲しみがなにかとても大事なものだと思うんです。人間は離別の悲しみや、どうにもならないものを抱えています。それ自体が人間が生きるという事の姿なんですよね。私たちは、悲しみや激しい苦しみのない状態が、正常で良いものと考えていますが、仏陀はそうではないと言う。悲しみや別れを含めて人生なんだと。それから逃れられる人は一人もいない。私たちが、普段それを忘れているだけなんだと…。だから、今あなたは頑張ってお父さんの悲しみを乗り越えて、家族を支えていかないとと思っているのだけれど。そんな立派なものにならなくていいと思うんです。むしろ悲しみや、寂しさの中でウロウロ・オロオロしていいと思うんです。乗り越えなきゃというのは「あなたの想い」でしょう。どうにもならない人生に一緒に泣いてきたのがお釈迦さまです。ゆっくり歩いていきましょう。
あと一つ、あなたは、お父さんにもっと親孝行できたのではないか、最後そっけなくしてしまった。と気にされているようなんですが。私が師から言われたことですが「その人の人生を死の一点でおさえてはならない」と思うのです。どういう死に方だったとか、若かったとか。そういう事でその人の生きた人生を押さえてはならない。どんな死に方だろうが一生懸命生きたのです。お父さんの人生はあなたとの出会いも含めてその全体がかけがえのないものだったと思います。その人の愛したもの、愛されたこと、大事にしたものを見て下さい。そういう全体を通して父さんを見るべきなのかもしれない。こんなにあなたに思われて父さんは幸せだったんじゃないでしょうか?私はそう思います。
あなたの行いとか、あなたが人生で何を得たとか、そういうことはどうでも良いんじゃないですか…。そういうことでお父さんの人生の幸不幸を決めたなどどと考えるのははっきり言って傲慢かもしれない。
お父さんは一生懸命生きた。あなたが手を合わせる時、そこで出会い直すのではないでしょうか。どんなあなたでも応援しています。(おすすめの本『悼む人』天童荒太)
お父様と一緒に
拝読させて頂きました。
大切なお父様がお亡くなりになられてあなたは深く悲しみ様々な後悔のお気持ちが込み上げてきているのですね。そしてその悲しみやさみしさを乗り越えることができないと思っておられるのですね。あなたのそのお気持ちは私の想像を超えることとは思いますが、あなたのお気持ちを心よりお察しします。
あなたはかけがえのない大切な人です。あなたが不思議なご縁でお父様とお母様との子供として命を頂き、お父様とお母様や沢山の皆様から愛されて育まれて成長なさり、今生きていること、それが先ずお父様やお母様にとっての親孝行です。
お父様はきっとあなたが生まれくれたことを心から喜ばれたことでしょう、あなたが健やかに成長なさっていらしたことを心から感謝なさったでしょう。お父様があなたにいろいろなことを教えて伝えていくことを何よりも生きがいとなさっていらしたことでしょう。
あなたとお父様とのご縁は永遠に続きます。お父様は仏様に救われてご先祖様方に優しく迎えられて、仏様のもとで心清らかにご成仏なさいます。そしてあなたやご家族の皆様をいつでもどこでもどんな時でも優しく見守り続けて下さいます。
あなたはどうかお父様を心を込めてご供養なさって下さいね、そしてあなたのお父様への思いをありのままにお父様にお伝えなさって下さい。お父様はあなたの思い全てをありのまま受けとめて下さいます、そしてあなたに寄り添い支えて下さいます。
あなたはこれからもずっとお父様に守られて生きていくのです、それがお父様への親孝行です。
いつの日かあなたが天寿を全うする時にも必ず仏様があなたをお導き下さりお父様がご先祖様方と一緒に優しくあなたを迎えて下さいます。そして再会なさりいろんなことを話し喜び分かち合うことでしょう。どうか安心なさって下さい。
悲しみやさみしさを乗り越えるのでなくこれからもずっとお父様はいつもあなたを教え導き見守り続けて下さいます。
あなたがこれからもずっとお父様とのご縁を大切になさりながら皆様と一緒に心から仲良く幸せに生き抜いていかれます様にと切にお父様にお祈りさせて頂きます。またあなたのお気持ちお聞かせ下さいね。あなたの思いをいつも私達もお父様も耳を傾けていますからね。至心合掌 南無阿弥陀仏なむあみだぶつ
質問者からのお礼
お二方、お返事いただきましてありがとうございます。どちらの言葉も心に響きます。ようやく少しずつですが受け入れられるようになり、通常に生活に戻れるようになりました。生前父が生きていた時代がまるで昔のような心地がして不思議というか、いいことも悪いことも両者思い出しながら過ごしています。それらを思い出しては受け入れていくことが供養になるんだろうなと、心に留めながら進んでいこうと思います。一気には難しいですが、少しずつ進んでいければと思っております。ありがとうございます。