亡くなった親が子供に憑くことはありますか
去年の4月に祖母が亡くなり、5月に母が病により亡くなり7月には恋人が手術をしました。立て続けに私の周りで悲しいことが起きたため、お祓いに行こうと決心しました。
母方のおばがよく霊に憑かれやすいみたいで、お祓い屋(普通のお家でした)を紹介してもらい1人でいったのですが、2人憑いてるとのことでした。
一人は男性(悪霊)で、その日に祓ってもらいましたが、もう一人は母だといわれました。
霊媒師さんが言うには、亡くなる時の感情や感覚を持ったまま魂になるので、母は自分の身体がないことに気付いてなくて、まだ苦しんで助けを求めて私のところに来ていると言われました。
楽にするには私が毎日声に出して「体はないから楽になっていいんだよ」といってあげてください、もしまた今度見たときにまだいらっしゃったら成仏するお祓いをします。と言われました。(もしお祓いになると、5万円で、時間が3時間ほどかかるということも)
私は早く楽になってほしいので、家族にそのことを相談しましたが、父は「金額提示をしてくるのはおかしい」と、別のお寺にお祓いに行くことになりました。
そこでは親が子に憑くことはないと言われ、20分ないくらいのお祓いで終わりました。
ちょっと早く感じて、これでいいのかな?と心配になり、最初の霊媒師さんに行ったほうがいいのか、どうしたら良いかわからなくなったのでお話を聞ければと思います。
亡くなった親が子供に助けを求めて憑くことはあるのでしょうか?
お祓いは場所によってかかる時間もお金もこんなに違ったりするのでしょうか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
ありえません
こんにちは。
仏教では、因果を説きます。現在発生している事象にはすべて原因がある、ということです。この因果とは「日頃の行いが良いから遠足の日に晴れになった」などというような不思議な因果関係ではなく、「遠足の日に目的地が高気圧に覆われていたから、晴れになった」という現実的な因果関係です。
あなたのお祖母さまが亡くなられて、お母様が亡くなられるまでの間は1ヶ月ほどでした。お母様が亡くなられた原因はプロフィールに書かれている通りであり、お祖母さまの死亡とはなんの因果関係はないでしょう。恋人さんは何の病気なのかお怪我なのかわかりませんが、手術の原因となった事象は、お母様が亡くなる前からあったのではないですか?
人は不幸があると、心理時に目に見えない何かにその責任を押しつけたくなる傾向にありますが、仏教的に言えば目に見えない何かが直接働きかけるような教えはありません。全ては科学的に証明できる原因と結果ががっちり組み合って成り立っているのです。
それに、もし「取り憑く」ような事があったとしても、あなたのお母様が、あなたの事を不幸にするようなことをすると思いますか?それにお祖母さまもお母様も、きちんとお葬式をしたと思います。お葬式は故人が仏弟子になる式です。今はしかるべきところでしかるべき修行をしているはずです。人に取り憑いているひまなどないでしょう。
>亡くなった親が子供に助けを求めて憑くことはあるのでしょうか?
あり得ます。亡くなって、餓鬼道の一番ましな人間と接触できる程度のところに転生すると、心だけで生きているし、人間よりは苦しいし、どうしていいかわからないし、直前の人間だった時のことは覚えているので、親族(子供)に頼ろうとします。
初期仏教の経典『餓鬼事経』などでは、親族が霊になって頼っているのが分かった人間が、代わりに布施などの善行為をして、「これはあなたのため(この功徳をもって苦しみが楽になるように。良い処(天界)に転生するように[⇒大乗では成仏するようにと言っています])」と願ってあげます。[自分の]功徳[を他者に]廻向(くどくえこう)といいます。
この霊媒師さんが『餓鬼事経』を知っているかどうか知りませんが、やっていることはその内容にも沿っているようです。
参考:藤本晃『餓鬼事経ー死者たちの物語』(サンガ、国書刊行会)[現在入手困難かも。図書館にGo!]
>お祓いは場所によってかかる時間もお金もこんなに違ったりするのでしょうか?
ありえないことではありません。普通の葬儀や法事でもお寺によって時間やお金(お布施)がいろいろ違いますから。その霊媒師さんの目安として先に基準を示しているのではないでしょうか。お布施でも、「大体の相場」や「我が寺の基準額」を先に示すお坊さんもあります。
私はむしろ、セカンドオピニオン?のつもりで行ったお寺さんにあなたがいまいち納得していないことのほうがほほえましいです。
モノを売り買いしたり工事を頼んだりする支払いなら、成果も物質的で目に見えやすいです。しかし心の問題(憑かれていて体や精神が重い・不安定ということも心の問題にされがちです)は本人にもわかりにくいので、結局、それを言う相手を信用できるかどうかに多くを負うことになるでしょう。
私に言わせると、「親が子に憑くはずがない」はそのお坊さんの主張であって、事実かどうか判断できているわけではないように思えます。
お母さんが憑いていてもいなくても、何か善いことをするたびに「この功徳を亡き母と一切衆生に廻向します」などといって功徳廻向するべきだと仏教では勧めます。霊媒師さんは「あなたが自分で無理なら私がやってあげます」というスタンスですし、まず、ご自分で頑張ってみると良いと思います。
先ずは、あなたの価値観を選択してください
こんにちは。
あなたは「霊媒師」に相談したり、「お寺」にも相談しているようです。ご自身の宗派、信仰がどの辺りにあるのか分かりませんが、私の考えを参考程度に言います。
私は、「霊媒師」と仏教を奉ずる「お寺」とは、全く考え方が違うと思います。
「霊媒師」は、「霊」を前提にこの観察、コントールができると考える。
コントロールとは、自分の思い通りになるように操作する、という考え方です。
仏教は、「霊」という不滅の何か、超自然的な何かの存在を前提にしません。
その何かをコントロールして、現実を自分の思い通りにもっていこう(煩悩)という自分自身のあり方、心の持ちようを省みるのがその考えです。
つまり、あなたは考え方が全く違う方向性のものを同等に考えているというところに根本の問題があります。
「立て続けに私の周りで悲しいことが起きた」ことは、悩ましいことでしょう。
特に、お身内をお二人亡くされたことは、お辛いことと思います。
ただ、「亡くなった親が子供に憑く」かもしれない、という世界観のままいくのか。そういった「霊」等の価値観を前提に生きていくのか。
それとも、全く白紙に戻して仏教の教えを一から聞いていくのか。
「お祓い」の「お金」の多寡を尋ねるよりも、まず大前提として「霊」なのか仏教なのか、その選択をすることが先決だろうと思います。
そこで、あなたが「霊」を前提にするのでしたら、仏教を旨とする僧侶にはその金額の多寡は分かりません。それは、「霊媒師」さんたちのセカンドオピニオン、情報を収集したほうがいいと思います。
先ずは、あなたの価値観を選択してください。
追記
この度は、ご丁寧にご返信並びにお気持ちをお運び頂き、誠に有難うございました。お心遣いが嬉しいです。お供えとさせて頂きます。
一度で、悩みはすぐ解決にはならないと思いますが、またお話になりたいたいことがありましたらお寄せください。
ありがとうございました。
私はそうは思わない。
科学的に証明できることではないので
要は自分が何を信じるかどうかです。
私は
亡くなった方は成仏すると信じているので
誰かに憑くようなことは信じられません。
ましてや
「親が子に憑いて災いを及ぼす」などとは
親を冒とくしているとしか言えません。
もし私が死んで成仏できなかったとしても
子どもを不安にさせるようなことはしません。
質問者からのお礼
皆様の心強くも優しいお言葉が聞けて、考え方が広がって、今まで一人じゃ解決しようもない悩みもこれから晴れていきそうです。
本当にありがとうございます。