会ったことがない父親について
前にもここで相談させて頂きました。
私は生まれてから1度も父に会ったことがありません。最近まで会ってみたいと思っていたのですが、もうそろそろ父のことを引きずってないで前を向こうと思っていても、なかなか出来ません。前を向こうと思っていても「私もお父さん欲しかったな」とつい思ってしまいますし、母を恨んでしまいます。そんな事思っても私がこれから父と暮らすことはありませんし、母も変えられないのですが、つい「こうだったら良かった」とないものねだりしてしまいます。
ないものねだりしたり母を恨んだりしている自分が嫌です。
どうしたらいいでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
あなたを子として見てくれている眼差し
こんにちは。
「私もお父さん欲しかったな」という一文に、あなたの素直な思いが表れています。それは、子としてのとても素直な感情です。方や、「ないものねだりしたり母を恨んだり」こともあるかもしれません。それは、いずれもあなたの現実なのでしょう。
以前、こんなテレビ番組があった、と人づてに聞きました。
視聴者のお悩みを、番組の側が解決するというものです。
ある女性が、幼い頃に死別した父親の写真が残っていない、なんとか探し出してもらえないかというものでした。その女性にとって、父の姿は全く記憶になく、面影も全く心に思い浮かばないのです。結果、番組の側が懸命に探したにもかかわらず、写真は見つからなかったそうです。
しかし、なんと有力な手がかりとして、唯一ビデオテープが発見されました。それは、非常に古い媒体で撮影されたもので、専門家によって復元されました。期待をしてその女性が画面を観ます。ところが、結局、肝心のお父さんの姿は写っていませんでした。それもそのはず、撮影しているのが父親当人だったからです。結局、画像には幼き頃の女性の姿だけが終始映っていました。
番組スタッフが申し訳無さそうに、ご希望が叶わず、すみませんでしたと謝ります。一方、肩を落とす周囲の雰囲気に対して、女性は涙を流して喜んだそうです。確かに、姿を見ることは出来ませんでした。しかし、父が私を見て、私を撮ってくれていたことは分かりました。父が私を見ていてくれた、それだけで十分なのです、と。
あなたは、「1度も父に会ったことが」ないのですね。
それは、どういう事情によるかは分かりません。
この先に会えるのか、それも分からないことでしょう。
しかし、あなたは紛れもなく父親があったから生を受けたのです。
どこか、この広い世界にあなたを子として見てくれている眼差しがある。
そういったことを胸に秘めて日々を送る、というのはどうでしょうか。
目の前にいるお母さんを大切にし、未だ見ぬ父親を心に収めて大切にしては。
そう思いました。
あなたをここでお待ちしていますね
拝読させて頂きました。
あなたがお父さんに今までお会いしたことがなくてとてもさみしいと思ってしまったり、お母さんのことをうらんだりしてしまうお気持ちを読ませて頂きました。そうあなたが思われるのももっともかと思います。
今までお父さんに会えないというお気持ちを抱えてあなたは悲しい思いをしたでしょうし、何故私にはお父さんがいないの?といつも疑問に思っていらしたでしょう。あなたのその悲しみはさみしさは深いでしょう。あなたのお気持ちを心よりお察しします。
あなたは今までお父さんへの思いや様々なつらい思いや悲しい思い、或いはお母様への様々な思いを抱えていらしたと思います。宜しければあなたの思いをここでも私達におっしゃって下さい。恐らくは様々言い尽くせない思いがあると思います。その思いをゆっくりと思いつくままにお話お聞かせ下さい。そしてあなたの心の中から出してみて下さい。今すぐお気持ちが変わることはないかと思いますが、あなたの思いを見つめ直してみる為にもゆっくりお話お聞かせ下さいね。
あなたをここでお待ちしていますね。